003 一見 雷花 女神の霊園 03
003 一見 雷花 女神の霊園 03
前回のあらすじ
・異世界では人間と魔族が戦争しているらしいぞ!
・どうやら私はその世界に落とされるらしい
・寡黙そうな男が話し出したぞ!
女神ロドリーの騒がしさを遮るようにその青年は静かに話し出した。
青年「ロドリーの話が長くてすまない。
ここからは僕が纏めて話すよ。
僕の名前はラスト、ドーノ・ラストだ。よろしくね。」
軽く握手を交わしその青年、ラストさんは話し始めた。
ラスト「まず君は異世界で好きなように生きていい。
必ずしも魔族=敵というわけではない。
君が暮らしたい方に行って、実際に体験して最終的なゴールを決めたらいい。
なんなら世界を統一しても良いし、
地球の知識を使ってお金を儲けて優雅な暮らしを送ってもいい。
そういう意味では僕も2つの領地の真ん中に落ちるのはおすすめだ。」
やっぱり間違ってなかったのね、よかった。
私が安堵すると続けてラストさんは話す。
ラ「ただ勿論リスクもある。
さっきロドリーも言ったようにエアステラの人族と魔族は今非常に仲が悪い状態のようだ。
”前任者”がどうなったかは不明だが人族として転移する君が異世界に落ちてすぐに魔族に見つかると
敵と見做されて襲われるだろう。
何の能力も持たない君はそうなるとすぐに死んでしまう。
そうならないためにロドリーが今から君に”生きる術”を授ける。
正確には“ギフト”と呼ばれる技を駆使して異世界で生き残りつつ
自分の生きたいように生きて行くんだ。」
ギフト=与えられる物。
なんと素晴らしい響きだ、それがあるだけで自分の人生は明るくなる、明るくできると思わせてくれる。
一「ギフトは自分で選べるんですか?」
つい聞かれる前に話してしまったが高揚感が伝わったのだろうか、
ラストは笑って返事をしてくれた。
ラ「勿論だ。ただし、強すぎる能力を求める場合は能力に制限をかけた状態で始めてもらうこともある。
突然強大な能力を持つと思想や目的が変わっていき急いだりその世界を滅ぼす行動に出かねないからね。
ロドリーか僕がギフトを完全に渡してもいいと判断した時に君のギフトを完全解放する。
どの位の期間で解放されるかは君の異世界での行い次第だね。わかったかい?」
心が躍る、文字通り自分で自分のありようを選べる。
私は自分が求めるスキル、ギフトを真剣に考え出した。