让我们来谈谈一个有趣的节日
「私は、決闘は好きじゃないんだよぅ。あ、でも喧嘩は好き!」
ボクは寮暮らしだけど、生徒さんの中には、学園の中を横断するモノレールで学園の外から通う生徒さんもいる。まぁ、それはおいおい書くとして。今回ボクが記録するのは、学園でも屈指の盛り上がりを見せるお祭りについてだ。まずはおおまかな説明をしようか。
学園に通う生徒の寮部屋や自宅には、巴桜で開催される決闘の祭典、『巴桜五祭』が近づくと、参加者募集のチラシがポストに入っている(多分新聞部の皆さんが配っているんだろうなぁ……)ことが多い。巴桜五祭を細かく言うと、五月開催の『雑兵祭』、七月開催の『騎兵祭』、十月開催の『司教祭』、十二月開催の『覇王祭』、そして三月開催の『帝王祭』の五つ。それぞれに参加資格やルールがあるよ。
例えば、ボクが今日の朝起きて新聞を取ったときに折り込みチラシに混じっていたこの雑兵祭のチラシ。参加資格は『全生徒』、ルールは『相手が気絶するまでならば、何をしても良し』。この、『相手が気絶するまでならば、何をしても良し』というのは、生徒の間では『ノーマルデュエル』と言われているよ。
「ワタルちゃん、それ、雑兵祭のチラシ?」
「うん。ボク、この学校に入学するって決まってから、ずっとコレが楽しみだったんだよねぇ!」
「ワタルちゃん喧嘩好きだもんねぇ……。私はとろくさいし、遠慮しようっと。」
「なんでー!? モミジちゃんも一緒に出ようよぉ!」
こうやって、参加しない生徒って言うのもまぁ、けっこういる。単に戦闘が苦手、というのもあるし、大学受験(大事!)とか、物見が好き、とかそういう理由で出場しない人もいるみたい。別にそうは言っても、日本の少年少女の大半が通っている学校だから、お祭りとしては十分に盛り上がる。
「そういえばさ。」
モミジちゃんがふと思い出したようにボクに尋ねてきた。
「雑兵祭の他にも、決闘祭ってあるんだよね? それぞれどんな感じなの?」
おぉ、ちょうどボクが記録しようとしていたことを。ナイスタイミング、モミジちゃん。折角だから記録しながら解説しちゃおうかな。
「この雑兵祭は……まぁ、チラシを見ての通りのルールと参加資格だね。他の四つのお祭りは、モミジちゃん知ってる?」
「うん、騎兵祭、司教祭、覇王祭、帝王祭だよね。」
「そう。騎兵祭は、雑兵祭を勝ち上がった人と、架空の生物の能力を持った人が出場できる決闘祭だよ。」
「雑兵祭は、架空の生物の能力者は出られないの?」
「出られるけど、リミッターをかけられるよ。」
「へぇ~。じゃ、ワタルちゃんはリミッターつきだね?」
「不本意ながらね!……そうは言っても、ボクら新入生もたくさん出場するわけだし、ある程度のリミッターは必要なのかな。あぁいう人たち……黒駒、って言われるけど。って、能力を軽く振るだけで下手したら星を落とすから……。」
「ひえ! 怖いんだねぇ~。」
何でそんなたとえになったかと言えば、ボクの父さんが小さい頃星座にも含まれてない無名の星をひとつボクの目の前で消したから……って、それは今は置いておいて。騎兵祭のルールも雑兵祭と同じくノーマルデュエル、ってことを説明したら、それじゃあお次。
「司教祭は、今度はまた全生徒が参加可能だよ。はい、モミジちゃん、司教祭の特徴は何か、当ててごらん!」
「え、えぇ? ええと、場所が変わる!」
「うーん、惜しい! 場所は、騎兵祭から変えられるよ。素力を使った擬似的な障害物と色素の操作で、様々な舞台を作り出せるんだ。例えば海とか、都市とか。気温や天気、時刻も変えられるよ。で、さっきの正解は何かって言うとね? チーム戦なんだよ。六人一組で、チーム戦を行うの。ルールは、『メンバー全員が気絶するか、各チームの陣地にある素力結晶を破壊するまで』。通称、『チームデュエル』っていうルールだよ。」
「チーム戦!? 戦術とか作戦とか連携とか、難しそう……。」
「うん、だから、司教祭に出場できて、なおかつ最後まで残れる人たちっていうのは、よほどに優れた戦士ってこと。」
ボクの父さんや母さんは司教祭で優勝したらしいけどね!
「はい次! 覇王祭! なんだと思う?」
「コレは知ってるよ! 五王会が参加するんでしょ?」
「お、よく知ってるね! そう、じゃあモミジちゃんは五王会ってなんだか知ってるかな。」
「一昔前の学校で言う、生徒会ってやつ?」
「ま、そんな感じ。生徒間のいざこざや学校行事なんかを管理する、巴桜の生徒最高機関! 学園の理事会にも口出しできる人たちだよ!」
「す、すごい!」
「そんな人たちになるには、現職の五王会の人々を決闘で倒す必要があるよ。さぁモミジちゃん! 五王全て言ってみようっ!」
「え!? えぇーっと、キング、クイーン、キャバルリアキング、エンプレス、エンペラー……だっけ?」
「せーかーい! そんな実力者揃いの五王会が、堂々の参戦! 正直、勝てる人なんていなくて、毎年優勝は五王の内の誰からしいよ……。」
「そりゃ、ね……。」
モミジちゃんは、苦笑いしながらそういった。それでも、そんな覇王祭で父さんはキャバルリアキングになる資格を得た(辞退したんだって! なんでかなぁ?)らしいけど。父さんはやっぱり強かったんだなぁ……!
「帝王祭は、全員が真性化した状態での決闘だよ。モミジちゃん、真性化はわかる?」
「うん、自分が無意識のうちにかけている能力のリミッターを外すんだよね。姿は能力に近くなり、人としての格も保てなくなることが多い……とか。自分でその境地にたどり着ける人は少ないって聞いたけど?」
「最近の……とは言っても結構昔らしいけど。技術の進歩で、専用の器具を使えば、対象を自在に真性化させることができるんだって。」
「危険じゃないの?」
「うん。危険。だから、過去何人も死者が出たお祭りなんだ。」
「え! 何で存続してるの!?」
「代々の五王会と、生徒たちの一存。」
「それで、雑兵祭とか……お祭りに参加するには、どうすればいいの?」
「ホームルーム棟の一階の専用受付で出場申請をして、成績的に生徒が問題なければ、申請が受理されるよ。」
「ワタルちゃん、成績大丈夫だっけ?」
「ぎくっ。」
そう、ボクは脳筋だから、モミジちゃんみたいに勉強ができる方じゃないんだ。成績は正直このままじゃ危ない……。数週間後の中間試験もちょっと危ういかも……。えへへ。
「仕方ないなぁ。雑兵祭に出場できるように、私がワタルちゃんの勉強を見てあげるよ!」
「ほんと!? ありがとう~! モミジちゃん大好きっ!」
「わひゃっ! くすぐったいよぅ!」
ボクは、モミジちゃんの背中に飛びついて、モミジちゃんのぷよぷよしたお肉をところかまわずわちゃわちゃした。いやほんと、モミジちゃんもめるところ多くてついつい揉んじゃう。そんなわけで、ボクは申請可能時期になるまで、モミジちゃんにみっちり勉強を教えてもらいましたとさ。
――「让我们来谈谈一个有趣的节日(楽しいお祭りについて話そうか)。」




