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異世界転生 第二の人生は胎児から 新生児からはじまる無双物語  作者: ねむねむぴよ
第一章 胎児から始まる異世界転生
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第9話


 目が覚めると、荘厳な雰囲気の建物の中にいた。

 きらびやかな法衣を纏った恰幅の良いおっさんが、手もみをしながら我々を迎えている。

 法衣を着た集団は20名程。

 後ろを振り向くと、母やマーニの他に甲冑を着た数名の護衛が付き従っている。

 「 あぶぶ・・・・ (うちって貴族なんだ・・・・)」

 護衛はいずれも厳つくムサイおっさんばかり、早々に興味を失い、手の中に銅玉を取り出しニギニギする。銅の玉はひんやり冷たく気持ちがいい。


 そんなご機嫌な頃がありました。

 母が自分を抱きかかえると、法衣を纏ったおっさんとしばらく話をした後、徐に自分を預けたのだ。


 「 ふぎゃ?! (なんですと)」

 むずがり母のもとへ戻ろうとするが、おっさんは慣れた手つきで自分を祭壇へと連れてゆく。


 ・・・・


 なにやらしばらく祈祷を行うと、法衣を着た奇麗な修道女風の女性がラインハルトを抱きかかえる。

 ・・・・まぁ、これなら許せる。

 そして、台座に乗せられた大きな水晶の玉の元へとラインハルトを運び、水晶玉に近づけた。

 「 あぶぶ? 」

 「 そうですよ、これにタッチしてくださいませ 」

 プラチナブロンドの青い目の美女が自分を促す。

 「 これよりラインハルト殿下の魔力選定・鑑定の儀を執り行います。 みなさま鑑定水晶をご覧ください。」美女が透き通った声で、皆に告げる。


 宣言が終わり、小さな手を水晶にぺたりと置く。


 ビカァアアアアアアァァアァァアアア!!!!


 「 キャァ!!」法衣の美女が悲鳴を上げる。

 しかしそこは本職、気を引き締め選別と鑑定を行い始める。


 最初は白い発光。

 「 光魔法! 」

 続いて黒い靄が立ち込める。

 「 ふぁ、闇魔法!」

 更に赤い閃光。

 「 火魔法! 」

 水晶の台座からザーっと音を立てて水が噴き出す。

 「 きゃ、水魔法 」

 その水を吹き飛ばす旋毛風が法衣の裾をめくりあげ、美女の下着が露になる。

 「 ・・・・風魔法!」 顔が真っ赤だ。

 そして、急に埃っぽくなったかと思うと、水晶玉から砂粒の粉がザラザラザラと噴き出し台座を埋める。

 「 ・・・・土魔法!」

 遂には、台座がメキメキと音を立て、枝が伸び葉を茂らせる。

 「 ・・・・木魔法・・・・これにて略全魔法の・・・・」

 法衣の美人の声が終わりを告げようとしたが水晶の反応はまだ終わらない。


 台座がぐにゃりと歪み水晶に吸い込まれ、空中に浮いた状態となる。

 そして、七色に発光しピシピシとひび割れるように嫌な音を立てた。


 キカァ! パシャァ・・・・・・


 激しく閃光を発し、ひび割れから幾筋もの光を放出したかと思うと、水晶球がキラキラ輝く砂の様に粉々に砕け地面に落ちた。


 「「「「「 ・・・・・・・・・・ 」」」」」

 「 あぶぶあぁ~ぁ(やっちまったかぁ~) 」


 最後に調子に乗って、自分の魔力のありったけを注いだら、水晶が耐えられなかった。

 法衣の美女の手が震えている。


 「 あぶぶきゃは! (しょうがない何とかするか)」


 ラインハルトは風魔法を使い砂の一欠けらも残さず搔き集め、いつもなら手でコネコネするところを魔力に物をいわせ、魔力を注ぎながら念動で捏ねる。


 「「「「「 ・・・・・・・・・ 」」」」」


 次第に白濁した球体が透明になってゆく。

 不純物を取り除き、さらに圧縮。

 そして赤銅のような輝きをえて、一回り小さな水晶球へと姿を変じる。


 『 ポーン 魔力による錬成を確認 スキル【錬成術】が発生しました。』


 神の声を聴き流し、まだ熱そうな水晶球の熱を、周囲に排熱する。


 『 ポーン 魔力による温度変化を検知 スキル【氷】【温度変化】が派生しました。』

 なるほど、氷魔法は温度変化の一種なのか・・・・じゃぁ・・・・

 水魔法で霧を作り、激しく念動で振動させる。


 パリリ・・・ 静電気のようなものが発生した。


 念動で引き寄せた水晶球に手をのばす。


 ビガアアアア、ゴロゴロゴロ・・・・・

 聖堂の天井に向け、一筋の稲光が走り、天井を突き抜けた。


 『 ポーン 魔力による雷撃を感知 スキル【雷】が派生しました。』


 「「「「「 ・・・・・・ 」」」」」

 法衣の美女は完全に硬直し、失禁している。

 赤子じゃあるまいし・・・・念動で引き寄せた水晶球を渡そうとすると・・・・


 ピキキキ キーィィン

 氷塊に取り込まれた水晶球・・・・・

 法衣の美女は、鼻水をたれ奇麗な顔をクシャクシャにして泣いている。


 「 あい! 」


 水晶球を渡そうとすると法衣の美女は、恐る恐るラインハルトを床に置き水晶球を受け取ると、へなへなと床に座り込んでしまった。 


 「 あぶぅ、きゃは!(だめだった?まあいいか、明細鑑定!) 


 >個体名:ラインハルト(仮)

 >種族名:人間

 >状態値:新生児 生後1か月状 状態良好 (光魔法:プロテクト継続中)

 >存在値:LV2

 >体力値:42HP  

 >魔素値:632MP (保有1530MP)

 >スキル:魔力操作 光 闇 火 氷 水 風 雷 土 木 治癒 重力操作

      明細鑑定 早熟 肉体改造 念動 木工 金属加工 異空間収納 錬成術 温度変化


 スキルが増えたことに満足するが、魔力の使い過ぎか強い眠気に襲われ意識を手放した。

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