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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第一章 異世界で水遊びをしてみよう
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第6話 移送装置

『マスター、起きてください。マスター!』


「あ、ああ、おはよう! アリス。」


『マスター、おはようございます。大変です。』


「どうした。」


『エネルギーレベルが満タンになってます。それと、各武装の弾倉も予備弾倉も含めて上限まで回復してます。又、極小機虫ナノマシンも増殖し、活動が、非常に活発になっており、自動復旧機能が大幅に向上しています。これも異常です。』


「はあ? どう言う事だ?」


『原因は不明ですが、監視データを見ると午前2時頃から増え始めて、4時頃には、ほぼ、現在の状態になってます。』


「原因不明か…。ためしに補充された弾丸で20ミリ辺りをを一発うてないか?」


『ラジャー、右腕20ミリ対空機関砲に追加された弾丸を装填、シングルモードにて試射します。』


 戦闘人形(ドール)が、ガラガラと音を立てて、弾丸の入れ替えをした。


『装填完了、標的はどうしましょうか?』


「左の隅にある、岩とかどうだ。」


『了解しました。』


 右腕が、ゆっくり上がり、肘をまげて腕の射線が、岩の方に向くと上腕にあるハッチが開き、中から砲門が出てきた。


『照準OK! マスター、対爆音防御!』


 俺は、両手で耳をふさぐとアリスに砲撃命令を出した。


「撃てぇー!!」


 砲撃音が、洞窟内に響くと岩に命中した。岩はひび割れて、その中に弾頭がめり込んだ。同時に薬莢が排出され、地面に転がった。


「ちゃんと威力はあるようだな。」


『マスター、弾頭と薬莢が消滅しました。』


「なに⁉」


 俺はあわてて、薬莢の落ちた方を見た。たしかに、薬莢は消滅していた。確認に岩まで走って、ひび割れの中を覗き込んだ。たしかに弾頭がない。


「はははっ…、」


 乾いた笑いしか出てこない。あまりの出来事に俺は、茫然自失だった。


「アリス、もう一発撃ってみろ。」


『ラジャー、対爆音防御! 撃ちます。』


 アリスは、俺が再度、耳をふさいだのを確認するとすぐさま発射し、またも、砲撃音が響いた。


 俺は、排出される薬莢を見つめ続けた、薬莢は地面に落ちると数度跳ね返り、地面に転がった。30秒ほどたつと薬莢は、一瞬、虹色の光を放つってその場から消えていた。


「はあ、とりあえず、エネルギー残量と弾薬の心配、排薬莢の回収が不要であることが判ったな。次は、修理状況だ。極小機虫の活動が活発だと言っていてが…」


『はい、極小機虫の活動率が通常の2倍ほどになっていおり、極小機虫の培養槽は常に新しい極小機虫を作り続けています。又、装甲、や各部パーツまで再生しています。』


「装甲まで回復しているのか? 信じられないな!」


『欠損している装甲は、そのままですが、破損程度の低い装甲などは、すでに新品同様になってます。いずれ欠損している装甲なども復元すると思われますが、理論上は有り得ないことです。』


 俺は、戦闘人形に近付くと、破損している装甲の断面を見た。断面には、溶解した後はすでになく、目には見えない極小機虫の被膜が装甲の断面を覆っていた。触ると僅かな感触の違いから多層構造の様子を感じ取れた。恐らくその内側では多重装甲の層が正しく再生しているのだろう。


「もう、常識とは何なのか判らないな。」


『同意します。』


 ふと呟くと、アリスが即座に同意した。


 そこで、突然、水の音が聞こえたと思ったら、レイクが飛んできた。


「おっはよー!」


「おはよう。」

『おはようございます。』


「レイク、よく眠れた?」


「ああ、十分だ。一晩ぐっすり寝たおかげで体調は回復した。」


「ん? その割には元気ないね?」


「なんでもない。」


俺は、不貞腐れた様に言うと、レイクに背を向けた。


『大丈夫ですよ、レイク。マスターはちょっと超常現象的なことが立て続けに起こったのでショックを受けているだけです。』


「アリス、余計なことは言うな!」


『八つ当たりは、やめてください。それより、この後はどうしますか?』


「今のところ、大きな問題はない、エネルギーは回復し、弾薬も補充されて、修理も順調。良い事尽くめすぎて、むしろ、不安になる。」


「良い事尽くめなら良いじゃない、気楽にいこうよ!」


「お前はお気楽でいいよな。だが、おかげで、少し楽になったな。ありがとな!」


「へへ~」


「さて、ここから出る方法を考えなきゃならないな。アリス、案はあるか?」


『はい、マスター。まずこの洞窟には、通風できる程度の隙間はありますが、人が通れるほどではありません。又、岩盤掘削も洞窟の崩壊の可能性が大きく、お勧めできません。後、取れる方法は、水中を移動するしかありませんが、効率が悪いのでこれもお勧めできません。ですので、一度、水中移動で地上に出て「瞬間物質移送装置」を設置し、次回から、これを利用する方法がベストと思われます。』


(瞬間物質移送装置? なんでそんなものが積んである? いや、聞くまい。)

(たしかにパイロットスーツは気密性もあり、水中用の簡易スラスターもある。)

(移動にも問題はないか。)


『マスター、何か言いましたか?』


 俺の呟きを聞きつけたアリスが、問いかけてきた。


「いや、何でもない。それでどうやってそれを運ぶ? 結構な重さになると思うが。」


『昨日見たメニューを確認してください。その中に「倉庫」の項目があります。』


「倉庫⁉」


 メニューを開くと「倉庫」の項目を確認した。


--------------------

特殊能力スキル

 倉庫 階梯1

  流動体以外なら何でも収納する事ができる。

  流動体(液体、気体、砂、粉等)でも容器に

  入れていれば収納可

  生きている生物及び付属物は、収納不可、

  時間経過有。

  階梯が上がると時間経過は遅くなる。

  サイズは80mmから1000mmまで

  収納数は50

--------------------


『それに意識を集中してください。』


 言われた通りに意識を集中してみるウィンドウが変化した。


--------------------

倉庫

 収納物無し


                [閉じる]


収納物を取り出す場合は、対象を選択してください。

物を収納する場合は、収納したいものに触れて「倉庫収納」と発声してください。

--------------------


「倉庫収納!」


 腰から光剣を外して、「収納」を唱えてみた


『エラー。武器は、倉庫には収納できません。』


「武器は、入らないのか。」


 エラーが表示された。光剣を戻し、次にテントで試してみた。


「倉庫収納!」


--------------------

倉庫

 野営用テント          × 1

--------------------


 モニターにテントが表示された。


「これは、便利だな。」


 次にリストから、テントを選ぶと目の前にテントが現れた。

 何度か試してみると入れるときは触れる必要があるが、出すときは、とだいたい1m以内なら何処にでも出せる様だ。掌をイメージすれば掌に、前なら前に、後ろなら後ろに、自在に出せる。


「アリス、物質移送装置を出してくれ。」


『ラジャー。』


 戦闘人形の右胸の装甲とその内側のハッチが開くと戦闘人形に登りハッチの中を除いた。そこに見える直径60cm程の厚みのある円形のものに触れ「倉庫収納!」と唱えるとそれが消えた。


--------------------

倉庫

 瞬間物質移送装置        × 1

--------------------


 倉庫に収納された。

 戦闘人形からおり、念のために一度出して、再度収納してみる。

 出し入れも簡単にできた、問題はないようだ。


(後は…、)


「レイク、この洞窟の出来るだけ近い場所にこいつを設置したい。こいつを隠せて、出入りできる様な場所はあるのか?」


 地面に置いた物質移送装置を指さしながらレイクに聞いた。


「ん~ん、そうだねぇ、ないこともないけど~、行って見た方が早いかな。」


「判った、レイク。案内してくれ。アリスも誘導を頼む。」


『ラジャー!』

「は~い!」


 俺は、ヘルメット・水中スラスターを着け、エアーをスーツ内に送り気密を確認、水中スラスターの稼働を確認した。


「いくぞ!」


「あいあい、さー」


 俺とレイクは、水の中へ飛び込んだ。


便利スキルが増えてくるのはお約束です。


瞬間物質移送装置(機)は、とあるお方の戦法で使っていたあれを拝借しました。

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