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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第四章 山で鬼退治をしてみよう
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第74話 山岳地帯麓

 デイトスト山岳地帯の麓は森林に覆われており、準備もなしに入り込めば遭難する確率はかなり高い。逆を言えば、準備さえちゃんとしていれば、それほど危険はない。というのが今までの常識であった。しかし、ここ最近に発生した冒険者たちの行方不明事件により、その常識が覆ってしまい、現在では許可されたもの以外の入山は禁止されている。


 俺たちは、冒険者ギルド・トリス支部の依頼を受けて森林の中を探索していた。


 今、この森の中にいる人間は行方不明の冒険者を除けば俺たちだけのはずだ。


 それはわかってる。だから、気配感知、魔力感知になにも引っかからない。だが・・・、


「静かですね。」


「ああ。」


 レイラが呟いた。


「僅かに風に吹かれた木々の葉擦れの音がわずかに聞こえるだけだ。」

「静かすぎて怖いくらいだね。」


 ホノカもリンも気になったらしい。


「普通なら、鳥や小動物、小型の魔物の出す音が聞こえてもいいはずだ。気配感知も最大感知にしているが、何も捕まらない。」


「「「「・・・」」」」


「もう少し奥へ行ってみましょうか?」


「ああ、だが、全員十分に注意してくれよ。この静けさは絶対に何かある!」


 レイラの提案に俺は全員の注意を促すと奥に向けて足を進めた。


 ・・・・・・


 それから20分程たった頃、気配感知に何かが引っ掛かった。


「全員、警戒!」


 俺は足を止め、小声で警戒を促した。


「ホノカ、エレン、後方警戒頼む。リンは中央で待機!」


「レイラと俺は前方を警戒!」


 相変わらず魔力感知には何も引っかからない。気配感知にわずかに反応があるが、ぼんやりとした反応しかない。反応がぼやけている為、距離も全くわからない。


 その時、突然、正面に真っ赤な体表を持つ巨人が現れた。


 俺は反射的に偑月刀を抜き、赤い巨人に切りつけた。


 同時にレイラも剣を突き出す。


 しかし、まったく手ごたえがなく、巨人の姿がその場から消えてしまった。


「「「「「!!」」」」」


「今のは・・・」


「幻影!?」


 全員があっけにとられていた。


「鬼のように見えたが・・・」


「あれは、赤剛鬼レッドオーガだ。でも、赤剛鬼にしては大きすぎる。」


 瞬間的にだが、ホノカもレイラもその姿を捉えていたようだ。

 全身が赤く、腰蓑の様な体毛を纏って、金色の目に2本の角が額から生えていた。


「そうなのか。」


「さっきのは5m以上はあっただろう。赤剛鬼は大きくても精々3m程度だ。人と比べれば大きいがそれ以上の大きさだ。」


 レイラによれば、剛鬼オーガには赤剛鬼レッドオーガ青剛鬼ブルーオーガがおり、共にC等級の魔物だ。5m以上の赤剛鬼が実在するなら、変異した特殊個体の可能性が高く、S等級相当になるらしい。ただ、幻影のように消えたのなら、何らかの方法により投影されたと考える方が自然とのこと。


「それでも、万が一もある。油断しない方がいいだろう。」


「同感だな。」


 気配感知の反応は相変わらずだ。ぼやけた気配しか感じられない。


「ガサッ!!」


 後方で何かが動く音がした。


 俺が振り向くとホノカとエレンがすでに動いていた。


「UGAAAAAAAAAAA!!!」


 2体の青剛鬼が大きな棍棒を振り上げ、今にも振り下ろそうとしていた。


 ホノカは納刀したまま素早く1体の剛鬼に近づき、大太刀を抜き放った。


 居合抜きのホノカの刀は、吸い込まれるように剛鬼を斬り払った。


 もう一体の剛鬼に向かったエレンは振り下ろされた棍棒を避け、その隙をついて横なぎに剣を振るう。


 首を跳ね飛ばす勢いで剣が振られたが、強靭な剛鬼の筋肉と首の骨に阻まれて切断までいかなかったが、それでも動脈と気道を斬られて血を吹きながらその場に倒れた。


「!!」


その時、魔力感知に複数の反応が現われた。


「退避ィィ!!」


 十数の魔力反応に俺は全員の退避を命じた。


「ホノカァ、そのまま突き抜けろ!! 全員、ホノカに続け!!」


「ハイ!!」

「えっ!?」

「わかった!」

「にげるよ!!」


 俺の指示にホノカは即座に反応し、リンはついて行けず動揺し、エレンはホノカを追い、レイラもすぐに走り出した。

 俺はレイラが走り出したのを確認してから逃げ始めた。

 レイラがリンの横を通り過ぎると同時に、足を止めることなく俺はリンを担ぎ上げ、逃走を開始した。


「えぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」


 魔力感知に反応した十数の光点は、俺たちを取り囲むように位置していた。全てが剛鬼なら、そのまま戦うのは危険だ。俺はすぐに撤退することを決断した。幸いなことに先程、ホノカとエレンの倒した事で包囲が崩れ、その隙が塞がれる前に逃げ出したのだ。


 一番、反応が早かったのがホノカだ。次いでレイラとエレンがすぐに逃げ始めたが、リンは何が起こったのか理解できないままあたふたとしていた。


 俺はそれに構ってる余裕はないので、通り際にリンを肩に担いでホノカを追いかけた。


 リンは肩の上で何やら騒いでいたが、命に係わるこの場面で相手にできないので無視をした。


 剛鬼の囲いを突破したことで陣形が崩れて、個々に俺たちを追い始めた。一番遅れている俺たちのすぐ後ろに1体の剛鬼が迫ってきていた。


「こままじゃ、まずいぞ、ラムル!」


「わかっている。もう少しで開けた場所に出るはずだ。そこで片を付ける!」


 追ってくる剛鬼をちらちら見ながら、レイラが俺に警告をする。


 ここまで来る途中に見つけておいた木々のない場所で迎え撃つつもりでいた。


「おおっ、レイラ、遅れるなよ!!!」


「まかせろ!!」


 ホノカに返事をし、剛鬼を引き離すべく、レイラと共に更に加速した。


 剛鬼が俺のすぐ後ろで周りの木々を棍棒でなぎ倒しながら迫ってきた。


 俺はリンを下ろす余裕もなく、担ぎ上げたまま剛鬼の攻撃を躱していた。


 上からの振り下ろしは左右に、横に払われた時はジャンプして避けながら、ホノカを追っていた。


 レイラは別の剛鬼の攻撃を華麗に躱しながら、俺に攻撃が集中しないように剛鬼を引き付けていた。


「ラムルゥッ!!!」


 先行していたホノカが俺の名を呼んだ。ホノカがその場所にたどり着いたようだ。


 ホノカは納刀したまま、ためを作り、抜刀の態勢に入り、俺たちはその横を駆け抜けた。


 ホノカの前に数体の剛鬼の巨体が迫ってきていた。


 ホノカはその迫力に怯えることなく大太刀を解き放つ。大太刀は目に見えぬ速さで軌跡を描き、再び、鞘の中に納まった。


 カシャンッ!!


 刀が鞘に納まったことを証明するように音が鳴る。


 それと同時に目の前の数体の剛鬼の体がズレて地面に崩れ落ちた。


 先頭を走っていた剛鬼を倒したが、後方から十体ほどの剛鬼が迫っていた。


「リン、だいじょうぶか?」


「うん、なんとか・・・、うぇぇぇっ!!」


 リンを地面に降ろしたが、担いで全力疾走したせいで酔ったらしい。


「大丈夫じゃなさそうだな。リンはそこで必要に応じて回復薬を頼む。」


「あ・い・。」


 まともにしゃべれなくなっていた。


「エレン、リンの護衛を頼めるか?」


「え、あ、そ、それは・・・・。」


 リンの護衛をエレンに頼んだのだが、なんか歯切れが悪い。


「姉さん、リンを守ってあげて。」


「ぎょ、あ、はい、わかりました。」


 エレンが言うと受けてくれた。なんだろう。


「?」


 気になるが、今はそれどころではない。


「レイラ、俺たちはホノカと一緒に剛鬼を殲滅するぞ!」


「ええ!」


 この中でホノカの攻撃は一番高いが、流石に十体の剛鬼相手には厳しい。リンをエレンに任せて俺とエレンが前に出る。


「ホノカ、助かった!」


「これくらいなら、大丈夫だ!」


 俺がホノカに声をかけた時には、5体に減っていた。


(流石だな。この短時間でツモ7体も倒すとは。)


「ホノカは下がれ。体力の温存も必要だぞ。」


 俺はそう言ってさらに前にでる。


「さて、森の中での奇襲では流石に不利だったが、開けた場所でどこまで戦える、剛鬼ども!」


 レイラの細剣レイピアはともかく、俺の偑月刀や、ホノカの大太刀は木々に囲まれた森林の中では不利だった。剛鬼も巨体だから不利なはずだが、持っていたのは短めの棍棒で木々の間でも問題なく振り回していた。


 ホノカの居合抜きの真骨頂は、そのスピードだけではない。使いようによっては狭い所でも大太刀を使えるところだ。だが、一度、抜刀してしまえばやはり、取り回ししにくくなる。


 剛鬼たちは警戒して、動きを止めてにらみ合っていると、後ろの方から一際大きな赤剛鬼が前に出てくる。


 他の剛鬼たちが2,3mなのに対し、そいつは4m近くある赤剛鬼だった。


「どうやら、あの赤剛鬼がボスのようだな!」


 レイラがその剛鬼を見て言った。


「特殊個体なのか?」


「いや、上位種には違いないが、特殊個体ではないはずだ。」


「そうか、ならよかった。」


「恐らくは、大赤鬼グレートレッドオーガだ。他の剛鬼より遥かに強いぞ!」


「了解!」


 S等級の特殊個体なら機神を出さないとやばいが、そうでないなら、まあ、何とかなるだろう。


 俺は赤剛鬼に向けて間合いを詰める。2体の剛鬼たちが赤剛鬼を守るように間に入ってきた。


「ホノカにばかり、いい所を取られるわけにはいかないんでな!」


 俺はさらに踏み込み、一番手前の剛鬼の懐に入ると偑月刀を横なぎに振りぬいた。


 胴を斬られた剛鬼が1体、倒れた。その横では、レイラがもう一体に連続突きを放ち、喉と目を集中的に突いて隙ができたところで細剣を滑らせて喉元を掻っ切っていた。


 残った大赤鬼に俺とレイラが攻撃を仕掛ける。


 俺は袈裟掛けに偑月刀を振るい、レイラは刺突攻撃をしたが、どちらも籠手のように硬化した皮膚を持つ腕に防がれた。


 大赤鬼は手に両手持ちの大剣を持っているが、4mもの体格では普通の片手剣のようにしか見えない。


 その大剣を俺たちに向けて一振りすると線上に地面が抉り取られるほどの威力があった。


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