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あなたを手放すために、結婚しました  作者: 絵宮 芳緒
第7章|離縁の影

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第4話|夜の誓い

夜の庭は、静けさに包まれていた。


月明かりが白い花々を照らし、影が揺れる。


外の嵐は去ったわけではないが、屋敷内の庭はまるで別世界だった。


ルミエールは軽く肩に羽織をかけ、ヴァルディアの横に立つ。


視線を交わすことなく、ただ互いの存在を確認するだけでも心は満たされる。


「……守っていただけるのですね」

小さな声。


確かに、微笑みを含んでいた。


「当然だ」


ヴァルディアは低く答える。

その声に冷徹さは残るが、微かに優しい響きも混じっていた。


ルミエールはそっと手を伸ばす。

彼の指先と重なった瞬間、空気が一瞬だけ止まるようだった。


「……怖くない。もう、あなたのそばにいるから」


その言葉は囁きであり、誓いでもあった。

ヴァルディアの手が、彼女の手を包む。


強く握るわけでも、引き寄せるわけでもない。


ただ、離さないという意思を伝えるだけの静かな触れ合い。


「……誓おう」

低く、確信に満ちた声。


「未来、俺たちは共に歩む。何が来ようとも、必ず守る」


ルミエールの胸に温かさが広がる。


言葉よりも深く、指先の重なりが二人の心を結んでいた。


庭の灯りが揺れる。

嵐の影はまだある。


だが、この夜、この距離、この手の温度が、二人だけの世界を作っていた。


互いの視線が静かに交わる。

言葉は要らない。


ただ、互いに誓い合った未来が、そこにある。

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