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駄目社会人の姉と、その他問題児たちが魔法少女になったから、俺がサポートする  作者: そら・そらら
第4章 偽物

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4-11.コスプレショップ

 ああそうか。つむぎの両親はいつも忙しいから、こんな風にお出かけすることなんか滅多にないんだ。

 デートの場所にここを選んだのも、普段から行きたい場所に行けないからなんだな。


「買うか。つむぎにはちょっと大きすぎるし、運ぶの手伝ってやる」

「ほんと!?」

「ああ。家まで持ち帰ってやるさ」

「やったー! でも電車の中では、ちゃんとラフィオも妖精に戻るんだよ?」

「それは……ああ。そうだな。電車の中はこれをモフモフしろ」

「ラフィオとモッフィー、一緒にモフモフするね!」

「なぜかここだけ、話が通じないんだよな……」


 ニコニコしながらモッフィーを抱いてレジに向かうつむぎを見ながら、ラフィオはため息をついた。


 けど、悪い気はしないな。少なくとも、キエラと一緒にいるより、ずっといい。

 彼女と、こうしてデートするなんてありえないからな。


 人間に興味を持たないキエラは、こんな場所に来ること自体ありえない。もっとも、最近は仲間を作って遊ぶことも多いようだけど。

 フィアイーターを作りながら、あの不幸な少女が生前果たせなかった望みを叶える。歪な遊びだ。



――――



 この街一番の繁華街の一角に、そのお店はあった。

 コスプレショップ。コスプレのための衣装やウィッグや小物類や、それらの材料を取り扱うお店。


 アニメとかゲームのキャラクターの仮装をしたがるという、キエラにはよくわからない趣味の人間が数多くいるらしい。


 けど、今ならわかる。ティアラみたいな、自分の理想とする存在になりたい人間がいるんだな。

 それにキエラも、好きな人を振り向かせるためにコスプレしようとしている。きっと、こういうのを好きな男もいるのだろう。


「すごい……」


 ティアラも、こういうお店に来るのは初めて。生前はそんな自由もなかったのだろう。

 きらびやかな世界に、目を輝かせていた。


「ふふっ。ティアラが嬉しそうで、わたしも嬉しい。魔法少女の衣装はあるかしら」

「見て。あそこ!」


 ティアラが指差した方を見れば、店内の一角が丸々魔法少女のコーナーとなっていた。


 何かの作品というわけでもない、現実の存在にコスプレするのもあるらしい。


 まあ、魔法少女はほとんど空想のような存在だし、コスプレの対象になるのは理解できる。

 既製品の衣装も各サイズ取り揃えてあった。ご丁寧に三人の魔法少女それぞれの分だ。中には、あの覆面男の制服まで売られていた。

 あの強盗犯も、ここで調達したのだろうか。


「これが、あの青い魔法少女のやつね。シャイニーハンターだっけ。あのムカつく女」

「嫌いなの?」

「ええ。ラフィオと一番距離が近くて。ベタベタ触ってて……」

「ライバルだね」

「そうなるのかしら。けどラフィオがハンターと仲がいいなら、わたしもこの格好してあげようかしら」


 なんて奴かは知らないけれど、ハンターはキエラやラフィオと近い年齢をしていた。このお店にも、小学生の体型に合わせた衣装もあった。

 店内に子供の姿は見当たらないけど、来ることもあるのかな。


「じゃあ、わたしはこれかな。黄色い子、シャイニーライナー」


 片側だけロングのニーソを履いているのが特徴の魔法少女は、高校生が変身している。確かにティアラと同じだ。

 店内に、やはり高校生はいない。ライナーの衣装も大人と同じサイズだ。高校生ともなれば、これ以上成長することもなくなるそうだし、そういうものか。


「じゃあ、あとはセイバーの格好をする子を決めないとね」

「ええ。たくさんいるし、声かけてみようよ」


 ティアラの言うとおり、店内には大人が大勢いた。シャイニーセイバーと同じく、成人した女たち。


 コスプレは女の趣味というわけでもなく、男の客も大勢いた。けど女の方がずっと多いな。


「ねえ。あなた。わたしたちと一緒に魔法少女のコスプレしない?」


 試しに、近くの女に話しかけてみた。彼女はというと、キエラたちが知らない作品の衣装を見ているところだった。

 マネキンが着ているその衣装は、どう見ても男のキャラのものに見える。おとぎ話の王子様みたいというか、実用性ゼロの派手なだけの衣装。

 なんで男の格好なんか見ているのだろう。


「ねえ。魔法少女の格好しましょうよ」

「あ。え。でも……」

「わたしたちも一緒にやるから」

「ええっと。それは、合わせ、ってこと?」

「合わせがなんなのかは知らないけど、わたしたちと一緒に魔法少女のコスプレをするの。それで、本物の魔法少女より可愛いってこと、ラフィオに思い知らせてやるの。きっと楽しいわ」

「ご、ごめんね。よくわからないな」


 そう言って、女は逃げてしまった。


「なによ。わたしがせっかく誘ってあげてるのに」

「キエラ。さっきのじゃ駄目だよ。説明がなさすぎる」

「そうなの?」

「いきなりラフィオのこと言われても、わかんないよ」

「ふうん。難しいのね。いいわ。とりあえず、衣装だけでも手に入れましょうか。わたしはフィアイーターを作るから、ティアラは衣装をお願い」

「わかった。フィアイーターはなにを?」

「これでいいでしょ?」


 謎の王子様な服を着ているマネキンに目をやる。これでなんの不都合もない。

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