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モンスターのご主人様  作者: ショコラ・ミント/日暮 眠都
2章.モンスターを率いる者
45/321

27. 人界を守る騎士

前話のあらすじ:


……首チョンパ。

   27



 刎ね飛ばされた渡辺の首が宙を飛ぶ。

 魂の抜け落ちた眼球が、眼下の光景を虚ろに眺める。

 頭部を失った体からは粘着性を帯びた赤い液体が噴き出して、首を見上げる兵士の、騎士の、学生たちの顔を、まだらに赤く染めていった。


 かつておれが失ってしまい、遠目に見て羨んでいた『素晴らしいもの』が、脆くも砕かれる音が聞こえた気がした。


 それは世界が崩れる音だ。

 素朴に信じていたものが蜃気楼のように掻き消えた瞬間、ひとつの世界が音を立てて崩れ落ちる。


 おれが以前にその音を聞いたのは、まだ記憶も色褪せぬ二ヶ月と少し前のことだった。

 おれたち転移者が寄り集まって樹海深部に建造したコロニーは、チート能力というあまりにも絶大な力の暴走により崩壊した。


 もちろん、なんの原因もなく、そのような惨劇が起こったわけではない。

 おれたちは唐突に、見も知らぬ森のなかに放り出された。それだけでなく、森には本来想像の産物でしかないはずの怪物たちがいた。平和な日本では有り得ない無残な最期を迎えた級友たちの死は、おれたちの精神に大きな負荷を与えた。


 それだけではない。チートの恩恵によりモンスターを狩り、数日のうちには餓死せずに済むだけの食糧が確保できていたものの、それはあくまで最低限でしかなかった。ひもじい思いをしたし、住環境も劣悪だった。また、多くの人間が集まって小規模とはいえ共同体を運営する以上、人間関係のこじれや派閥間の摩擦だって生じる。それを調整する経験やノウハウが学生の身には十分に備わってはいなかった。


 まるで逆さに向けた砂時計のように、不安は募り、不満は積もった。降り積もった砂の重みに堪えかねて、精神は軋みをあげた。それは同時に、破綻へのカウントダウンでもあったのだろう。


 そうして最後には、探索隊の一部の暴走を火種にして、溜まっていたストレスが爆発した。

 追い詰められた学生たちは暴徒と化した。法もなければそれを守る治安維持機構も存在しない異世界の森の奥であれば、それを抑え込む力も存在しなかった。


 ――強い者が好き勝手に振る舞える。

 工藤が言っていた言葉は、少なくとも、あの大混乱のさなかでは真実だった。


 しかし、いま、法も秩序もない森を抜けてチリア砦に辿り着いたおれたち転移者は、人の生きる世界に足を踏み入れている。

 苦難は去った。自分たちは助かったのだ。これでもう、二度と惨劇は起こらない。

 誰もがそう信じていた。……というより、疑いさえしなかった。


 この世界にやってきた人間たちがなんの力も持たない遭難者でしかないのなら、それでなんの問題もなかっただろう。


 だけど、そうではなかった。おれたちは、そうではなかったのだ。

 おれたちにはチート能力というあまりにも大きな力があった。それを勘定に入れなければならなかった。


 確かにこの世界にはこの世界なりの秩序がある。当然、それを維持するための抑止力も存在しているのだろう。おれはまだこの異世界の人間社会に接して間もなく、それもこんな深い森のなかの軍事施設でしか過ごしていないから詳しいことは知らないが、軍や騎士団、あるいはそれに準ずる組織がそうした役割を担っていることは想像に難くない。


 だが、果たしてそれがチート能力というあまりにも絶大な力を抑え切れるのかといえば……答えは、ノーだ。


 この世界において、あまりにもチート持ちという個人の持つ力は、大き過ぎるのだ。


 だから、そう。工藤の言う通り、『世界はなにも変わってなんていない』のだ。

 ここは未だに、あの崩壊の日のコロニーから地続きの未来だ。強いものは好き勝手に振る舞って、惨劇は再現される。『素晴らしいもの』は微塵に砕けて、二度と元には戻らない――……。


   ***


 耳を聾する爆発音と、建造物が崩壊してたてる轟音が、遠く響き渡った。

 探索隊の十文字が放った無数の炎弾の威力に、戦のために設えられたはずの砦の構造は耐え切れなかった。ほんの三十秒前までは兵士や騎士がひしめいていた内壁の一角は、一階下のフロアに崩落して、いまは無残な瓦礫の山と化している。まさに悪夢の光景だった。


「は……ははっ! ははははははっ! すげえじゃねえか!」


 内壁の上にあいた大穴の淵に立ち、粉塵が立ち昇る瓦礫の山を見下ろして、少年がひとり笑っていた。

 金髪の少年の名は坂上剛太。転移者のひとりだった。

 無残な光景を目の当たりにしながら、なにがおかしいのか、彼は笑い転げている。抑制が外れた笑い声に滲むのは、私怨を晴らした者が溢す陰湿な愉悦だった。


「粉々だ。粉ッ々になっちまった! ざまあみろ!」

「……坂上か」


 そんな坂上の喜びに水を差す台詞が、彼の見下ろす瓦礫の一角からあがった。

 簡単な風の魔法で周囲の粉塵を払って、探索隊の十文字が姿を現した。

 自分が放った魔法で足場が崩れて、彼も崩落に巻き込まれていたのだ。とはいえ、無論のこと、怪我を負うようなへまはしていない。これくらいは想定の範囲内といったところだろう。


「おい、達也さん! 酷いじゃねえか!」


 薄く粉塵があがっているうえ、崩落の際に灯りが失われて薄暗い階下に目を凝らした坂上が、十文字の姿を見付けて喰ってかかった。


「あんたがちょっと遅かったせいで、渡辺の魔法で外壁にいたモンスターは壊滅だ! あんたなら、あれが発動する前にやれたんじゃねえのか!?」

「折角集めてもらったところ悪いとは思うけど、仕方ないことだと思って呑み込んでくれ」


 言葉とは裏腹に悪びれた様子もなく、十文字は埃で汚れた制服の裾をはたいた。


「魔法使い寄りのビルドとはいえ、渡辺だってウォーリアだ。下手なタイミングで仕掛ければ、抵抗を受けたかもしれない。怪我はしたくなかったからな。確実に奴を排除するためには、最大の魔法を放ち終わった瞬間でないと危なかった。それこそ、飯野と一緒に樹海に向かってくれれば良かったんだが、そうでなかった以上、これは必要な犠牲さ」

「それはそうかもしれないけどよ……」

「しかし、途中で制御が外れたから、威力は半減していたはずなんだけどな。やっぱり、モンスター如きじゃそんなものか。まあいい。そんなことより」


 十文字は高い位置にいる坂上をじろりと見上げた。


「おれが良いと言うまでは出てくるなと言っておいたはずだぞ、坂上。今朝の件もそうだが、あまり勝手なことをするな」

「うっ……わ、悪かったよ」


 坂上は怯んだ様子を見せた。


「だ、だけどよ、そう固いこと言わなくてもいいだろ。ほら。こうして予定通り主力を全滅させたんだし、もうこの砦は終わりだよ。あとは、砦のなかにいるモンスターだけで十分殺し尽くせる。おれが出てきたって、危ないことなんてなにも……」

「全滅していないんだよ」

「は?」

「だから、全滅してないって言ってる。たいしたもんだ。しぶとく生き残るなんてさ。なあ、あんた――」


 素っ頓狂な声をあげた坂上から視線を外した十文字が、『こちら』に顔を向ける。


「――確か、真島だったか」


 十文字の精悍な顔を、おれは真っ向から睨み返した。


「見たところ、モンスターを操る……坂上と同タイプの能力か。驚いたな。それがあんたの固有能力ってわけだ。他の奴らとはなにか違うと思っていたが、まさか自分の能力を隠していたなんてな。それに、そっちの水島は魔法が使えるみたいじゃないか」


 既におれは戦闘体勢。左手からはアサリナが伸び、右肩にはあやめが乗っていた。

 隣には槍を片手にしたリリィがいて、いつでも魔法が放てるように魔力を溜めて身構えている。


 おれたちは十文字が放った第四階梯の魔法攻撃をやり過ごすことに成功していたのだった。


 もちろん、いくら魔力で体の耐久力を向上させられるようになったとはいえ、あの爆炎にまともに巻き込まれていれば、おれも無事ではいられなかっただろう。

 念のために屋上に登る前にリリィに戦闘準備を指示しておいたのが功を奏した。十文字が本性を現したあの時点で、既にリリィは魔法の準備を整えており、それを十文字の魔法にぶつけて相殺することができたのである。


 リリィの得意魔法のひとつに水属性がなければ、あるいは、十文字の魔法があの場にいる多くの人間を吹き飛ばすために威力より範囲を重視した構成でなければ、五体満足ではいられなかったかもしれない。それくらいに際どい攻防だったが、どうにかおれたちは身を守ることができていた。


 また、リリィの魔法はおれの他にも近くにいる人間を守っていた。

 傍らにいたケイは大した怪我もなく、また、運よく言葉を交わしていたところだった三好太一とその仲間たち三人も、命に別条があるレベルの怪我は負っていなかった。


 シランや団長、幹彦、その他の同盟騎士たちも生き残っていた。

 咄嗟のことでそちらまでは気が回せなかったのだが、魔法が発動していた気配があったから、恐らくおれたちと同じで魔法による迎撃が間に合ったのだろう。


 ただ、それ以外はほぼ全滅だった。

 炎弾の直撃を受けた三好たち以外の転移者は、文字通り粉々になって燃えてしまった。同じく大部分の兵士たちも、無防備に魔法を喰らっていた。生きている者は少ないだろう。ひょっとしたら、この瓦礫の山を探して回れば、運のよい生存者がいるかもしれないが、現状、おれたちには彼らのことを救出している余裕がない。


 たとえ、あの一瞬を生き延びたにせよ、おれたちが絶体絶命の危機にいることは変わりないのだから。


「よ、くも……仲間を! 許さん!」

「砦を襲わせたのもっ、貴様の差し金かああっ!」

「うおおおぉおお!」


 引き攣った叫び声をあげて、生き残りの同盟騎士から三人が飛び出した。


「ま、待て、お前たち! 迂闊に飛び出すなっ!」


 団長の制止も、怒りと恐怖に血が昇った頭には届かない。半ば恐慌状態の騎士たちは、瓦礫を蹴って十文字に迫り――そのうちのひとりが、飛来した炎弾に打ち抜かれた。

 騎士の体は吹き飛ばされて床に転がり、奇怪なオブジェのように変形した鎧の隙間から火を吹いて燃え上がった。


「……遅すぎるな」

「ひっ!?」


 声が聞こえたときには、突出した残り二名のうちひとりは、肉薄した十文字によって胴体を泣き別れにされていた。

 最後のひとりが大盾を突き出して身を守るが、そこに叩き込まれた蹴りが騎士の体を瓦礫のなかに叩き込んだ。砲弾のような勢いで瓦礫に叩きつけられた騎士は、ぴくりとも動かない。


「馬、鹿な……ほんの一瞬で、だと……」


 団長が呻き声をあげた。

 一部始終を見届けたおれも、十文字の悪魔的な強さに背筋が凍りつく思いだった。


 魔法の行使には魔法陣に込める魔力を集める必要がある。より強力な魔法には、当然、より多くの魔力を込めなければならない。いまの十文字の火魔法は、ほとんどノー・タイムで放たれたにも関わらず、第二階梯相当の威力があった。それだけ十文字が保持している魔力が膨大である証だった。

 あの『韋駄天』飯野とは比べられないにせよ、速度も化け物めいている。鎧を着た人体を引き千切るように両断した剛剣は脅威というほかなく、我を失っていたとはいえ、精強な同盟騎士を鎧袖一触にした近接戦闘能力は恐るべきものがあった。


 実のところ、いまの一瞬に少しでも隙があれば、おれの隣にいるリリィは一か八かの特攻を掛けていたはずだった。パスを通じてその気配があったから、おれも加勢できるように身構えていたのだ。

 しかし、彼女は動かなかった。……動けなかったのだ。騎士たちはそれこそあっという間に殺されてしまい、隙を突くもなにもなかった。


 なにより恐ろしいのは、いまの交錯の間、十文字が眉ひとつ動かさなかったことだ。

 戦う覚悟を決めているとか、そういった話ではない。その表情は冷え切っていた。単に彼の目には、おれたちはモノとしか映っていないのだ。だから先程も、数百名を一度に魔法で吹き飛ばすような真似ができたに違いなかった。


 薄ら寒い感覚を覚えながら、おれは強張った口をひらいた。


「……最初からこうするつもりだったのか?」


 そう考えてみれば、色々と納得のいくところがあった。


 この砦にやってきてからというもの、十文字はよく他の転移者たちを制御していた。それこそ、感心してしまうくらいに。

 そうした彼の尽力が全部、自分自身のためだったとするなら、むしろおれとしては腑に落ちる。彼は自分自身の目的のために、この砦の人間や、他の転移者の信頼を得るべく動いていたのだろう。


 そんな彼には、坂上という共犯者がいた。

 彼らがいつから繋がっていたのかはわからないが、これが計画的な行動であることは間違いない。坂上が今朝ケイを襲ったのはきっと、今日砦がどうなるか知っていたから、その前に……ということだったのだろうし、あのとき、おれに対して自身のチート能力を使って襲いかかってこなかったのは、計画に差し支えるからだろう。

 あの場に十文字が現れたこと自体、気の短い坂上を押さえるためだったに違いない。それにしても妙にタイミングが良かったことは引っ掛かるが、それは、共犯者の短気なところを十文字も常に気にしていたということかもしれなかった。


 そして、共犯者の坂上。彼にはモンスターを操る力があった。

 十文字が他の転移者の信望を集めようとしていたとすると、おれにはひとつ思い出される出来事があった。


「チリア砦に辿り着く直前に受けた、グリーン・キャタピラによる襲撃。あれは、あんたらの仕込みだったんだな?」


 あの出来事が、他の転移者たちの心のなかに、この世界で勇者として敬われる探索隊に対する憧れを生み、その後の信望を築き上げる基礎となったことは間違いない。その結果、口の悪い幹彦が『調教』と揶揄するほどに、転移者たちは探索隊を信頼するようにもなったのだ。

 しかし、あれは坂上の自作自演だったのだ。自分を含めた学生たちをグリーン・キャタピラに襲わせて、それを探索隊に倒させた。


「ああ。そうだ。おれが坂上にやらせた」

「一体なんのために、お前はこんなことを?」


 改めてこちらを向いた十文字に、おれは尋ねた。


「なんのために? そんなの決まってるだろう。『生きるため』だ」


 十文字は顔色ひとつ変えなかった。


「いいか。ここは元いた世界じゃない。なにもかもが違ってる。明日の命さえ誰も保障してなんてくれないんだ。そんな場所に、おれたちはいるんだ。生きて元の世界に帰るためには、なんだってしなくちゃいけない」


 当然のように十文字は言ったのだ。


「……」


 そういえば、以前にも十文字は『ここは元の世界ではない』、『なにもかもが違う』というようなことを口にしていた。

 おれはそれを聞いて『チート能力なんて反則級の力を手に入れておきながら、なにが違って見えるのか』と思ったものだったが……実のところ十文字は、手に入れた反則級の力に安心することなく、この世界のなかでの自分という存在を、危機感を持って見詰めていたらしい。


 そして、それこそがこの悲劇を生んだ……ということなのだろう。

 彼は本気でどんな非道にも手を染めるつもりでいるのだ。『生きて元の世界に帰るために、なんだってする』という、自分で口にした言葉の通りに……。


「……生きて元の世界に帰るために、だって?」


 そこでおれはふと、十文字が聞き逃せない言葉を口にしたことに気付いた。


「帰れる、のか? 一体、どうやって……」

「そんなの決まってる。チート能力を使ってだよ」


 あっさりとした口調で十文字は答えた。


「あんただってゲームのひとつくらいやったことあるだろ。RPGだよ。モンスターと戦ってレベルをあげて、スキルや魔法を覚える。そんなオーソドックスなやつでいい。それと同じさ。レベルアップして、元の世界に戻る能力を手に入れるんだ」


 ……本気、だろうか?

 この異世界はゲームではない。現実だ。

 確かにモンスターを倒すことで、微々たるものだが魔力を得ることはできる。十文字の言うところのレベルアップというのは、これのことを指しているのだろう。……しかし、そんなことで果たして世界を渡る力などというものが、都合よく手に入るのものだろうか。


 そもそも、新たにチート能力を得ることなんてできるのだろうか。そんな話は聞いたことがない。

 しかし、この場面で十文字が嘘をいう理由はないのも事実だ。少なくとも、十文字本人はいまの発言を信じていると考えていい。


 おれの知らないなにかを彼は知っているのだろうか?

 ……駄目だ。わからないことが多過ぎる。


「な、なあ。十文字くん」


 そのとき、近くで蹲っていた三好が声をあげた。酷く虚ろな声色だった。


「な、なにかの間違い、だよね? そんな……十文字くんが、こ、こんなことをするはずが……」


 目の前で起こったことを見ても、信じられないらしい。

 血の気がひいた青い顔に頭からひとすじの血を流した三好は、目の前の現実を否定するかのように金切り声をあげた。


「だって、理由がないじゃないか! 元の世界に戻るため!? どうして、そのために砦を落とす必要があるんだよ!」

「……なにか勘違いがあるようだけどさ」


 十文字はやや煩げな視線を三好に向けた。

 たったそれだけで、三好の勢いは殺されてしまった。怯えたように大きく身を震わせる。


「別におれはこんな砦なんかどうだっていいんだ。言っただろ。レベル上げだって。ぷちぷちぷちぷち雑魚モンスター倒すのは時間がかかるし、なにより面倒臭い。そういうときには、経験値の高いレア・モンスターを狙うもんだよな。たとえば、ほら。速かったり硬かったりするやつだ。だからつまり、そういうことだよ」

「わ……わからない。きみがなにを言っているのか。おれには全然わからない……」


 三好は音がするくらいに強く首を横に振った。それはむしろ、理解することを拒んでいるような仕草だった。


「物わかりが悪いな、三好さん」


 十文字の口調は哀れむようだった。


「この世界ではモンスターを倒すことで、その魂から魔力を吸収することができるだろ。より強いモンスターからは、よりたくさんの魔力が得られる。――だったら、勇者と呼ばれる存在を殺せば、どれだけたくさんの魔力が得られると思う?」


 ぽかんと三好は呆けた。

 目が見開かれ、がたがたと体が震え始める。


「あ、ぅあ。ま、さか……」

「ああ、そうだよ。あんただって、聞いたことくらいはあるんじゃないか? 『おれたち勇者の魂は、この世界の人間のものと違う』って」


 青を通り越して紙のように白くなった三好の顔を、十文字は指差した。


「『経験値の高いレア・モンスター』……つまり、あんたらのことだ。厄介なことにこれが、世界に千体もいなくてな。他の奴らに取られる前に取っておかないと、あとあとおれが不利になる。リソースの奪い合いってやつだ」


 そういって三好のことを見る十文字の目は、『モノを見る目』でさえなかった。

 十文字には、三好を含めたおれたち転移者は、ただの経験値にしか見えていないのだ。ましてやその周りにいる人間なんて、視界にすら入っていないのかもしれない。


 今回の騒動で、果たして何百の人間が死んだだろうか。モンスターに殺されたものも合わせれば、失われた命は軽く一千を超えているはずだ。それなのに十文字は、自分の行いに関して良心を痛める様子もない。


「一割程度は魔力が増えたかな。はは。これでまた少し目的に近づいた」


 失われたものは目に入れず、十文字はただ自分の手に入れたものだけを見て笑みを浮かべている。


 もとからそういう性質だったのか、異世界に転移してからのストレスが彼を変えたのかはわからない。ただひとつ確かなのは、ひどくグロテスクな人格の人間が強大な力を持ってしまったとき、周囲にどれだけの悲劇が撒き散らされてしまうのか、ということだけだった。


「そ、そんなっ、そんな非道なことをしてっ! きみはなにも感じないのかっ!?」

「心外だな。それはもちろん、おれだって、こんなことはしたくなかったさ。渡辺の奴とだって、別に仲は悪くなかったんだ。うん。殺したくなんてなかった。本当だ」


 十文字は肩をすくめた。


「だけど、まあ。仕方のないことってあるもんさ」

「っ……ひぃ、あ」


 呼吸を失敗したような音が、三好の喉から漏れた。


 自分ひとりが生き延びるために、目的を果たすために、他人を殺す。

 自分にとってそのほうが都合がいいから、たとえそれが親しい人間であっても殺す。それを仕方ないの一言で済ませてしまう。

 そんな精神性、ふつうの神経をしていたら直視なんてできやしない。


 失神寸前の三好に、十文字は軽い口調で声をかける。


「安心してくれ。あんたの死は無駄にはしないからさ」


 まさしく勇者らしい台詞とともに伸ばされた十文字の手に、魔法陣が展開された。

 そこから生まれた火球が、一直線に飛来して三好の顔を砕こうとする。


「くそっ」


 咄嗟におれは射線に身を割り込ませた。左腕の盾で火球を防ぐ。

 盾を隔てて起こった爆発の衝撃に歯を食いしばる。ダメージは軽微。装備に助けられている面が大きいが、いまのおれはこれくらいなら十分に耐久できる。


「おっ? なかなかやるな」


 愉しげに言った十文字に、左腕に痺れを感じながらおれは舌打ちをした。

 所詮、こんなのは蟷螂の斧でしかない。十文字も、自分には絶対に敵わないと知っているからこそ笑っているのだ。


 あるいは、事態が自分の思い通りに進んでいることに関する満足感も、その笑みには含まれているのかもしれない。いまのやりとりが十文字の時間稼ぎだったことを、おれは正しく理解していた。


 内壁の上からおれたちのことを見下ろしていた坂上の姿がなくなっていたからだ。


 どうやら坂上本人には戦闘能力がないらしい。万が一にも戦闘に巻き込まれないように逃がしたのだろう。これはそのための時間稼ぎだった。十文字としても、坂上が死ぬことでモンスターの包囲が崩れ、真実を知る人間が生き延びてしまっては困るのだ。


 それがわかっていても、おれたちは迂闊に動けない。いまの膠着状態はあくまで相手が慎重になっているだけのことで、いざ戦闘になれば、まず確実に皆殺しにされるのはわかり切ったことだったからだ。


 確認するまでもなく、おれたちの状況は酷く悪い。

 もといた三百名以上の戦力はほぼ全滅。現在戦力としてカウントできるのは、おれとリリィ、それに同盟騎士団の生き残りが二十余名。腰を抜かしている三好たちは数に入らないし、あとは幹彦と、せいぜいケイくらいのものだろう。


 なによりまずいのは、騎士たちの心が折れてしまっていることだった。

 もともと、押し寄せてきたモンスターによって砦の防衛戦力は大き過ぎる損害を被っていた。それでも兵士たちが武器を捨てることなく、反攻作戦を実行できるくらいの高い士気を保っていたのは、敵が憎きモンスターであったこと、彼ら自身に人類の守り手としての自負があったこと、逃げ場がなければ降伏もできない彼らには徹底抗戦するほかなかったこと――そしてなにより、勇者がこの砦にいてくれているという意識が心の支えとなっていたことが大きい。


 この世界で勇者の存在は、特別過ぎるくらいに特別だ。勇者とは希望そのものなのだ。少なくとも、この世界の人間はそう信仰している。ただそこにいるだけでも、その幻想はみなに力を与えていた。


 しかし、彼らの寄せていた信仰心は、最悪のタイミングで裏切られた。

 いまの騎士たちは、到底戦えるような心理状態ではない。


 飯野優奈のようなトップクラスのチート持ちではないものの、十文字はウォーリアとして平均的な――言い換えるなら、反則級の戦闘能力を保持している。彼を相手取って、おれたちだけでどのようにしてこの状況を切り抜ければいいのか。どうしても打開策が見つからない。


 既に坂上はいない。彼のために十文字がしていた時間稼ぎは、おれたちにとっても打開策を練るための時間を与えてくれていたが、それも時間切れだった。


「……もう駄目だ」


 誰かの弱々しいうめき声が耳に入った。

 絶望がじわじわと指先から浸食してくる感触があった。

 懐かしいとさえ感じる。それはかつてコロニーを落ち延びたとき、散々に味わったものだったからだ。


 おれは唇を噛んで、萎えてしまいそうな体に喝を入れると、剣を持つ手に力を込める。

 ここで絶望に屈してしまうなら、おれはあの日のコロニーを生き延びてはいない。


 諦めてなんてやるものか。

 せいぜい抵抗してやる。幸い、敵はひとりだ。勝つことはできなくとも、一撃喰らわせて隙を作り、全員で逃げ出せば、まだ生き残れる可能性はゼロではない。

 もちろん、それが難しいことはわかっている。けれど、だからといって諦められるわけがない。おれはこの世界でリリィたちと生きていくと誓ったのだ。こんなところで、こんな奴に殺されて堪るものか。


「……リリィ」

「うん。わかってるよ、ご主人様」


 以心伝心。隣でリリィが槍を握りしめる。

 そうしておれたちがいまにも飛び出そうとした、その寸前だった。


「お待ちください」


 少女の声が、おれたちの出鼻を挫いた。

 意識は十文字に残したまま横目を使えば、兜を脱いで前に出るシランが目に映った。おれと同じく戦う決意を固めていたらしい幹彦が、驚いた顔でその背中を見詰めている。


 清楚な顔立ちに浮かべた表情は凛々しく、真っ直ぐな視線は力強く十文字を睨みつけている。

 他の騎士たちと違い、彼女の戦意は死んでいなかった。


「孝弘殿と幹彦殿は団長と共に、逃げた坂上剛太を追って下さい。モンスターを操っているのが彼ならば、捕まえれば砦の包囲を解くことができるはずでしょう。そうなれば、現状を覆すこともできるかもしれません」


 シランは淡々としたなかにも強い意志を秘めた口調で告げると、崩壊した壁の一部を剣で指して、おれたちを促した。


「ドッペル・ゲンガーを判別する嗅覚を持つ美穂殿……いえ、リリィ殿なら、坂上剛太を追うこともできるはずです」

「それは、そうだが、だけどそれは……――」


 ――不可能だ。十文字がそれを許すはずがない。


「ええ。おっしゃりたいことはわかります」


 おれが言葉にしなかった部分を汲み取って、シランは薄らとした笑みを口元に刷いた。覚悟の微笑みだった。


「ご安心を。ここはわたしが引き受けましょう」

「なっ……!? シラン!?」

「わたしが十文字達也を押さえこみます。その間に、孝弘殿には坂上剛太の身柄を押さえていただきたいのです」


 シランは手に持った剣の切っ先を、すっと十文字に向けた。


「……ずいぶんと舐めたことを言ってくれるもんだな」


 剣を向けられた十文字は失笑した。

 さもありなん。彼にしてみれば、シランなどこれまで眼中にもなかったのだろう。そんな彼女がしゃしゃり出てきたのだから、失笑のひとつもしようというものだった。


「一応、聞いておくけどさ、本気……いや。正気か? 現地人如きがおれに逆らうなんて、自殺志望としか思えないな」

「いいえ。戯れ言を口にする趣味はありません。あなたはここで、わたしがとめます」


 シランの返答に気負いはなかった。彼女は本気で言っているのだ。


「……ああ、そう」


 それは十文字にとって侮辱だったに違いない。取り澄ました表情が引き攣った。


「だったら、死ねよ」


 ぞっとするほど冷え切った声で言って、十文字は地面を蹴った。

 目で追うのがやっとのスピードで距離を詰め、血濡れた直剣を振りかぶる。

 それに応じて、シランも動いていた。モンスター相手に有用な大盾は、十文字相手では邪魔になると判断したのか、手放して前に出る。


「おおおぉお!」


 十文字は踏み込み一閃。勇者に献上されたのだろう業物の剣を振り下ろす。

 それはどんなものでも打ち砕くだけの威力を備えた剛剣だ。ウォーリア。そう呼ばれた探索隊の精鋭たちの一撃は、モンスターの強靭な体でさえもやすやすと両断にしてみせる。全身鎧を装備しているとはいえ、これを喰らっては細身の少女の体など紙屑のようにひしゃげてしまう。

 思わず息を呑んだおれは――ぎゃいん、と金属同士が擦れ合う音を聞いた。


「ん、な……っ!?」


 十文字が唖然とした声をあげた。

 彼の頬を傷つけて、シランの剣が後方に抜けていたのだ。


 なにが起こったのか、一部始終を見ていたおれは一拍遅れて理解した。振り下ろされた十文字の剣をシランは途中で擦り落として、反撃の一撃を繰り出したのだ。

 化け物じみた反射神経で十文字は首を傾けて、それを避けた。そうでなければ、たとえ強靭極まりないウォーリアの体であろうとも、頸動脈を裂かれていたに違いなかった。


「うぐっ、こ、この……よくも!」


 もはや一片の油断もなく、十文字は直剣による連撃を繰り出した。一撃でも喰らえば人体など簡単に真っ二つにしてしまえる断頭台の嵐だ。あまりにも速く、そして強い。

 しかしそのことごとくが、シランの剣に捌かれる。


 シランは確かに卓抜した身体能力を備えているが、それでも、転移者である十文字ほど速くないし、強くもない。


 だが、上手い。


 積み重ねてきた鍛錬と切り抜けてきた実戦経験が、ハードのスペック差を埋めているのだ。十文字も慎重になっているため、先程のようなカウンターを決めることはできていないものの、シランは嵐のような剣撃をいなし続けている。


 それがどれだけの技量と集中力、そして意思力が必要とされるものか、おれには想像もつかなかった。


「いまのうちです、孝弘殿!」


 そうしてシランが十文字と斬り結んでいる間に団長が動いていた。部下を引き連れて走ってくると、力強くおれの腕を掴む。どうやらシランと同じで、彼女も心折れてはいないようだ。


「シランが開いてくれた活路です! 無駄にするわけにはまいりません!」

「だ、だけど、シランを置いては……っ!?」

「これ以外に道はありません! あやつは務めを果たすでしょう! それだけの力がアレにはあります! そもそも、エルフであるあやつがなぜ、騎士団で副長などという要職につけたと思いますか!?」


 ……エルフのシランが、騎士団で要職につけた理由?

 それがいま、この状況にどう関係あるのだろうか。

 団長の言葉の意味を考えかけたおれの視界に、その光景は飛びこんできた。


「ちまちまちまちま、鬱陶しい!」


 吐き捨てた十文字が飛び退る。その大柄な体から、怒涛の如く魔力が溢れた。

 魔法が来る。それも、先程の即席の魔法とは違う。着地した十文字は更に魔力を高めて魔法陣を展開した。


「吹き飛べ!」


 発動した魔法は第三階梯。たった数秒の溜めで、この世界の人間が扱える最大魔法を十文字は編み出してみせたのだ。

 彼の持つ直剣から炎が噴き上がり、巨人の剣を作り出す。


「おおぉぉおおお!」


 唐竹割に叩きつけられた炎の剣は、シランのいる場所に直撃し爆発を巻き起こした。

 砕けた瓦礫が飛び散り、爆風に乗っておれたちのところまで吹き寄せる。悲鳴を上げたケイをおれは抱き寄せて庇い、盾で身を守った。


 熱風が去る。

 瓦礫が吹き飛ばされた爆心地には、ひとりの少女が残されていた。


「なん、だと……?」


 十文字が唖然として見詰める先、シランの鎧姿に軽い火傷以上の怪我はない。


「あれは……」


 凛として立つ彼女の周りで、どこかコミカルな動きで小さな影が踊っている。それは、いつでもシランの近くでぼんやり浮かんでいた、あの小精霊だった。


 これはケイとの雑談で聞いた話だが、精霊使いが契約を交わした精霊は、単なる索敵要員ではない。戦いにおいては魔法で契約者を援護する存在だという。

 たとえば、いつでもシランについている黄色の小精霊は、有事には地の属性魔法を扱い、シランの身体能力を底上げすることで主をサポートする。


 資格あるエルフが命を賭けて試練に挑んだ末に、契約を結ぶことができる小精霊。それはエルフという種族において最高の術者だけが手に入れられる、まさに切り札なのだ。


 それを知っていたからこそ、おれは目を疑わずにはいられない。

 シランが従える小精霊は、全部で四体。彼女の周囲を輪になって踊っていたからだ。


「十文字達也。あなたこそ、我らをあまり見縊らないでいただきたい」


 普段から宙に浮かんでいた黄色だけでなく、赤、青、緑の三色も加えた四体が、先程の炎の剣を防いだらしい。

 恐らく十文字の最初の第四階梯魔法から騎士たちを守ったのも、彼女だったのだろう。


 このチリア砦で立場の弱いはずの同盟騎士団が、団長の推薦があったとはいえ、被差別種族たるエルフを副長の要職につけられた理由――それは、シラン本人の圧倒的な戦闘能力あってのことだったのだ。


「ああ。そっか。孝弘は知らなかったんだ?」


 団長と一緒におれの近くに来ていた幹彦が言った。


「樹海北域最高の騎士。それが、シランさんなんだよ」


 樹海北域最高の騎士。――樹海がモンスターとの生存戦争の最前線であることを考えれば、それはつまり、彼女はこの世界で最高クラスの戦力だということを意味している。


 思い返してもみれば、団長は起死回生の反攻作戦に際して、わざわざシランを迎えに来ていた。樹海深部へ救助に出た騎士団を率いていたのもシランだった。この世界での転移者の重要性を考えれば、チリア砦の保持する最高戦力が派兵されることは不思議でもなんでもない。


 そして、いまのシランには勇者と謳われる存在に剣を向けられるだけの精神力が備わっている。



 チート能力という与えられた反則級の力を振るい悲劇を撒き散らす異邦人に対して、いま、この世界最高の騎士のひとりが壁となって立ち塞がった。



「ここは任せて行って下さい!」


 こちらに背を向けたままシランは叫んだ。


「坂上剛太の身柄を押さえるそのときまで、十文字達也はここでわたしが足止めします!」

「シラン……」


 その言葉に従うべきかどうか、おれは迷った。

 戦意が完全に折れてしまっている他の騎士たちと違い、おれたちは戦える。

 ここで彼女と協力して、十文字を倒してしまうべきではないのか?


 しかし、それで彼を倒せる見込みは薄い。下手をすると、おれたちが足手纏いになってしまいかねないくらいなのだ。少なくとも、シランは十文字と渡り合えているのだから、ここはシランに任せて、おれたちはおれたちにしかできないことをするべきだ。


 シランの言う通り、坂上の身柄さえ押さえれば、砦を包囲するモンスターを撤退させることができるはずだ。そうすれば、この砦にいる兵士たちは森へと逃げ出すことができる。いくら十文字でも、ばらばらに逃げる何百という人間を皆殺しにすることはできない。


 シランはここで十文字を押さえ、おれたちは坂上を追ってモンスターの問題を解決する。シランには精霊を介した索敵能力があるから、モンスターがいなくなればそれを察知することも可能だ。タイミングを見計らって撤退することもできるだろう。


 それがいまのベスト。

 そのくらいのこと、おれにだってわかっているのだ。

 だけど、だからといってここにシランをひとり置いて行くのか?


 彼女はおれのことを信じてくれた。いや。そうでなくとも、女の子ひとりをこんなところに置いていくなんて……。


「孝弘殿」


 シランがおれの名を呼んだ。

 迷っているおれに気付いたのかもしれない。明るい声で言う。


「言ったでしょう。わたしはあなたとまたお話をするのを楽しみにしている、と」

「シラン……」

「そんな未来を勝ち取るために、いまは行って下さい」


 その言葉が、おれのなかの最後の迷いを断ち切った。


「……っ、なるべく早く坂上の身柄は確保する! 死ぬなよ!」


 おれは踵を返して走り出した。


 背後で十文字の怒号があがり、激しい戦闘音が巻き起こる。

 振り返りたい衝動を抑えつけて、おれは崩れた壁から廊下に出た。


「行くぞ!」

「うんっ」


 頷くリリィを先導にして、おれは騎士たちと足並みを揃えて、いまはただ駆けた。

◆調べたら、もともとMONO消しゴムのおまけのオモチャの名前だそうですね。

という、前話のあらすじに関する話。


◆今回はけっこうがっつり目に更新です。

前回の感想返しは明日くらいまでにはする予定。


◆書籍版のキャラデザなどを活動報告で公開しました。

興味おありの方は以下リンクから。

http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/316835/blogkey/963051/

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[気になる点] 抑えれるなら全員でかかって殺した方が良いやろw
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