諸侯達の愚策
交渉団より無線で情報を知ったローマ軍集団は第2歩兵師団と第3機甲師団を派遣することを決定。また、泗水関付近を航空機で偵察することも決まった。
泗水関付近を偵察した結果、董卓軍は現在、多数の諸侯と戦闘中と言うことが判明。
その後、董卓軍の兵士が命がけで要塞に書状を持ってきた。
どうやら、共同戦線の申し出のようだ。
こちらとしても借りを返すためにその申し出を受諾することにした。
そのため、増援として第16砲兵師団と第55山岳歩兵師団も派遣することにした。
エルスランド帝国本国からも増援部隊として第1近接戦闘団が派遣されてきた。
その頃、連合軍は泗水関を攻め落としていた。
泗水関を守っていた張遼と華雄の2人は無事に後方の虎牢関に逃げられたそうだ。
1週間後、泗水関前面には松平容秀中将率いる洛陽派遣軍が董卓軍と連合で泗水関を包囲していた。
少し前まで連合軍は泗水関を攻める立場だったのに、今では逆に守る側になっている。
「討って出るべきです!!!エルスランド帝国とかいうわけのわからん国などすぐに敗走するでしょう!!!!」
袁紹と劉備・曹操・孫策を除いた諸侯たちはエルスランド帝国軍を撃破してこの状況をどうにかしようとしていた。
「そうと決まれば、早速出陣の準備をしましょう!!!!」
「お待ちなさい!!総大将はこのわたくしですわよ!!!!」
袁紹が諸侯たちを止める。
「ご安心くだされ。我らが、必ずや敵を撃破して見せましょう!!!」
「無理に決まってますわ!!」
「そのようなことはございません!!!」
袁紹と諸侯との間で言い争いに発展しそうになった。
「やめなさい麗羽。言って聞くような連中じゃないわ。」
「ですが、華琳さん。」
「では、失礼したします。」
袁紹(麗羽)は、何か言いたげだったが華琳に止められた。
「出陣だ!!!門を開けよ!!!!」
銅鑼の音と共に城門が開いた。
「敵軍が出撃してきます。」
「迎え撃つぞ。全軍配置につけ!!!!」
「了解」
容秀中将は馬に乗り、最前線に配置されている第1近接戦闘団のもとに向かった。
エルスランド帝国陸軍の近接戦闘団は槍侍や刀侍・薙刀侍などの近接武器を使用する兵士で構成されている近接専門部隊で皇族である松村義忠が部隊を創設したことから、旗印として義忠家の家紋が使用されており、鎧は初代皇帝が生まれた国である日本の侍が使用した鎧を使用し、緑色をしている。エルスランド帝国では、近接戦闘団に所属する兵士は敬意を示すために侍と呼んでいる。近接戦闘団はエルスランド帝国建国当初から国を支え続けた歴戦の部隊で、兵士たちも刀や槍・薙刀にたけた者達だけだった。
「騎兵が突っ込んでくるぞ!!!槍衾を築け!!!!」
槍侍部隊の隊長が号令をかける。槍侍たちは前面に出て、槍衾を築く。
騎兵は槍衾を築いた槍侍に突撃する。
しかし、突撃する前に馬が止まったり、突撃したが、槍が馬に突き刺さり落馬したりして、突撃は失敗に終わった。
「くそ!!退け、退け!!!!」
将軍が号令をかけるが、
「逃がすな!!!敵に我々の恐ろしさを思い知らせるんだ!!!」
槍侍たちは複数で一騎を取り囲み槍で突き刺していく。
突撃後、無事に撤退できたのはわずか数騎だけだった。
「突撃開始!!!」
一般兵士が剣を構えて第1近接戦闘団に突撃を開始した。
「構えろ!!!」
兵士が近接戦闘団と戦闘に入り、泗水関周辺は乱戦状態になった。
しかし、連合軍の剣はエルスランド帝国の刀と比べてももろいため、すぐに刀侍と剣兵が打ちあうとすぐに剣兵の剣が折れた。
「何て硬さだ!!!!」
「このままじゃ部隊が持たないぞ!!!」
連合軍の兵士の中には既に不安になる者もいた。
「押せ!!!!敵は弱兵なるぞ!!このまま一気に突き崩せ!!!!」
「こっちも一気に押し出せ!!!!」
「いい感じだな。この機を逃すな!!!!」
近接戦闘団は部隊長の激励などで士気が上がっていた。
「弓兵、矢を放て!!!」
「ダメです!!」
「何があった!!!」
「敵騎兵の攻撃を受けています。」
「何だと!?」
容秀中将も前線で近衛騎兵と共に戦闘を行っていた。近衛騎兵が鎧なのに対して容秀中将は、軍服のためある意味目立っていた。
彼らは後方の遠距離部隊を中心に攻撃し、一撃離脱戦法で弓兵を混乱させた。
「逃げろ!!勝てるわけがない!!!」
「おい、お前たち!!!逃げるな、戦うんだ!!!!」
「無理だ!!俺達が勝てるはずがない!!!」
弓兵部隊が指揮崩壊を起こし、泗水関に撤退してしまった。
その影響なのか剣兵部隊も次々と敗走を始めた。
「追撃だ!!!我らに勝負を挑んでただで済むと思うなよ!!!!」
容秀中将が自ら先頭で兵士を鼓舞した。
連合軍は必死で泗水関に逃げ込んだ。
「皆の者、勝鬨を上げよ!!!!」
「「「おおーーーー!!!!」」」
第1近接戦闘団の声は泗水関にいた袁紹たちのもとまで届いた。