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駄目社会人の姉と、その他問題児たちが魔法少女になったから、俺がサポートする  作者: そら・そらら
第7章 ゲストキャラとロマンス

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7-31.海水浴

 遥の方もそれは同じで、自分からやったことなのに顔は真っ赤になっていた。


「あ、あはは。暑いね。夏だもんね! よし悠馬、わたし普通には泳げないから、海の中でも体を支えて」

「そこまでよ。距離が近すぎるわ」


 愛奈が俺たちの肩に手を乗せ、なんとか引き剥がそうとしていた。


「いいじゃないですか、先輩。青春ですよ」

「青春でも! 不健全なものは許しません!」


 苦笑いしてる麻美は、そんな俺たちを見守るだけ。


 ふたりともビキニだ。麻美は紫色で、胸元を少し隠すような布がかけられてるタイプのもの。


 愛奈はピンク色。胸の谷間も大胆に見せてしまうような、セクシーな三角ビキニだ。ブラもショーツも紐で留めるタイプ。

 セクシーなのは谷間があればの話だけど。


「愛奈さんと麻美さん、水着逆の方が良くなかったですか?」


 俺も思ったけどさすがに言えなかったことを、遥は容赦なく口にする。


「ちょっと!? どういう意味かしら!?」

「だって。あまりにも平坦な胸にビキニは似合いませんよ」

「別にいいじゃない! わたしだって色っぽい格好したいもの! てか、麻美なによそれ! 胸を出しなさい胸を!」

「えっと。だって。恥ずかしいじゃないですか」

「恥ずかしくない! なんかわたしが恥ずかしい格好してるみたいじゃない!」


 麻美の、自分より圧倒的に大きな胸の膨らみを見た愛奈の悲しい叫びが海に響いた。

 まあいいや。そのうち落ち着くだろう。


「じゃあみんな。泳ぐ前に準備体操しようねー。先輩よろしくお願いします。いつもの部活の感じでいいので!」

「わかったよ。みんな、僕の真似をしてね」


 準備体操を一番やり慣れているらしい陸上部のマネージャーが、ラジオ体操にも似た運動を見せる。愛奈含めてみんな、それを真面目に模倣していた。

 遥も、片足がないながらも動かせる範囲の運動をしている。



「ラフィオ! 泳ご!」

「ま、待った! 引っ張るなって!」

「ら、ラフィオ様! わたしに泳ぎ方を教えていただけませんでしょうか!?」


 ちびっ子たちはすぐに海まで駆けていく。元気だな。


「エリーは泳げないのか!?」

「はい! わたし、家族で海やプールといったものに行ったことがないので!」

「そ、そうか! 実は僕もなんだ! 泳げない!」

「まぁ!」

「えー!?」


 自分との共通点が見つかったと笑顔になるエリーと、まさかの事実に驚くつむぎ。

 まあ、考えてみれば当然か。エデルード世界に海はなさそうだもんな。泳ぐという行為自体が初めてか。


「ラフィオ泳げないの?」

「そういうお前はどうなんだ?」

「得意だよー。見てて」


 迷うことなく海に飛び込むと、見事なバタフライでどんどん沖まで泳いでいく。しかもかなり速い。


 あまり遠くまで泳ぐと危ないと声をかけようとしたけれど、そんなことはつむぎも当然わかっていた。すぐに反転してこっちに戻ってくる。

 それなりに激しい運動だったと思うけど、息切れひとつすることなく海からあがってきた。


「ね?」

「うん。すごいのはわかった。なにが、ね? なのかはわからないけど」

「泳ぐくらい簡単だよってこと」

「いやいや」

「ラフィオ様、一緒に砂遊びしませんか?」

「やろう」

「ま、待って! 泳ぎ方教えてあげるから。まず、ゆっくり水の中に入っていくことから始めるの」

「えっと……怖いです」

「でも、泳げた方が格好いいよ?」

「ら、ラフィオ様……」

「一緒にやってみよう。大丈夫、僕がついてる」

「むー……こっちだよ」


 自分も泳げないくせに格好つけるラフィオに、つむぎが複雑そうな顔を見せた。けれど一足先に海へと向かっていく。それに、ラフィオとエリーが恐る恐るついていった。


 押し寄せる波にびくつきながら、爪先が水に触れた感触に大げさに騒いで、それが楽しそうなだった。


「わたしも、初めてプールに入った時はあんなだったなー。水が怖くて。最初は顔に水をつける所から始めるんだよねー。小学校の頃やったなー」

「そうだったな。俺も最初は泳げなかった」


 最初はプールみたいな、波がなくて広さにも制限がある所で教えるべきなんだよな。海だと少し難易度が高い。

 教えるつむぎも子供だから、何かあったら俺が助けにいかないと。だから注意深く見守ってるのだけど。


「悠馬ー。日焼け止め塗って」


 砂浜にシートを敷いてうつ伏せに寝転がった愛奈がブラの紐を外して背中を晒していた。ドラマとかアニメでよく見る光景。


「いいですよー。愛奈さん、わたしが塗ってあげますね!」

「え。遥ちゃんじゃなくて悠馬がいい」

「わたしが、塗ってあげますね! わー、お姉さんがうつ伏せになったら、背中が平坦で塗りやすいです! 他の女の子の場合、ちょっと斜めになっちゃうんですよね! 胸がつっかえて!」

「ちょっと!? 誰の胸が平らですって!?」

「遥ちゃん、わたしにも塗ってくれる?」

「はい! ちょっと待っててくださいね麻美さん! あ、悠馬にも塗ろうか? 脱いで」

「脱がないからな」

「あと、わたしも塗ってほしいなー、悠馬?」

「姉ちゃんに塗ってもらえ」


 俺は監視員をしなきゃいけないんだ。

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