第29話 レベル200へ
今日からお世話になる、ヒーリング・デスフラワー先生のステータスを紹介しよう。
種族 :ヒーリング・デスフラワー(アンデッド)
Lv :160→310
HP :1253/1253→417/417
MP :530/530→176/176
筋力 :652→217
魔力 :620→206
敏捷性:232→77
・スキル
癒し手【4】
臭い息【8】
・耐性
風魔法【中】
水魔法【大】
炎魔法【中】
冷気 【中】
・弱点
麻痺【致命】
雷魔法【大】
ステータスは御覧の通りだ。
ハッキリ言って俺よりずっと強いので、普通にやったら全く勝ち目はなかっただろう。
パラライズソード様様である。
こいつの経験値は1万5千とかなり高い。
アンデッド化してもキラーアントの4倍強――5000もあるので、激美味レベルである。
正に経験値タンク。
そして経験値が4倍強になるという事は、レベリングにかかる期間は3分の1以下になる訳だ。
3か月後には、最強の死霊術師!
の、雛型の誕生である。
まあレベル200になってサブサブクラスを得れば劇的に強くはなるが、それでも最強には程遠い。
レベルカンスト。
下僕のアップグレード作業。
死霊術師の剣の作成。
レジェンド装備の入手。
やるべき事はまだまだ山盛りだ。
「随分嬉しそうね」
草原に8匹のヒーリング・デスフラワーを並べて今後の展望を想像していた訳だが、自然と顔がにやけてしまっていた様だ。
「まあこれでレベル上げが加速するからな」
「ふふ、私達の伝説がまた一歩加速する訳ね」
「まあそんな所だ」
実際はさっさと逆転したいがために下僕をアップデートした訳だが、それを態々クレアに伝える必要はない。
勝手に夢でも見てろ、厨二。
「所で……この魔物はどっちが前で、どっちが後ろになるのかしら?」
クレアがヒーリング・デスフラワーを見て聞いて来た。
この魔物の見た目は、ラフレシアに足と触手が生えた様な見た目をしている。
普通の生物が持つ様な頭部を持ち合わせてはいないので、その前後が分からない様だった。
「前とか後ろはないぞ」
まあそれもその筈。
そもそもこいつには前後という物が無い。
こういうタイプは、植物系の魔物に多かったりする。
「なんですって!それでは背後が取れないわ!?」
クレアが大げささに上半身を仰け反らせて驚く。
正面から殴ると、スキルであるバックアタックによる補正が受けられないため、暗殺者の火力は下がってしまう。
それは分かる。
が、いくら何でも驚きすぎだろ。
「まあ位置を気にせず普通に殴ったらいいよ」
「闇に生きるアサシンは、音もなく背後から仕掛ける事こそ至上!正面から攻撃するなんてアサシンの名折れだわ!」
正々堂々正面からじゃないと嫌だってんならともかく、背後からの不意打ちに誇りを持つとか、意味不明もいい所だ。
そういやこいつ、いつも何かポーズ決めてから背後から攻撃仕掛けてたな。
「安心しろ。こいつには正面もない。つまり、正面からの攻撃にも当たらない」
「……むぅ。まあそう言う事ならギリギリセーフね」
妥協が早くて助かる。
正直、こいつの為だけに他の魔物を用意するとか面倒くさいからな。
「んじゃ、レベル上げするぞ」
俺はヒーリング・デスフラワーを使ってのレベリングを開始する。
「ふふ、闇分身を得た私の力を見せてあげるわ」
分身に闇要素は皆無だぞ。
まあ突っ込まないけど。
レベル上げは想定通り、3か月程で完了した。
そして遂に俺はレベル200――サブサブクラスへとたどり着く。
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