閑3話
修道士長 ミラー・マカリスターのインタビュー
日刊:王都通信の記事より
記者:今を時めく子供賢者様の鑑定の儀を取り仕切られたミラー女史にお話を伺います。
ラインハルト殿下の第一印象は如何でしたか?
女史:ごく普通の新生児でした。
しかし、話に聞いた月齢よりずいぶんと大きく成長されたお子様だと感じたことが最初の違和感でした。
記者:違和感とは?
女史:通常の赤ちゃんですとまだ自分の意思がはっきりせず、周りのなすがまま、こちらの反応をみて、笑ったり、目で追ったりする程度なのですが・・・・もうしっかりとご自身の意思を持っている目をしておられた・・・・そう確信しております。
それに、教会へお越しの折に既に魔法を発現しておられ、薄い光の膜に覆われた状態でしたので、この子は違うのだと強く印象に残っております。
記者:選定の儀を行われたのはミラー女史でしたよね?
女史:・・・・・その事についてはあまり話したくありません。
記者:その訳は?
女史:・・・・特異すぎるからです。・・・・もう終わりにしましょう。
<休憩20分:交渉に成功>
女史:分かりました。ここだけの話と言うことで・・・・お話しします。
( すぅ~・・・・女子は大きく息を吸い込み、堰を切ったように話し始めた。)
ああぁっぁぁぁぁあぁ!あり得ませんわ!!!!何なのあの子!!!
普通精々2種類の魔法、多くても3種、その反応は、ほんのりと属性色を放つ程度なのよ、それが水晶球を通して魔法が発動してしまうの。
それも、見たこともない効力を発揮するんですよ!?信じられます?まだ二か月少々の赤子がですよ?!信じられませんわよね?、そうですよね? 私変なこと言ってませんよね?
しかも選定の儀の間に新たに氷と雷の魔法まで覚えてしまったみたいで、聖堂の屋根に大穴を開けたのよ? 一体幾らの修繕期間が必要なことか・・・・まぁ王族のご子息と言うことで多額の寄付金で修繕費の目途は付きましたが、それでも国宝の水晶球の破壊まで・・・・それをいとも簡単に元に戻しぃ・・・・もう、もう嫌です、殿下に関わっては身が持ちません。それを、それを、あの強欲司祭長が、王城でもう一度選定の儀を執り行うことを、承諾してしまったのです。
私あの時程、司祭長の下に付いた事を後悔したことはございません!!
もう一度? はっん! 自分でやれっての。どれ程恐ろしいか身をもって体験しろって。
だから私、急いで閣下にお手紙を差し上げたのですが・・・・結局、結局もう一度・・・・あああぁぁぁぁぁああ、もう嫌です!!もう良いでしょ?このあたりで・・・・ダメ? 最後まで?
・・・・・
・・・・
スイーツ食べ放題も付ける?
新しいアクセサリーも?
・・・・
・・・・
・・・・・国宝が、国宝がですよ、三つに増えたのです。
えぇ、殿下がサクサクっとお造りに・・・・元の国宝は今より200年も前に、かの大賢者ギルフォールド様が2年をかけて創り上げ、それを大事に大事に保管し続けてきた教会に・・・・殿下は「 あぃ! 」って・・・・しかも三つもですよ!?
水晶球で権威を誇った我が教会には、大きすぎる負担となったのです。
それから頻繁に水晶球の貸し出しを迫る、貴族達の圧力が・・・・・あ!新しくできたレストランの食事券も忘れずお願いしますよ!・・・・で、その貴族の対応も私が一手に対応することになって・・・・
見て!・・・・
( 後ろ髪をかき上げた女史の後頭部に、丸い脱毛の後が・・・・)
私の心労が解って頂けました? 解っていただけて?! 話したくないのよ、本当に・・・・はあぁ~
( 女史は一気に吐き出した後、燃え尽きるように項垂れ、一気に老けてみえた。)
・・・・だから、私、もう修道士長を辞退しようかと真剣に悩んでおりますの・・・・だって他の修道士からのやっかみも激しくって・・・( この後一時間ほど、女史の愚痴が続くので割愛 )・・・・だからです。
記者:・・・・貴重な体験談、誠にありがとうございます。
(・・・・こりゃ記事に出来ないは、不敬罪で首が飛ぶ・・・・)




