ナデハラさんは今日も営業中 ～それを見守る僕の日常～
短編ですがネタはあるので需要があれば連載になるかもしれません。
ナデハラさんはとても可愛い子です。
天気の良い日はいつも僕の働くお店から営業している姿が見えます。
「あー、今日もナデハラさん営業してるねぇ」
それが僕を含むみんなの合言葉です。
街のみんなに愛され、通りかかる人に声をかけられ写真も撮られ、撫でられて嬉しそうな顔をするナデハラさん。
そんなナデハラさんを見守る僕の日常です。
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ある春の一日
ナデハラさんが姿を現すのは大体お昼前ぐらいからです。
天気が良くて風の少ない穏やかな日は高確率で姿を見せます。
「まだナデハラさん来てないのかなぁ？」
とか
「お天気いいからそろそろナデハラさん来そうだよね？」
とか
僕の店のスタッフはバックヤードに出るたびについナデハラさんを探してそんな会話を繰り広げます。
「あ。さっきナデハラさんいたよ。早速営業してた」
遅番で出勤してきたスタッフが見かけたらしく早速のぞいてみると確かにナデハラさんがいます。
定番の日当たりのよい場所に座って嬉しそうに道を見ているナデハラさん。
通りがかったお客さんに営業した結果受け取った報酬を嬉しそうに食べています。
そんなナデハラさんにそーっと近づいて後ろからチョンとつつくと大きな目を丸くして驚いたように振り返ってきます。
誰がおどかしてきたのかわかったのかすぐに嬉しそうに立ち上がり近づいてくるとすぐにすり寄ってきて上目遣いにおねだりをしてきます。
ナデハラさんは営業しているといっても別にお金が欲しいわけではありません。
誰かにかまってもらえるのがとても嬉しいみたいです。
なのでかまってもらうためのアピールがとても積極的です。
今日も僕の足元にすり寄った後、この魅惑のお腹を撫でていいのよ？とばかりに真っ白なお腹をごろんと見せつけてきます。
そう、ナデハラさんはとても魅力的な猫さんなのです。
彼女がナデハラさんと呼ばれるようになった理由。それはー
『ナデナデしてくれないと嫌がらせという名の引き止め工作しちゃうぞ☆』（略してナデハラ）
というとてもかわいらしい行動からです。
ナデハラさんは撫でられるのが大好きです。
昔はツンデレでしたが年を追うごとに丸くなってきて今では道行く人に撫でられ、ご飯をもらい、写真も撮ってもらってご機嫌な美猫さんです。
ですが僕に対しては撫でが足りないとズボンに手をかけて
『まだ行っちゃダメよ！ナデナデが全然足りてないわ！ほら、私の魅惑のお腹、撫でたいでしょ～？』
とばかりに引き留め工作をしたうえで一歩進まないと手が届かないぎりぎりラインでゴロンと転がり真っ白でふわふわのお腹を見せつけてくるのです。
猫好きの僕としてはその誘惑に勝てるはずもなくふらふらと近寄りナデハラさんが満足するまでわしゃわしゃと撫でてあげることになるわけでして…。
後から別のスタッフに
「僕さんがナデハラさん撫でた後だと調子に乗ったナデハラさんのもっと撫でてくれ要求が酷いので手加減してくださいよー」
と苦情をいわれるまでがワンセットです。
そんなかわいらしいナデハラさんもおばあちゃま。
歯が一本もないのでカリカリを営業の結果でもらうと食べた後に吐いてしまうので可愛がってくれる街の人たちに本猫の為にもならないので与えないで下さいと注意をしなきゃいけないのが僕らスタッフの辛い役目です。
あなたの周りにも天気の良い日にナデハラさんはいませんか？
もし見かけたらそっと見守ってあげてくださいね。
でも、ナデナデは引っかかれないよう充分に気を付けてしてください。
ナデハラさんを見守る僕からのお願いです。
Fin
ナデハラさんにはモデルがいます。
☆がいっぱいもらえたり評価が高くなったりしたらモデル代としてちゅ●るを献上する約束をしています。
ナデハラさんが食べられるち●～るが何本になるかは皆様のお気持ち次第ですのでよろしくお願いします。
