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泗水関での事件

「こちらの部屋でお待ちください。」

張遼と華雄の2人は要塞内部にある応接室に案内されていた。


「こっちとあっちとでは世界が違うみたいやわ。」

「ああ、武器も我々よりはるかに進んでいるし、敵には回したくないな。」

2人は要塞内で見た兵士の武器などを基に話していた。

「お待たせいたして申し訳ございません。エルスランド帝国陸軍、ローマ軍集団司令官の松村里秀陸軍大将です。」

「うちは、董卓軍で騎都尉しとる第3師団長の張文遠や。覚えといてな。」

「私も張遼と同じく董卓軍で都尉をしている第4師団長の華雄だ。よろしく頼む。」

「こちらこそ、よろしく。それで、お話と言うのは・・・?」

「近隣の民からこの建物についてのことで話があってな。我らが調査しに来た次第だ。」

「ひょっとして、貴殿らの領土でしたか!?」

「いや、そう言うわけではないのだが、隣接しているからな。」

「なるほど・・・。」

「1つ聞いても良いか?」

華雄は里秀大将に質問する。

「別に構いませんが?」

「エルスランド帝国とは、どのような国なのだ、我々は貴国のことを全く知らない。」

「うちも聞いたことあらへん。」

「それに、あの巨大な門は何だ?何かの兵器なのか?」

「それは、ですね・・・・。」

里秀大将はこれまでの経緯を話した。

もちろん、異世界に転移したなどと言うわけではなく、門は一種の移動装置だと説明した。

「なるほど・・・・移動装置なのか。」

「まあ、詳しいことは教えられませんし、教えたとしてもわからないと思いますが・・・。」

「まあ、構わないだろう。」

「こちらからもお願いしたいことが。」

「何だろうか。」

「貴国と交易をおこないたいと思っている。そこで、そちらの責任者にその意思を伝えてほしい。」

「わかった。結果が出たら、ここに知らせに来ればよいか?」

「その方針でお願いします。」

話を終え、2人は兵士の案内で要塞を出た。



「国交を結べれば良いのだが・・。」

「いきなり宣戦布告とかは勘弁してほしいですよね。」

里秀大将らは、戦争だけは勘弁してほしかった。

後日、華雄と張遼の2人が書状を持ってきた。

書状には1週間後、『洛陽にてそのお話し承ります。』と書かれていた。

里秀大将は外交官を本国に要請。

外務省より松村利光外交官を全権大使とした交渉団が派遣されてきた。

「利光か!!頑張ってきてくれよ。」

「頑張ってきますよ伯父さん!!」


利光外交官たちはは外務省が用意した黒塗りの専用車両2両に乗り、ローマ軍集団所属の18年式装甲車(ランチア IZM)に6両に護衛されながら洛陽に向かった。


18年式装甲車はイタリア王国軍が第一次世界大戦末期、オーストリア=ハンガリー帝国軍との戦闘に使われたほか、後にはスペイン内戦でも使われ、一部は第二次世界大戦に入っても使用されていたランチア IZMがモデルで八島兵器工業が製造している。

18年式装甲車は陸軍では年々使用されなくなってきているが機動隊や民兵部隊ではまだまだ一級品である。


利光外交官が乗る車列は順調に洛陽に向かっていた、都周辺の警備を任されている董卓軍もこのことを知っているため、何の問題もなく進めるはずだった・・。




「おかしいな?こんな大規模な兵力がここにいるなんて聞いていないぞ!?」

泗水関付近に車列が差し掛かった時だった。その周辺には完全武装の兵士たちがかなりいた。

護衛の装甲車から兵士が確認しようと双眼鏡を持ち外に出る。





泗水関付近で陣を構えていた反董卓連合は後方に謎の兵士がいる報告を聞いた。

「報告します。背後に謎の軍勢が、おそらく、斥候かと。」

「だそうですって。皆さん、いかがいたしましょう。」

連合の天幕では連合に参加した諸侯たちが後方の部隊のことについて話し合っていた。

「董卓軍であれば、奇襲を狙っているのではないか!?」

「その可能性は高いな。背後から奇襲を仕掛け、泗水関からも討ってでる。挟み撃ちにしようとしているのかもしれぬな。」

「ここは、弱小勢力で劉備義勇軍が対処すると言うのいかがでしょうか?」

1人の諸侯がそう言う。

「そうだな。それがいい。どうでしょうか、劉備殿・本郷殿?」

「わかりました、ですが念のため、どなたか一緒に。」

そう言うと再び諸侯たちは騒ぎ始めた。

「私達が行くわ!!」

そう言ったのは髑髏の髪飾りを付けた金髪の少女だった。

「では、皆さん。後方の部隊にはブ男の本郷さんと華琳が向かってくれることになりました。」







「どうします?」

「ここからじゃ、董卓軍に連絡はとれないしな。様子をうかがいましょう。」

「了解です。」

利光外交官は護衛部隊の指揮官と話をしていた。

「報告!!こちらに数千の部隊が向かってきています。」

「戦闘準備だ。急げ!!!」

待機中の兵士たちは慌てて装甲車に乗り込んだ。

「頼む!!攻撃しないでくれ!!!!!」

「私は、劉備義勇軍総大将劉元徳が義の刃 関 雲長。そちらの目的を教えよ!!!!」

利光たちは安心した。少なくとも今すぐ戦いになるわけではないと判断したからだ。

「こちらは、エルスランド帝国漢王朝交渉団です!!貴殿らとの交戦の意志はございません!!!」

利光外交官は拡声器を使ってそう言った。

「エルスランド帝国?」

「どこだ、その国は?」

「聞いたことがないな?」

「それに、あの乗り物も怪しいな。妖術の類じゃないのか?」

両軍の武官や兵士から疑問の声が上がった。

「ご主人様、エルスランド帝国と言う国に心当たりはないですか?」

「俺も聞いたことがないな。」

「あら、天の御使いであるあなたも聞いたことが無いの?」

「では、敵なのでしょうか?」

「いや、あの黒色の乗り物は車と言う天の国で普通に使われる乗り物だし、その周りのは、おそらく装甲車、俺のいた国でも軍隊が所有している兵器だよ。」

「はわわ、天の国の乗り物と兵器ですか!?」

「少ないとは言え、攻撃するのはやめておいた方がいいかもしれない。」

「その方がいいかもしれないわね。春蘭、攻撃は中止よ。」

「そのことですが、既に秋蘭が部隊を率いてあちらに向かっています。」

「何ですって!!!!」

「急いで止めるんだ!!!彼らを攻撃したら今度は、もっと本格的な軍隊が向かってくるぞ!!!!」

「わかってるわよ!!!急いで秋蘭たちを止めないと!!!!」



「動きがありませんね?」

「董卓軍には話が通っているはずだが?」

護衛の兵士たちも不審に思っている。

「それに、劉備義勇軍ってなんだ?董卓軍からそのような軍部隊の連絡は受けていないぞ。」

「確かに・・・。」

「もう少し待ちましょう。向こうも情報が混乱しているのですよ、きっと。」

「そうだと良いのですが・・・・。」

交渉団は仕方なく待つことにした。



「夏侯淵様!!敵はこちらの存在に気づいていません!!!」

「そうか、分かった。」

交渉団の様子を夏侯淵(秋蘭)率いる部隊は見ていた。

「皆の者!!!董卓軍は奇妙なカラクリを使い、こちらを混乱させようとしている。その者達をここで討ち果たし、泗水関を突破する先駆けとするのだ!!!!」

「「「応!!!」」」

「では、全軍私に続け!!!!」

「「「おおーーーー!!!!」」」

秋蘭は交渉団の車列に向かい側面から銅鑼の音と共に突撃した。

「敵襲!!!!側面から敵部隊が突撃してきます!!」

「こちらを敵と認識したか!!!!」

「撤退します。こちらに勝ち目はありません!!!」

「わかっています。」

交渉団を乗せた車列は猛スピードで撤退を始めた。

「なんという速さだ!!!馬でも追いつけないと言うのか!?」

秋蘭は交渉団を追うのをやめた。

その後、曹操(華琳)からの伝令が到着し、すべてを知った秋蘭は顔が真っ青に

なった。



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