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モンスターのご主人様  作者: ショコラ・ミント/日暮 眠都
3章.ありのままの彼女を愛して
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07. 白い蜘蛛と、オタクの少年

前話のあらすじ:

~もしも話。暴露される幹彦~

   (中略)


「リスクって、なんの話だ。いったい、おれのどこにそんなものがあるっていうんだ」

「なるほど。本心から気にしていないのですね」


 すっとシランの目が、おれの広げた腕の先に向いた。

 そこからにょろりと生えたアサリナが、びくりと震える。


「いったいどこの世界に、手の甲からモンスターを生やしている人間がいるというのですか」

「……。そういや。幹彦が中学生のとき、左手に悪魔が宿ったのどうこうって言って――」

「ぎゃああああ! 黒歴史!?」


 そして誤解されるこちらの世界。

   7   ~ガーベラ視点~



「むうう」


 腕組みをして、妾は唸り声をあげた。

 場所は開拓村の外。街道から少し離れた森のなかである。


 主殿に連れられて、妾たち眷属は揃って開拓村から出てきていた。


 ここからは見えないが、もう少し森の深いところでは、リリィ殿やローズ殿が戦闘指南を受けているはずだった。


 リリィ殿はともかくとして、人目を避けなければならないローズ殿は、村のなかでは指南を受けるスペースがない。なので、村の外に出る必要があったのだ。


 そうしてリリィ殿とローズ殿が武術を修得しようとしている一方で、妾はといえば、目の前の地面に並べられている様々な種類の武具を前に、頭を悩ませていた。


 これらはどれも、チリア砦の武器庫から持ち出された品々だ。

 放棄する砦に置き去りにして駄目にしてしまうのは忍びないと、車に積める限り積んできたものだった。


 主殿が世話になっている同盟騎士団のものが主だが、駐留していた部隊が全滅した帝国騎士団のものも輸送している。


 それらがここに並べられているのは、リリィ殿やローズ殿がいざ武術を習おうというときに、「槍や斧でも様々な種類があるので一度見てみないか」という話になったからだ。


 そのときに、「この際だから、お前も様々な武器を試してみたらどうか」と、主殿が妾に提案してくれたのだった。


 力を求めているのは、なにもリリィ殿やローズ殿だけではない。

 主殿の同郷の出身だというチート持ち、十文字達也は妾でさえも喰らいつくのが精いっぱいという難敵だった。


 妾は主殿に付き従う眷族のなかで、最強のモンスターだ。

 妾を超える強さを持つ者はおらず、故に、敗北は許されない。


 妾は迷うことなく、主殿の提案に乗った。


 手っ取り早く強くなるために道具を使うというのは、恐らく主殿たち人間特有の発想だろう。


 力不足であればこそ、道具を用いて工夫する。妾も力が足りなくなったのなら、その流儀に則るのも悪くない。


 ただ、あまりにも馴染みがなさ過ぎて、正直、勝手がわからないのは困りものだった。


「気に入ったものはありました?」


 すぐ傍にとめてある車から出てきたケイが、妾に声をかけてきた。

 エルフの少女の腕には、たくさんの武器が抱えられている。幼いながら、彼女は力持ちだ。騎士となるべく鍛えているからだろう。


「生憎だが……」

「むぅ。駄目ですか。いろいろ見ましたけど、なかなか見つかりませんね」

「うむ」


 妾は目の前の武器のひとつを手に取った。主殿が使っているような剣だ。

 振るってみて、自然と眉が寄った。


 自分がこれを使って、強くなれるビジョンが浮かばない。

 長い年月を経た獣の本能が、これでは駄目だと言っていた。


 もとより、これらの品々は人間が使うことを前提としている。そのあたりが、妾に合わない理由なのだろう。


 これはなにも、武器だけに限った話ではなかった。

 たとえば、リリィ殿やローズ殿は武術を身につけようとしているが、妾にはそうした方法で強くなることはできそうになかった。


 これは、あやめやアサリナのことを考えてみればわかる。彼女たちに武術を修めることが不可能なのは、言わずとも知れたことだろう。


 どちらかといえば、妾はあれらに近いのだ。


 アラクネは上半身こそひとに似ているが、武術に大事なのはむしろ下半身なのだという。

 妾の下半身は蜘蛛そのものだ。動かし方も運用方法も、ひとのそれとはまったく異なる。


 剣の理合とかなんとか言ったか。ああしたものを妾が身につけるためには、アレンジというレベルではなく、根本から別な武術体系を構築することが必要だった。

 しかし、それはさすがに悠長が過ぎるというものだろう。


「そもそも、ガーベラさんはもう戦闘者として完成しています」


 腰を落としたケイは、武器をひとつひとつ地面に置いていく。


「たとえるなら、超一流の剣士が、指南のひとつもなく魔法使いになろうとするみたいなものです。それは、あんまりに効率が悪過ぎます。だから、ガーベラさんの戦い方を武器に合わせるんじゃなくて、確立されているガーベラさんの戦い方に合った武器を選択しなきゃいけないんです」


 そこまで語ったケイは、恥ずかしげに小さく舌を出した。


「って、姉様が言ってました」

「お主には悪いことをしたな。こんな作業に付き合わせて」

「そんなのいいんですよ。わたしくらいしか、手があいてるのもいませんもん。それに、孝弘さんの頼みでもありますから」

「お主くらいしか、か」


 朗らかな返答を聞いて、妾は首を傾げた。


「のう、ケイよ。お主は、妾のことが怖くないのか?」


 同行している兵士たちも、騎士たちも、妾たちに対して敵対行動を取ることはない。


 団長の意向もあって、騎士たちはむしろよくしてくれている。いまも、下手に人目に触れることを避けるために、誰も近づかないよう見張りをしてくれている者たちがいて、彼らはチリア砦で主殿と肩を並べて戦った者たちなのだという。


 しかし、それはあくまでもモンスターを率いる主殿に対する敬意であって、眷族である妾たちと個人的に親しく交流できるかといえば、それはまた話が別だ。


 事実、主殿が率いる眷族のうち、見た目が人間と区別がつかないリリィ殿以外は、この世界に住む人間たちと接触を持っていない。


 妾に対して、このケイのように、積極的に交流を持とうとする者は他にいなかった。

 最近、気付いたのだが、これはなかなか驚異的なことではなかろうかと思うのだ。


「だって、ガーベラさんは、孝弘さんの眷族ですもん」


 よいしょっと声を出して、妾が先程まで見ていた武器類を抱えてケイは立った。


「孝弘さんは、シラン姉様がグールになってしまったときに、任せろって言ってくれました。それは嘘じゃありませんでした。本当に、姉さまのことを助けてくれたんです。だから……」

「なるほどの。お主は、我らの主殿を信じてくれておるのだな」

「はいっ。勇気を出してお喋りしてみたら、ローズさんもいいひと……ひと? でしたし、ガーベラさんも親しみやすくて……あっ」


 にこっと笑ったケイが、ふと視線を逸らした。


「孝弘さんっ」


 嬉しげな声。気配でそれとわかっていた妾も、そちらを振り向いた。

 幹彦殿に肩を貸した主殿が、木々の向こうからこちらへと歩いてきているところだった。


 主殿と幹彦殿は、互いに練習用の木剣と盾を装着して打ち合っていたはずだ。

 息も絶え絶えといった様子の幹彦殿に対して、主殿にはまだ余裕があった。


「幹彦がダウンしてな。悪いんだけど、ケイ。介抱してやってくれないか」

「はい。わかりました。それじゃ、そこに寝かせておいてもらえますか」


 武器を抱えたケイが、がちゃがちゃと音を立てながら車に戻る。

 幹彦殿のことを木の根元に横たわらせた主殿が、見ていた妾に顔を向けた。


「どうだ、ガーベラ。良さそうな武器は見つかりそうか」

「いいや、残念ながら。種類が多くて目が回りそうだの……」

「頑張って探してくれ。肌に合いそうなものが見つかれば、ローズに作ってもらおう。そこもまた相談だな」


 水筒を持ってケイが帰ってくると、主殿は腰をあげた。


「それじゃあ、あとは頼んだ。おれはリリィたちの様子でも見に行ってくるから」

「……もう行くのかよ、孝弘」


 へろへろの幹彦殿が声をあげる。主殿は肩をすくめた。


「シランには、リリィたちだけじゃなくて、おれのことも見てもらう約束だからな。幹彦も回復したら来いよ。お前も稽古をつけてもらう約束になってただろう」

「へーい」


 苦笑して、主殿は行ってしまった。

 名残惜しいが、彼にもやることがある以上、仕方ない。


 妾もやるべきことをするべきだろう。


 妾が武器をあれやこれやと手に取ることしばし、残された幹彦殿が身を起こした。


 主殿の友人である幹彦殿とは、妾も面識がある。幹彦殿は時間があれば主殿のところに顔を出し、ローズ殿といろいろ創作物に関して話し合っているからだ。


 詳しい話の内容までは知らないが、最近、たまにローズ殿がよくわからないものを作っているのは、多分、幹彦殿の影響なのだろう。


 たまにだが、機会があれば妾も彼と話をすることがあった。


「……しかし、元気だね、あいつは」


 感慨のこもった声で、幹彦殿がつぶやいた。


 あいつ、というのは主殿のことだろう。

 主殿と幹彦殿は、この世界にやってくる前からの付き合いだ。いまの彼のことを見て、思うことも多いのかもしれない。


「幹彦殿より、主殿のほうが魔力の扱いはうまいからの」


 妾は手にしていた斧を地面に置いてから、幹彦殿のほうを向いた。


「とはいえ、見ている限り、お主のほうが戦いの才能はありそうに思えたがな」


 最初のほう少しだけふたりの稽古を見ていたのだが、身体能力で劣りながらも幹彦殿はなかなか巧みに戦っていた。


 主殿と同じく剣と盾とで打ち合いつつ、自身のチート能力によって浮かせた二刀を操る変則的な戦い方は、魔力による身体能力強化で一歩先を行っている主殿とも互角にやりあえていた。

 もっとも、地力の差から最後は主殿に押し切られてしまったようだが。


「はは。伝説の白いアラクネに才能があるって言われるなんて、案外、おれも捨てたもんじゃないね」

「いまは剣の腕でも主殿が上だが、幹彦殿が魔力をもっとうまく扱えるようになり、仮に身体能力で主殿に並ぶことができたなら、きっとすぐに追いつくこともできよう」

「へえ、本当に? それはいいな。そっか。身体能力が互角になれば、ねえ。……そこんとこネックじゃね?」

「それもまた、一面の事実ではあるな」


 主殿が手に入れた力は、これまで樹海を生き抜いてきた経験が齎したものだ。そう簡単に覆されては、主殿としても立つ瀬があるまい。


「……しかしまあ、そのあたりは当然っちゃ当然か」


 幹彦殿は小さく溜め息をついた。


「正直、これまでやってきてた訓練の内容聞いて、おれ、ドン引きしたもん。……だけど、それくらいしなくちゃ、本当に大事なものは守れないんだろうなぁ」


 しみじみとつぶやく。

 眼鏡の下の目には、友人に対する素直な尊敬の念が表れていた。


「チート能力は、転移者の心の底からの願いをかたちにするもんだって聞いて、おれ、納得いったもん。ガーベラさんたちの存在は、あいつにとっちゃ願いそのものだ。そりゃ、必死になって守ろうともするし、そのためになりふりかまわず努力もするさ。それだけのもんを心に抱けるっていうのがね、なんつーか、羨ましいかな」

「そうは言うがの、幹彦殿」


 妾は不思議に思って尋ねた。


「お主も己の能力を発現させておるのだろ? だったら、主殿と同じではないのかの?」

「おれのは……多分、あいつほど立派な願いが元になってはいないからなぁ」


 ぼさぼさの髪を掻き回して、幹彦殿は苦笑した。


「孝弘と違って、おれってば、いい加減な性質だしね。心からの願いというより、これはむしろ……」

「むしろ?」

「……いや。なんでもない」


 幹彦殿はかぶりを振って、立ち上がった。


「さて。十分休んだことだし、おれもそろそろ行こうかな。ケイちゃん、ありがと」


 渡されていた水筒を返した幹彦殿が、ふと気付いた様子で妾を見た。


「あ。そういえば、ガーベラさん。相談されてた例の件、できたから渡すよ」

「本当かの!?」


 勢い込む妾に、幹彦殿は笑って頷いた。


「うん。ほらこれ」


 ズボンのポケットから出されたのは、等間隔に薄い線が描かれた白い紙きれだ。


 妾がそれを受け取ると、ケイが興味を示した様子で身を近づけてきた。


「それ、幹彦さんたちの世界のものですか」

「うん。ルーズリーフっていうんだ。もうあんまり数がないから貴重品なんだけど、ガーベラさんたってのお願いだったから奮発しちゃった」

「お願い? ……あ。これ、絵が描いてあるんですね。うわっ、うまいっ!?」


 ケイが目を丸くする。自慢げに幹彦殿は鼻の下をこすった。


「そりゃまあ、魂込めて描いたからね。自信作。夜なべしてたせいで、ぶっちゃけ今日は結構へろへろ」

「孝弘さんに刃が立たなかったのって、ひょっとして、そのあたりが原因なんじゃ……」

「たはははは。それじゃ、ガーベラさん。なんかあったらまた言ってくれ」


 ケイの指摘に誤魔化し笑った幹彦殿は、逃げるように駆け出した。


「ありがたい。参考にさせてもらおう!」


 その背に妾は感謝の言葉を投げて、幹彦殿を見送った。

 そうして、改めて紙面に視線を落とす。そこには、みつあみの少女の絵が描かれていた。


「しかし、ほんとにうまいですね。幹彦さん、画家さんだったとは知りませんでした」


 傍らから覗き込んできたケイが言う。


「当人は、『イラストレータを目指していた』と言っていたがの」


 妾は紙面に目を落としたまま、彼女の言葉を修正した。


「『だけど、自分なんてまだまだだ。ちょっと器用なオタなら、この程度は描けるのはたくさんいるよ』とも言っておったか」

「へえ。よくわからないですけど、画家さんでもないのにこんな絵が描けるなんて、幹彦さんたちのいた国は、本当に豊かな文化を持っているんですね」


 感心した様子で言ったケイは、こくりと首を傾げた。


「それで、これはなんなんですか?」

「うむ。妾は幹彦殿にちょっとした相談を持ちかけておってな」

「そういえば、幹彦さんもさっき言ってましたね。相談って、お絵描きのですか?」

「いや。そうではない。実はの、妾はローズ殿に衣服の作製を依頼されておってな。その意匠をどうしたものか、悩んでおったのだよ」


 頼まれたのは、まだ主殿と合流する前。チリア砦を襲撃せんとするモンスターの大群に巻き込まれる、その直前のことだった。


「ばたばたしていたので忘れておったのだが、ふと思い出しての。こうして落ち着いて旅をしているのだ。そろそろ製作に取り掛からなければならんと思ってな」

「それで、幹彦さんに相談を?」

「うむ。どのような服がいいのか、妾ではわからんかったからの」

「えーっと? ローズさんからの要望はなかったんですか?」

「うっかり聞き忘れての。あのときは、いろいろあって……」


 そう、いろいろあったのだ。いろいろ……。


「おぉおおお……!」

「と、突然、どしたんですか、ガーベラさん!? 顔、赤いですけど!?」


 あまり思い出したくない類の記憶がうっかり蘇り、妾は頭を抱えた。


 ちなみに、ローズ殿に直接訊くことができていないのは、いまみたいに『どうしてうっかり聞き忘れたのか』というあたりから、例の繭がどうこうという件を思い出されると困るからだ。


 恥ずかし過ぎて、死んでしまう。


「なんでもない。なんでもないのだ。これ以上は、後生だから聞いてくれるな」

「はあ……」


 ぱちくりと瞬きをするケイに手を振って、早々に回想は切り上げる。


「ともあれ、幹彦殿を相談相手に選んだのは、主殿の友人であるからだ。彼なら主殿が気に入る服を知っていようと思ってな」

「それが、これなんですね。へえ。可愛いですねっ。孝弘さん、こういうのが好きなんだぁ」

「うむ。幹彦殿の世界で、男が好む服装らしいぞ。名前はなんといったかの。確か……」


 言いかけた言葉が、喉の奥に引っ込んだ。


 妾は紙面から目をあげた。

 足音とともに、気配が近づいていたのだ。


 妾は不審を抱いた。

 音が聞こえたのが、主殿たちがいる森の奥側ではなく、現在は騎士たちが見張りに立っているはずの街道側だったからだ。


 とりあえず、モンスターではない。人間の足音だ。

 騎士たちかと思ったが、それにしては足音が軽い。


 開拓村の住人だろうか。しかし、それなら騎士たちがとめないはずがないのだが……。


「お。ほんとにモンスターがいるっ!」


 振り返った妾に、弾んだ声が投げかけられる。

 そこには、妾のことを無遠慮に眺める三対の瞳があったのだった。


◆ガーベラ回です。自然と、いつもよりばたばたした話になりますね。

彼女らしさが出ていればいいのですが。


◆『モンスターのご主人様』を投稿し始めて、一年が経ちました。

より良いものを書いていきたいと思いますので、これからも見守っていただければ幸いです。


◆最後に、告知です。

書籍版2巻の発売日ですが、どうも各所を見ると12/26に変更になったようです。以前に予告していたのより、一日早い発売ですね。


それと、活動報告でタイトルなしの表紙絵を公開していますので、興味のある方はどうぞご覧になって下さい。

http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/316835/blogkey/1042925/


◆次回更新は、12/21前後を予定しています。

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