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甘々の朝食
朝日が窓から差し込み、書斎兼食堂のテーブルを柔らかく照らす。
ヴァルディアは静かに椅子に腰を下ろし、ルミエールをそっと膝に抱き上げる。
ルミエールは思わず顔を赤らめたが、抗議はせず身を預ける。
「……ヴァルディア様、朝食の席で膝に乗せるなんて」
微笑みながらも、心地よさに少し体を寄せるルミエール。
「スプーンを口元に運んだら、すぐに食べろ」
低く響く声に、ルミエールは自然と頷く。
手にはスプーン。
だが、わざと少し距離を置き、彼女の口元にはまだ届かない。
「……もう少し、我慢できるか?」
その声はからかうようで、甘く響く。
目は彼女から離れない。
ルミエールは小さく息を吐き、じっと目を閉じる。
彼女が自ら口を開くのを待つヴァルディアの手つきは、優しくも確かに独占的だ。
「……こうやって、お前を独り占めしていると、俺の心も熱くなる」
彼はスプーンをゆっくり彼女の口元へ運ぶ。
その距離を保ちつつ、ルミエールの反応を楽しむように。
「……ヴァルディア様……」
ルミエールが小さな声で呼ぶ。
少し焦らされるたびに頬が紅く染まる。
ヴァルディアは満足そうに微笑み、再び膝上で彼女を抱きしめた。
外の光も、庭の小鳥も、今は二人の時間を祝福しているかのようだった。




