第2章 その後
部分的にわけましたぁ
その後、俺は共和国によって連行され、治療を行い何故か施設で過ごすことになった。
どうやら連行された直後に共和国の提案で条約を結び終戦したらしい。
ギルメルシュ共和国の暴走と俺の国、エード連邦国の判断の甘さでそれぞれが悪いことになりこれからは支えあって生きていく条約を結んだらしい。
中には今まで犠牲になった人達の事を考えろとか、反感をかっていることもあったがなにせ何十年と続いていた戦争が終戦したのだ、今では半数以上が安心しているようだ。
治療が終わって数ヶ月後、俺の部屋に一人面談をしたいという人が来ていた。
「失礼します。」
ノックをした後に扉が開かれ先頭にこの施設の責任者とその後ろに白と銀の間くらいの髪色をした女性が黒い瞳でこちらを覗いていた。
なんだかどこかで見たことのあるその風貌にはどこか悲しいようにみえる。
「初めまして。えーと私は、、、ですよろしく。」
「別にそっちの言葉でいい。」
あまりにも不馴れな様子だったのでどうやら急遽覚えてきたようだ。
こっちの言語は情報を得るためにも必要だったため習得はしてあったが、俺の尋問はあまりにも過激だったのか上官からは別の人を用意するからこれからはここに来なくていいと、言われた。
以降この国の言葉を使ったことはないが感覚では覚えている。
「えーと、何故わかるのでしょうか。」
「敵国の情報を得るためかな。」
「そういえばあなたは元は軍の人でしたね。」
なるほどある程度の情報は取得済みということか、これならば話しは早くなるがいったいどこまで知っているのか気になる。
それに、連邦国の現状がわからない以上あまり大きな行動は起こさない方がいいか。
「すいません突然ですがあなたは死にました。」
大事そうに抱えている鞄を開けると、手に何枚かの紙を握っていた。
その何枚かの紙を一つだけ俺に渡すとそこには”死亡診断書”と書かれていた。
なるほど俺は死んだのか。
死んだ。
え?
「おいこれはどう言うことだ!これじゃあ俺は亡霊扱いになるってことか!」
なんだこれは俺は生きているよな、もしかしてこれから、
「安心してください。あなたは生きていますし、これからも生活をしていけます。ただしあなたの国、エードでは戦死した扱いにさせていただきます。」
「それじゃあ、俺はこれからは共和国民になるってことか。」
元は敵国、だが今は同盟同士の国でも俺は未だに敵国という認識から外れない。
あれだけの争いだ、まだ俺と同じ思考のやつはいるだろう。
その国を今度は俺の故郷になるということ、今まで育てられてきたあの場所ではもう俺の存在はないことになる。
まぁあそこで平和に過ごしたことなどない、が。
「そういう呼び方はやめてください。今までの無礼は私が代表して謝ります。ですからあまりそのようなことを。」
どうやら彼女はギルメルシュ共和国の愛国者だったようだ。
昔自分の国を好きになるやつなどいるのかと話したことがあったが、今まさに目の前にいる。
「すまん悪かった。だが軍にいたやつぱ大体こんな感じだと思う。それに敵国だった場所だ、お前みたいな平和ごっこを楽しんでいたやつはどんなやつがいて、そいつがどう死んで、周りがどう悲しんだかなんてわからないだろ。」
しまった、つい昔の仲間のことを思い出していたら昔の出来事まで鮮明に思い出してしまった。
無関係にみえるとはいえ、こいつも何か事情があったかもしれない。
そのことを考えずに話してしまった。
何故だろうか前の俺ではあり得ないくらいに感情が溢れだしてくる。
「す、すいません。そうですよねあなた達はどんな場所であろうとも様々な場所で戦っていたのですよね。ですが、どうかこの中で生活していくのもありますので一度この町を国を見てください。」
「いや、すまんついカッとなってしまった。別に過ぎたことだ、あまり気にしないでくれ。というか俺はここから出ても問題はないのか?」
「大丈夫です。あなたは今日からギルメルシュの国民ですし。」
いや、俺がギルメルシュ出身だとしても俺の存在をしっているやつがもしもここにいたのならば結構な問題になるし、俺が裏切ってここを抜け出すかもしれない。
その可能性を彼女はしっているのだろうか。
「それよりあなたはどんな場所に行きたいですか?ゆっくりと一息つける場所や、思いきり遊べる場所など何処へでも。」
「そうだな取り敢えず一人でゆっくりと回ってみるよ。この国のことについてはまだ知らないこともあるし。それを知ってからでもいいかな。」