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修羅の舞う夜に  作者: Lyrical Sherry
第一章 守るための力
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第十四話 ―訓練記録11―

第十四話目です。

結界と的を蹴り壊してクラウディアに質問攻めにされていましたね...

「そういうことだったのね…」

「はい、すみません…てっきりチアーラさんからお聞きになっているかと…」

「あなたは悪くないわ。

彼女もなんで大事なことを言わないのかしら…?」


クラウディア様は笑顔なのだが、圧があるように感じた。

多分チアーラさんに対して怒っているのだろう。

以前チアーラさんからも同じような雰囲気を感じたことがある。


「それはそうと、強度はどうだったのかしら?」


さっきまでの雰囲気はどこへやら。

普段の雰囲気に戻ったクラウディア様から結界の強度について聞かれる。


「岩と鉄剣の間くらいですね。」

「そ、そう…」


クラウディア様が苦笑いをしている。

鉄剣を蹴りで叩き折れると言っているようなもんだしね。


「次はもう少し魔力を込めてみます」


そうしてあたしは先ほど壊した的とは別の的に意識を向ける――形や大きさは先ほどの物と同じだ。

形状は同じで多きさはさっきのものよりも一回り小さく。

魔力を多めに込めて強度を上げる。


(よし…!)


次はイメージ通りの大きさ、形状で結界を生成することができた。

強度は蹴ってみないとわからないが。


「強度確認してきます!」


あたしは結界に近づく。

勢いをつけるつもりはないので、結界のすぐそばで止まる。


「せぇい!」


先ほど結界を壊した時と同じ力で蹴りを叩きこむ。

ガンッ!

そう音を立ててあたしの蹴りは結界に止められる。


「よし!」


強度も狙った通りに結界を生成することができた。

未だ数回しか発動はしていないが、少しつかめた気がする。


(とはいえどこまで耐えられるかも見てみた方が良いかな…)


一撃だけ耐えるのか、何度も連続で叩きこんでも耐えられるのか。

何度も叩き込んで壊れる場合、何発まで耐えられるかを確認したいのだ。

あたしは勢いをつけるために、二歩ほど結界から離れた。


「ふぅ…

――ふっ!」


――ガッ

まずは思いっ切り殴るが、結界はびくともしない。

まだいける。


「はっ!」


――ゴッ

殴った拳をすぐに弾いて、今度は裏拳を叩き込む。

結界はまだびくともしない。


「はぁっ!」


――ガンッ

裏拳は結界の止められたが、そのまま横薙ぎの蹴りを叩きこむ

結界の様子は変わらず。


「せいっ――ぬんっ!」


――ゴッ――ガガガッ

そのまま、正面から肘を叩きこみ、連続で拳を3発ほど叩きこむと――ビシッ――と結界に罅が入る。

ここまで7発全て岩や鉄剣を叩き割れるくらいの力。


(ここまでやってようやく罅が入った――よし、ラスト1発!)


左脚に重心をのせて、勢いが乗るように思いっきり身体をひねる。

そして――


「ぜぇい!!!」


結界に蹴りを叩きこむと――バリィィィンッ!!!!――と音を立てて結界が壊れる。

抵抗なく振り切られた後には、的だった木の破片がパラパラと落ちている。


「うわぁ…」


どうやら力が入りすぎたようで、的は上半身部分がなくなっていた。

先ほどのように蹴り飛ばしたのではなく、跡形もなく弾け飛んだと言う表現が合う。


(あぁ…)


自分でも引いてしまう光景だ。

周りの騎士達も唖然としているというか、顔を青くさせている…


「あ、あの…」

「流石彼女たちが鍛えただけのことはあるわね♪」

(え、なんか嬉しそう…?)


周りの騎士達の反応とは異なり、クラウディア様だけはなぜか笑顔だった。

怒っているような雰囲気も感じない。


「見たところ強度も問題ないかしら♪」

「は、はい…今の強度を基準にして訓練しようと思います…」


テンションの高いクラウディア様に逆に押されてしまう。

何故こんなにも嬉しそうにしているのかは分からないが、とりあえず起こっているわけではなさそうで一安心だ。


その後もクラウディア様に色々聞いたり、見てもらったりしながら訓練を続けた。

その間もクラウディア様はずっと笑顔だった。


(ほんと何でなんだろう…)

強度上げた結界を壊した挙句、的の上半身を跡形もなく壊しましたね...

騎士達は唖然としているのに対し、クラウディアはなぜか嬉しそうです。


理由は分かりませんが怒ってないなら良いか!

今後クラウディアが嬉しそうな理由が語られることってあるのかな...


★次話は06/05投稿予定です。

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