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第1話 紅月の影

薄暗い路地裏を、荒い足音が響く。

 ひったくり犯が必死に逃げ、追うのは特殊潜入調査第二課の刑事――レン


「止まれ!」

 叫んでも犯人は振り返らない。あと少しで捕まえられる――そう思った瞬間、犯人はゴミ箱を蹴り倒し、蓮の進路を塞いだ。


「ちっ!」

 わずかな遅れ。犯人は路地を抜け出そうとしたその時――。


 頭上から中型ロボットが降ってきて、犯人を押さえ込む。操縦しているのは、課のメカニック担当・アランだ。


「へへっ、間に合ったろ?」

「助かったよ、アラン」

 レンは息を切らしつつ駆け寄り、犯人を手錠で拘束した。



 署に戻り、第二課のオフィスで休憩する。

 前の席では犬の獣人の少女、ミナが「今日もドジったなあ」と尻尾を揺らす。


 隅では渋い顔の城田が「路地裏なら追い詰めろよ」と新聞を見ながらサボり、メガネをかけたハッカーの


 ナツメは「無駄な体力使いすぎ」と冷静に刺してくる。

 課長はといえば、一見賢そうに見えて書類を逆さに読んで「ふむ……これは上下逆に読むと暗号かもしれんな」などと、しょうもない冗談を飛ばしていた。


 そんな賑やかな空気の中、緊急通報が飛び込む。



「銀行強盗だ!車で逃走中!」


 レンはパトカーのハンドルを握り、課長を助手席に乗せて夕暮れの首都高速へ。

 サイレンを鳴らし、青いランプが街を照らす。


「前方、黒のセダン!目標確認!」

 アランの声が無線に入る。ロボットで別ルートから追跡中だ。

「交差点で進路指定完了。右へ誘導できる!」ナツメの冷静な声が続く。

「においもバッチリ!こっちへ来るよ!」ミナの鋭い嗅覚が補助する。


 ハンドルを切ると、課長が叫んだ。

「ドアを開けるぞ!」

 助手席のドアが上へ跳ね上がり、課長が銃を両手で構える。

「おいおい、課長!撃つ気か!」

「一度やってみたかったんだ!」


 犯人の車の窓が割れ、銃口が覗く。次の瞬間、銃声が高速道路に響き渡った。

 課長は姿勢を崩さず、連射で応戦する。


「レン、速度落とすな!」

「了解!」

 ハンドルを握る手に汗が滲む。車線を縫うように走り抜け、何度もかすめる弾丸をかわす。


 そこへ、アランのロボットが側道から飛び出し、犯人の車に衝突。ハンドルを切り損ねた犯人の車は、ガードレールに激突し横転した。


「よし、止まったぞ!」

 課長が銃を構えたまま降りる。レンもドアを開け、炎上しかけた車へ駆け寄った。



 近くの無人島から一つのスコープが事故をした車に車軸を合わせる。スナイパーの胸に付けている無線機から一言の命令が下される。

 

「消せ」

 ――その瞬間。

 遥か遠くから、淡い光が走った。


「――っ!」

 直後、犯人の車が爆発炎上。轟音が橋全体を震わせた。


 蓮は思わず腕で顔を覆い、吹き飛ぶ熱風に歯を食いしばる。

「証拠ごと……消されたか。ほんの少しだけ魔素を感じたが特定は難しいだろうな」


 炎に包まれる車を見つめながら、課長が低く呟く。

 俺は、近くに落ちていた強盗の服に付着していた毛をそっとカプセルに入れた。


「戻りましょう」

 車に向かって歩きながら、打たれる直前の強盗の発言が頭の中をループする。


_____


(『紅月』様!お許しをッ!!」)


本部に戻り車を車庫に止めた後、俺は課長に見られないように、コソッと『仲間』へメッセージを発信した。


 

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