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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第三章 剣士と共に戦ってみよう
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第62話 炎龍

 氷龍が倒れると棘の氷柱は崩れ去り、しばらくすると、火口を覆っていた氷も溶け、すべて蒸発して消え去った。


「やったのか・・・・・・」


 ホノカが残心を解き、その場に立ち尽くしていた。


「お疲れ様、ホノカなら出来ると思っていたよ!」


 リンがホノカに近づき声をかけた。


「リン・・・。」


 ホノカがリンの方に振り向いて答えた。


「おめでとう!」


「やったんだな。」


「そうだよ!」


 それまで惚けたような顔をしていたホノカがリンに笑顔を返した。


『我が主よ。見事でござる。主の霊力残量が僅かであるゆえ、送還をお願いしたい。』


「あ、ああ、わかった。機神装着解除、送還!」


 朱炎轟天が電脳感応でホノカに話しかけ、機神を送還する。楓焔が元に戻り、ホノカの全身の装備が炎のエフェクトと共に機神の姿を取り、光となって消え去った。


 同じようにリンも装備を解除して機神を送還したところで、俺とともにスズカとコンゴウが近づいてきた。


「ホノカ、すごかったよ!!」

「おう、ホノカにあんな力があったのか!」


 スズカとコンゴウが立て続けにホノカに声をかけた。ホノカはその言葉に苦笑いを浮かべた。


「私の力ではないよ。」


「そうなのか?」


「ああ、リンやヴォル、機神のおかげだ。」


「リンちゃんたちのお陰かもしれないけど、ホノカの力があったからじゃないの?」


「スズカの言う通り、普段の鍛錬があればこそだ。自分の力も借りた力も含めて全て出し切ったからこそ氷龍を倒せたのだ。」


 自分の力ではないというホノカ、ホノカの力があればこそというスズカ、全ての力を出し切ったというコンゴウ、その全員の言葉は正しい。


「途中で萎縮してしまっていたが、最終的に勇気を振り絞り、自分を信じてホノカは戦ったんだ。ヴォルケーノや機神の力を借りたからと言って、恥じることなど何もない。ヴォルケーノに認められたのも、機神が従ったのも全てホノカ自身の力だ!」


「ああ、ありがとう。」


 例え他者の力を借りたとしても、いや、全ての事において、自力だけで何かを成し遂げることなど不可能だ。ホノカもその例外ではないのだ。


 その時火口の中心部、噴火口のあたりで何かが動き始めた。


 噴火口から水蒸気が上がり始め、マグマがせり上がってきた。


 噴火口をマグマが埋め、溢れ出しそうになる直前、マグマの塊の中から出てくるものがあった。


 2本の大きく赤黒い角、顎から2本の立派な髭、頭頂部から首の後ろに伸びるたてがみ。口には凶悪にも見える牙。細長い胴体に四肢を持ち、鬣は尾の先まで続いている。全身に纏う炎の鱗は赤く輝き神聖すら伺わせる。


 それがマグマの中から浮き上がり、胴体をくねらせてからこちらを向いた。


 氷龍とは違う圧、威厳ある姿の東洋の赤い龍がこちらを見つめていた。


 俺たち全員が息をのみ、言葉もなく龍の視線を受け止める。


『我は「炎龍」、この火の山を霊域とし守護する者だ。其方らが、我が封印を解いたものか?』


 その威厳の前に俺たちは自然に膝をついていた。


「『炎龍』様、恐れながら、封印とは何でしょうか?

 我々は、火精霊ヴォルケーノ様の依頼により、氷龍の討伐依頼をうけ、これを成し遂げました。」


『むう、その氷龍こそが封印よ!

 氷龍は本来なら我と同様の霊格を持つにもかかわらず、なにをとち狂ったのか、自身の守護する地を離れ、我が霊域を侵害しおった。

 我が眠りについた瞬間を見計らい、封印の呪法を彼の龍が見舞ったのだ。我はそれにより、その霊力を封じられ、身動きも取れず、火の山の霊域を守ることがかなわなくなった。

 ヴォルケーノはそれを察し、其方らに力を借りたのだな!』


「!?」


「ヴォル、出ておいで。そういうことなのか?」


 鞘に納まった楓焔から火トカゲのヴォルケーノが出てきて、ホノカの肩の上に乗った


『え~っと、そうなのかな・・・?』


 ホノカの呼び出しに応じ、返答をするが何か歯切れが悪い。


『ヴォルケーノ!』


『は、はい、炎龍様っ!』


『・・・。』


 炎龍はヴォルケーノの名を呼んだあと無言でその分霊を見つめた。


『炎龍様、申し訳ありませんでした。』


『はあ、ちゃんと説明しておらんのだな?』


『ははぁ!』


 炎龍が溜息をついて、ヴォルケーノに問いかけると、火トカゲがホノカの肩の上で土下座?のような体制を取った。


「そうだね、ヴォルの説明はざっくりしてたよね!」

「おまけにいきなりここへ飛ばされたしな!」

「まあ、適当に武器や加護を与えていたように見えたな!」

「それも効いたかどうかわからないよね!」


 スズカ、コンゴウ、俺、リンと立て続けにヴォルケーノは貶されていた。


『でも・・・』


『「でも」ではないわ!』


『だって・・・』


『「だって」でもないっ!!』


 煮え切らないヴォルケーノに炎龍の機嫌が悪くなってきた。


『もうよい、貴様はそこで静かにしておれ!』


『はい・・・。』


 ヴォルケーノがしょげていた。


『おお、そういえばまだ名を聞いていなかったな。』


「はい。申し訳ありません。私はゴノジョウにて仕事人を務めますホノカと申します。」


「同じく、コンゴウございます。」


「同じく、スズカです」


「漫遊の剣士ラムル。」


「えっ、え~っと、同じく、まんゆうの薬師リンです。」


『ホノカに、コンゴウ、スズカ、ラムルにリンだな。』


 炎龍が名を尋ね、ホノカから順に簡単な自己紹介をした。


『では、改めて礼を言おう。我を氷竜の呪縛より解き放ってくれて助かった。』


「いえ、そのようなことは。我々としても、火の山の平穏であることはゴノジョウにとっての最善でもあります。炎龍様がこの山におわすことこそ民たちの願いあり、それを叶えるのも仕事人としての務めでもあります。」


『むう、所謂、利害が一致したということだな。』


「はい。」


『だが、助けられたのもまた事実、故に、氷龍を倒したホノカにはその肩におるヴォルケーノの分霊を与えよう。』


『ちょっ、炎龍様っ!』


『だまれ、貴様はホノカについて、世界を周れ。』


「『えっ!』」


 ホノカとヴォルケーノが同時に驚きの声を上げた。


「あのぅ、そうれはどういうことでしょうか?」


『其方には世界を巡る定めが見えるが、しまったのう、早まったか。』


「はあ・・・」


『まあ良い、今の事は忘れろ。それより、今この場にいる全員に我の加護、「炎龍の加護」を与えよう。』


 炎龍がそういった後、俺たちの目の前にメッセージウィンドウが現われた


『「炎龍の加護」を取得しました。これにより水氷属性耐性、火炎属性攻撃力、対竜種攻撃力、防御力が上昇します。』


「「「「「!?」」」」」


 それと同時に体に温かい、何かが入ってきた。これが加護を受け入れたということなのだろう。


 後でわかった事だが、メッセージウィンドウが現われたのは俺とリン、ホノカの3人だけのようだ。スズカとコンゴウは加護を受けた実感はあったが、それだけのようだ。


『では、我はこれで戻るとしよう。其方らは今後、どうするかは自分で決めるとよい。一つ所に留まるもよし、あっちこっちを見て回るもよし、己の正義を掲げて戦うもよし、己の決断と責任において自由にするがよい。』


「はい、ありがとうございました!」


「「「ありがとうございます!」」」


 ホノカに続いてコンゴウ、スズカ、リンが次々の炎龍に礼をのべる。


「この加護は、大変助かるが、炎龍にひとつ聞きたい?」


『なんじゃ!?』


「あなたや氷龍の他に同等の龍種はいるのか?」


『むう~。あの氷龍と同様に語られるのは業腹だが・・・、我が熱と火炎を司る炎龍、あれが氷とこごえを司り、他に風といかずちを司る嵐龍、大地と鉱物を司る地龍がおる。』


 炎龍は、それを言い終わると『では、さらばじゃ!』と言ってマグマの海に潜っていった。


ラムル:そう、俺は「漫遊の剣士」なのだ。


リン :ええ、そんなのいつ決めたの。私、知らないよ!


ラムル:たった今だ。


リン :え~、ダサいよぅ~。それじゃ、私は「漫遊の薬師」になっちゃうじゃない。


ラムル:いいじゃないか、「漫遊の薬師」。


リン :やだ。私は遊び歩いているわけじゃないからね。


ラムル:なに! 違うのか? おれはてっきり・・・。


リン :ラ・ム・ル!!


ラムル:いえ、何でもありません。


リン :そう、私は、世界を旅しながら、至高の薬師をめざす、双剣使いの薬師。ズシャ!


(リンは咲き乱れる薔薇を背景に双剣を構えた)


ラムル:・・・。


リン :あれ!?




炎龍、ホノカ、コンゴウ、リン:・・・・・。(呆れて何も言えない)

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