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第12話 再起の会議

会議室には、重い沈黙に満ちていた。


誰も口を開かない。

椅子が軋む音すら、やけに大きく響く。


アルカナは机の奥に顔を手で伏せて立ったまま動かない。

手の間から視線だけが注がれ、そこに感情は読み取れなかった。

だが、空気がわずかに張り詰めている。

深い魔素が、意図せず滲み出ているのが分かる。


幹部たちはそれを感じ取っていた。

誰も視線を上げず、誰も冗談を言わない。

いつもなら軽口を叩くネロでさえ、黙り込んでいる。


ポーカーは一度だけ、周囲を見渡した。

誰もが言葉を探し、そして口を噤んでいる。

場を和ますリヴェルダとソリティアが不在なのが更に話しにくい雰囲気を作っている。

――今は、誰が話しても火に油だ。


アルカナは、ゆっくりと息を吸った。


会議室の空気が、わずかに動く。

それだけで、全員の視線が自然と彼に集まった。


目を伏せたまま、アルカナはネロに向けて声を投げる。

「……紅月の追跡は?」


ネロは一瞬だけ肩をすくめた。

「防犯カメラは一通り確認したんだけどさ。正直、情報が少なすぎるかな」

指先で端末を弄りながら、少し悔しそうに続ける。

「ヘリで逃げられた時点で、完全に足取りが消えてる」


沈黙が戻る。


ハーツは壁に寄りかかったまま、腕を組んでいた。

視線は床に落ちているが、意識は完全にアルカナに向いている。


アルカナは一拍置き、顔を上げた。

「……頼りたくは無いが、あの情報屋に行くか」


その言葉に、ネロが反応する。

「あー、私は行きたくない」

すぐに軽い調子に切り替え、にやっと笑った。

「じゃあ私は限定ガチャ引いて待ってるわ。神引きしたら教える」


張り詰めていた空気が、ほんの一瞬だけ緩む。


「私も行きましょう」

短くそう言ったのはハーツだった。


ポーカーはそれを聞いてから、ジャックに視線を向ける。

「私たちは別で動こう。まだ拾える情報はあるはずだ」


ジャックは小さく頷いた。

「了解っ」


それぞれが動き出す中、アルカナはもう一度だけ室内を見渡した。

(皆んな、かなり成長したな)


「行くぞ、ハーツ」

その一言で、会議は終わった。

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