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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第四章 山で鬼退治をしてみよう
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第69話 副本部長

「エレン、あの3人をどう思いましたか?」


 白にリボンやフリルで装飾されたドレスを着た少女が、3人掛けソファーの中央に座り、ディカップを傾けて優雅に紅茶をを飲みながら、そばにいるもう一人の少女に問いかけた。


 その少女は、白い騎士服を身にまとい、ドレスの少女が腰を掛けているソファーの斜め後ろに直立不動で立っていた。


 部屋の中には、天蓋の付いたベッド、豪華なソファーとローテーブルの応接セット、壁際には装飾のついたクローゼット等がおかれていた。


 比較的豪華なその部屋にいるのは先程の二人の少女だけだ。部屋の様子や二人の佇まいから、上流階級であることがうかがわれる。


「そうですね、金将級仕事人のホノカの実力は等級通りかと思います。

 D級冒険者、リン。彼女は、D級にしては腕が立ちます。C級上位かB級並みの実力ではないでしょうか。

 職は薬師ということですが、これに関しては情報が少なすぎます。

 あと、ラムルという人物ですが、彼に関してはよくわかりません。

 強盗を一撃で倒したことから、B級並みの強さかと推測します。

 又、協会では収納術師を名乗っておりましたが、こちらも不自然です。

 解体場で見た収納量は市販されている収納袋の数倍になります。

 収納魔法が使える術師もいますが、容量としては、収納袋と大差ありません。

 強さと収納量を考えれば、B級かA級のパーティに参加していても不思議ではないです。」


 エレンと呼ばれた騎士服の少女は、一気にそう言い切った。


「そうですか、私とほぼ同じ意見ですね。ですが、彼はS級並みの強さをもっていると私は思っています。」


「それほどですか、ミファール様?

 ですが、あの時はB級相当かと聞きましたが・・・。」


「当たり前じゃないですか、いきなり、『S級ですか』とか聞けるわけないでしょう。」


 ミファールの言葉にエレンは驚きの声を上げた。

 ラムルは確かに強いが、そこまでの強さを持っているだろうか。S級といえば冒険者でもほんの一握りの実質の最高ランクだ。SS級もあるが、その資格を持つものは現在はいない。過去に伝説級の英雄に与えられた資格だ。

 S級に認定されているのは世界でも数名しかいない。


「ええ、はっきりしたことはわかりませんが、彼からは得体の知れない力を感じます。

 彼が収納術を行使した際にも魔力の流れを感じませんでした。

 あれは魔法ではありません、スキルの可能性もありますが、通常、スキルの発動にも魔力が必要です。

 なので、魔法やスキルとは全く別の原理で発動したものです。」


「ミファール様がそうおっしゃるなら、間違いはないでしょうね。しかし、そうなると、ラムルが何者かということですね。」


「そうですね、それを確かめる必要がありそうですね。彼が悪しき存在でなければ良いのですが。」


◇◇◇◇◇


 レイラたちとの会食の翌朝、俺たちは冒険者協会総本部に呼び出されていた。

 呼び出されたのはリンとホノカだけでなく俺も含まれていた。本来なら、俺はそれに従う必要などなかったが、リンとホノカの事もあり、事を荒立てたくなかったので大人しく総本部に出向いた。


 俺たちは総本部の応接室のソファーに座って、黒スーツを着て四角い眼鏡をかけた男と対峙していた。


「スマンな。私が総本部副本部長サブグラントマスターディアス・ロルフだ!

 先日の強盗についてはこちらの手落ちだ。すまなかった。」


 副本部長ディアスが深々と頭を下げた。


「ああ、その件ならすでに二人から聞いている。私たちなら気にする必要はない。」


 ホノカが俺たちを代表してディアスにそう言った。


「そうか、それなら助かる。それで、早速だが、デュアルソロの二人から、君たちの推薦を受けてね。少し話を聞いてほしいのだが、いいかな?」


 男は副本部長と名乗った。その総本部のえらいさんになるわけだが、何故、俺たちがここに呼ばれたのか確認する必要がある。


「俺はラムルだ。話を聞くかどうかは内容によるな。悪いがここには7日程しかいない。」


「君がラムル君か。パルミエルのゼルフェンから君の事は聞いている。」


(む、ゼルフェン!? あの野郎、何を話してやがる!)


「心配することはない。君がA級並みの実力を持っていることしか聞いていないよ。」


「本当か?」


 俺が一瞬、眉をしかめたのを見てゼルフェンは、言い訳の様なものを言っていたが、それだけということはないだろう。

 こいつも腹に一物を持つタイプだ。言葉を額面通りに受け入れるのは避けた方がよさそうだ。


「実はね。私とゼルフェンは、現役時代に一緒にパーティを組んでいたんだよ。」


 ディアスとゼルフェンは、他に2人と4人でパーティを組んでいて、最終的にS級まであがったらしい。その内、1人が怪我をして冒険者の引退を決め、年齢的なこともありパーティーの解散を決めたようだ。その後、パーティメンバーは冒険者協会の役職に就き、現在はディアスが総本部副本部長、ゼルフェンがパルミエル支部支部長、他のメンバーも支部長クラスになったそうだ。


「その時の繋がりで話す機会があってね。君の事も話題に上がったよ。本来は、個人情報になるからあまり話せないんだが、ゼルフェンから『もし帝都でそいつとあったら配慮してやってくれ』と言われているんだ。」


「ちっ、おしゃべりなやつめ!」


「まあ、そんなに毛嫌いしないでくれるかな。あれもラムル君の事を気に入っているようだからな。」


「まあ、いい。さっきも言ったがここには長くいないぞ。」


「ああ、7日間だったか、その間だけで構わない。」


 ディアスからの申し出はこうだった。

 まず、ここから馬車で北へ半日のところにあるデイトスト山岳地帯で行方不明の冒険者が出ているので捜索に協力してほしい。

 デイトスト山岳地帯はそれほど難易度は高くない。

 初心者には厳しいが、C級なら問題なく探索できる地域だが、そのC級の冒険者も何名か帰ってこなかったそうだ。


 これは、レイラ達が相応の実力があるとの判断で総本部に申し出たようだ。


「先に言ったおくが、無理なら断ってくれて構わない。

 一応、君は冒険者ではなく一般人としての扱いになるので、協会としては依頼できないのだが、そこに抜け道もあってね。

 冒険者協会協力員という制度がある。

 どういうものかというと外部の者に対して登録をお願いし、必要に応じて依頼などの協力をしてもらう制度だ。

 もともとは引退した冒険者を想定しているものだが、それ以外にも一定の実力や特殊な能力があって、個人の事情で冒険者協会に所属しない者や他の団体にに所属している者が対象になっている。」


「ただ、君の実力は聞いているが、登録してもらうには、上に一定の実力を示す必要があってね、その為に模擬戦をしてもらわないといけないんだ。

 私としては、そんな必要はないと思っているんだが、こればかりは規則の為、どうしようもないんだ。」


「これは君にとってもメリットのある提案でもあると思っている。

 一つ目は、この協力員には登録冒険者のような強制依頼は存在しない。依頼はするが受けるかどうかの決定権は君にあるので拒否しても問題ない。

 二つ目は、素材の買取りも、冒険者以外なら手数料が高いが、協力員と冒険者は同じ手数料が適用される。

 三つ目が、この資格は他の冒険者協会ギルドでも通用することだ。」


「さっきも言ったが、依頼を受ける受けないは君の自由だ。何も強制はしないが、協力員になってくれればありがたい。」


 ディアスが一通り説明を終えると俺は暫しの間、考え込んだ。その間、リンもホノカも言葉を発することなく、沈黙が流れた。


「わかった。その依頼を受けようと思う。いいか、リン、ホノカ。」


 しばらくして、俺はディアスにそう答え、リンとホノカに確認のため声をかけた。


「いいよ、人助けだもんね!」

「むう、むしろ、見捨てていくようなら、私だけでもと考えていたところだ。それに急ぐ旅でもないからな。多少出発が遅れても問題あるまい。」


 二人とも特に反対意見は出なかった。むしろ好意的な意見だ。


「三人とも、ありがとう。助かる!」


 ディアスが頭を下げながらそう言った。


「それで、模擬戦をやって、協力員とやらになればいいのだな!」


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