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駄目社会人の姉と、その他問題児たちが魔法少女になったから、俺がサポートする  作者: そら・そらら
第11章 クリスマス回

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11-20.クリスマスの買い物

「よかったねラフィオ。今度、プリンの代わりにこれ作ろっか」

「それは……ありだね。でもクリスマスの時期だけのものだから、普段はプリンでいいと思うんだよね。これはこれでありだけど。うん」

「プリンにドライフルーツを入れるのは?」

「……ありだね。うん、すごくありだ。やってみよう」


 プリンも好きだけどクリスマスプディングも立てたい。その結果、別のプリンが作られようとしていた。


「さあラフィオ、そうと決まったらいっぱい食べないとねー。あーん」

「いや、そうはならないだろ。あーん……」


 なんでラフィオがクリスマスプディングをしっかり食べる必要が出てくるのか、俺にもわからない。ラフィオもわからない様子だし、当のつむぎにもわかっていないのだろう。

 けどつむぎはやりたいから、フォークをラフィオに差し出す。ラフィオもそれを口に入れた。


 小学生同士の甘酸っぱい仕草に、小さな女の子たちが黄色い声をあげる。小さい子でも、こういうの好きっていうのは、なんかいいよな。


「どう? 悠馬楽しい?」

「え?」


 俺の隣に来た愛奈に尋ねられて、俺はその意味がわからず首をかしげた。

 楽しいけど、なんでいきなり訊くんだろう。


「ほら、なんか悠馬がおもてなしされてるのって、わたしにとっては新鮮で」

「おもてなし?」

「普段はわたしのお酒に付き合ってくれてるじゃない?」

「それはそうだけど」

「思えば、悠馬は毎日大変だなーって気づいたの。なんか、今朝アユムちゃんにプレゼンで負けた時に。だからのんびりしたかったのね」

「今まで気づいてなかったのか。いや、気づけただけ偉いけど。じゃあ今度からは自力で起きるし、酒を飲む時に俺に絡むのはやめてくれ。てか酒を飲むのを控えてくれ」

「あ、それはできません」

「おい」

「だけど、明日は悠馬が楽する一日であってほしいなーって思って! だから悠馬、あまり遅くまでは外出しないでね!」

「ああ。わかったよ」


 愛奈なりに、俺を気遣っているのがわかった。



 ニコニコ園でのパーティーは無事に終わり、片付けも少ししつつ子供たちから見送られて、俺たちは施設を後にする。

 ちなみに遥はミニスカサンタさんのままだ。着替える機会を失ってしまったから。


「このまま家まで帰っちゃおっかー」

「別にいいけど、途中で買い物するぞ」

「え? スーパー寄るの? なんで?」

「ラフィオとプリンを作るための材料です!」

「えーっと。今から作るの?」

「明日の晩ごはんに合わせます!」

「じゃあ明日買えばいいんじゃないかな!?」

「いいじゃん、お姉ちゃん。買おうよ。今日のうちから仕込み必要なものとかあるよね?」

「ちよっ!? 彼方!?」


 サンタ服な遥の乗った車椅子を、彼方がどんどん押していく。


「か、彼方は悠馬の家でのクリスマスには来ないから、別にそんな手伝ってくれなくても大丈夫なんだけど!」

「ううん。応援させて! お姉ちゃんのクリスマスが成功するように!」

「なんでそんなに積極的なんでしょうか!? な、なんかこの格好恥ずかしくなってきたというか! 恥ずかしいというか! 普段使うスーパーにこの格好で行くのは、更に恥ずかしいというか!」

「だねー。お姉ちゃん、あのスーパーでは顔知られてるもんね」

「常連なだけだもん! あと車椅子の高校生が目立つから顔を覚えられてるだけで! てかそこにサンタさんコスで行くとか無理だし!」

「レッツゴー!」

「彼方話しを聞いてください!?」


 姉が俺の家に行って以来、なかなか会えないのだろうな。だからこういう日に一緒に過ごしたい。

 一緒に仲良く買い物するのも、彼方にとってはものすごく楽しいんだろうな。


 スーパー内では、ミニスカサンタ姿で身を縮こまらせる遥に視線が集中しているようだった。


 でも、クリスマスだからそんなこともあるかな。奇異の視線というよりは、微笑ましいものを見ている様子だった。


「お姉ちゃん、やっぱりチキンいるよねー」

「ろ、ローストチキンは出来合いのものを明日買えばいいんじゃないかなー」

「そう? でも手作りもいいと思うよ。あ、大きめの七面鳥とか買わない?」

「さすがに本格的すぎないかな!?」

「七面鳥はなくても、ニワトリならこのシーズン売ってるんだね。なるほど丸鶏っていうんだ。普通のお肉と比べると割高だね」

「うん。うちの予算も限界があるからね」

「姉ちゃん」

「うーん。高いって言っても数千円でしょ? 買いましょう」

「お姉さん正気ですか!?」

「クリスマスだし」

「お姉さん、クリスマスへの意気込みが強すぎます……」

「楽しみなのよ。これ、丸焼きにするの?」

「ローストします。あと、中にバターライスを詰めることになるかなー。バジルとかで彩りをつけて……」

「そんなおしゃれな物がうちの食卓に出る日が来るとは思わなかったわ」

「お姉さん、本当に悠馬のご飯に嫌気がさしてたんですね」


 なんか失礼なことを言われてる気がする。

 いや、俺もそろそろ、簡単な料理以外も作れるようになろうと思ってるぞ。なんか手の込んだもの。なんなのかは知らないけど。


「悠馬。ケーキ買うか?」


 アユムがお菓子コーナーの方から来た。

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