表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第三章 剣士と共に戦ってみよう
63/82

第61話 氷龍

『10、9、8、7、6、5、4、3、2、』


「くっ!」


 俺の頭の中ではアリスによるカウントダウンが続いていた。


「どぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーん!!!」


 それが、終わる直前、目の前で氷龍が吹き飛んでいた。


『・・・、1、機神装備、強制送還!!』

 

 俺の機神と宇宙服などの装備が送還されて光りとなって消えた。


 そして、俺の目の前に真っ赤な装備を付けた剣士が砂煙の中から現れ、


「大丈夫か、ラムル殿!」


 振り返ったその顔には赤い角の額当てが光を反射していた。


「ホノカか!?」


「無理をさせたな。後は任せてくれ!」


「たのんだぞ、俺の方はもう限界だ。」


「むう、任された!」


 ホノカはそう言うと氷龍の方へ視線を向け、氷龍も立ち上がりホノカを睨みつけていた。


「氷龍よ、立ち去るならばより、さもなくば、炎刀楓焔の錆となるがよい!」


 ホノカがそう口上を述べると、氷龍は意にも介さず、無数の魔法陣を展開する。


「GYAaaaaaaaaa!!」


 氷龍が雄叫びを上げると魔法陣から、ホノカに向けて氷塊が同時に発射された。


「ヴォル、たのむぞ!」


『おう!!』


「炎障撃!!」


 ホノカが炎を纏う大太刀を横に振ると、前面を覆うように炎が広がり氷塊を蒸発させた。


 直後にホノカが氷龍に向けて駆け出した。


「はぁぁぁぁっ!!!」


 ホノカが炎障撃に隠れて氷龍の眼前まで接近し、それが消えたタイミングで氷龍に斬りつけた。


 氷龍は前肢でそれを防ぐが、ホノカは連撃を繰り出し、楓焔で斬りつけられるたびに前肢の氷の龍鱗が周囲に飛び散った。


「GYAaaa!!!!」


 ホノカの連撃をうけ、氷龍が苦しそうに叫び声を上げた。

 

「ラムル!!」


 その時、ウォーテスを纏ったリンが俺のそばに駆け寄ってきた。


「リン、がんばったな。よく、ホノカを説得してくれたな。」


「ううん、ちょっと驚いていたけど、ホノカなら元から大丈夫だよ。それより、ラムルはかなり無茶したんじゃないの?」


「ああ、体は大丈夫だが、無理矢理、機神を動かしたから、しばらくは召喚できそうにない。ホノカの援護を頼めるか? 攻撃は効いているが、このまま終わるとも思えない。」


「うん、わかった。」


 リンが頷いてホノカの方に向かった。


 今は、ホノカとリンに任せるしかない。そうは思うが、俺としてはほぼ防御一辺倒でまともにダメージを与えていない。


 一方のホノカといえば、無造作に楓焔を振り回しているように見えるが、確実にダメージを重ねている。


(相性があるから仕方がないとはいえ、ほんとに、これで帝国のエースなんだから、情けないことこの上ないな。)


 氷龍はホノカの攻撃に耐えながら大きく翼を広げて羽ばたくとその巨体が舞い上がり、そのまま円を描いて上昇を始めた。


「逃がすかぁっ、飛炎連斬!」


 ホノカはそう叫ぶと、袈裟懸け、横なぎ、切り上げ、と連続して氷龍目掛けて楓焔を振った。その瞬間三日月形の炎が飛び出し、氷竜を襲った。


 氷龍は錐もみ状態になりながら、その炎をさけた。そして、そのまま大きくローリングして急降下をはじめた。


 火口の外輪付近に降下し、勢いを殺すことなく外輪の傾斜に沿って飛行し、地上すれすれを氷龍の巨体が時速100キロを超える速度でホノカに迫ってきた。


水流防御アクアディフェンス多層展開!」


 ホノカの後方からリンが渦の盾を展開する。普段は自分の前方に一つだけだが、それを4つ同時に展開し、氷龍の進路上に並べて配置した。


 氷龍は進路を変えずにそのまま渦の盾に突っ込んできた。


「GYAaaa!!」


 氷龍が一声鳴き、渦の盾が次々と凍って四散していく。最後の渦の盾を突破された直後、


「リン殿、合わせてくれ!!!」

「はい!」


 ホノカがリンに声をかけた。


「飛炎連斬!!」

水流槍アクアランス!!」


 ホノカとリンの攻撃が、目前に迫った氷龍に向かって飛んだ。


 飛炎連斬と水流槍があたる直前、地面すれすれを飛んでいた水龍は更に高度を下げた。


 その為、攻撃がはずれ、水龍の後方に飛んで行った。


「「きゃぁぁぁぁ!!!」」


 同時に水龍の頭が地面をえぐり、ホノカとリンを地面と一緒に吹き飛ばした。


「くっ、これくらいでっ!!」

「もう、無茶苦茶だよっ!!」


 二人とも直撃ではなく、機神を纏っていたためほとんど被害はなかったようだ。


「GYAaaaaaaaaa!!」


 氷龍が再び叫び声を上げると、氷龍の体から放出される冷気を帯びた魔力により、空気中の水分が凝結した結晶化がキラキラ光始めた。


 そして、次の瞬間、氷龍を中心とした周囲一帯に棘の様な氷柱が生え、同時に氷龍が飛び上った。氷龍のいた場所からは10mを超える氷柱が生え、台のようになった頂上部へ着地した。


「GYAaaa!!」


 氷龍が吠え、吹雪息をホノカに向けて吐き出す。


「炎障撃!」


 それに対し、ホノカが炎障撃で吹雪息を防ぐ。


 吹雪息と炎障撃が拮抗し、吹雪息が炎障撃の熱で蒸発して雲の様な水蒸気がそこから上がっていた。


 しばらく、それらは拮抗していたが、やがて、炎障撃の持続時間が終わって消え去り、吹雪息がホノカを襲った。


「くっ!」


 だが、ホノカは吹雪息に呑まれる直前に飛び出し、棘の氷柱を足場にして次々と飛び移り氷龍に迫った。


 氷龍は、敵を寄せ付けないようしたつもりだが、ホノカにとってはまったく意味がなかった。


 棘の氷柱は、先端が尖っており、立つのには適していないが、足場として蹴るぐらいの強度は十分にあった。


 普通の人間ならば、尖った氷柱を足場に使用など考えなかっただろうが、ホノカは違った。


 一つ間違えば氷で滑ってたちまち落下してしまうが、ホノカ元来の運動神経に加え、機神の装備で身体能力が上がっていることを考えれば、まったく問題にはならなかった。


 ホノカは氷龍のいる氷柱に近づくと最後の棘の氷柱を蹴って、氷柱に対して大きく楓焔を振り上げた。


「豪炎斬!!」


 ホノカの持つ楓焔の纏った炎が大きく吹き上がり炎の大太刀を作り出して、氷龍のいる氷柱を一閃する。


 炎の大太刀が氷柱を通り過ぎた次の瞬間、炎の大太刀の剣筋にそって氷柱が砕け、そのまま上下にひび割れが進み、氷柱が全て砕けて崩れた。


 氷龍が慌てたように飛び立とうとするがその時、


「水流防御、改!!」


 リンの言葉とともに氷龍の真上に水平な水の渦が出現する。通常より巨大なその渦は、氷龍を抑え込むようにゆっくりと降下し始めた。


 渦が氷龍の発する冷気で凍り始めるが、凍ったそばから、渦が追加され、段々とその質量を増大させていく。


 通常の水流防御なら凍った後に砕けていたが、凍った上に水流が追加されているため割れたところに水が流れ込みそのまま凍ることでより強度を上げていく。割れるたびに重量が増加し、氷龍が飛び上るのを妨害していた。


 氷龍は飛び上ることもできずに、水流防御が氷結した巨大な氷の円盤に押しつぶされるように、崩壊した氷柱とともに地面に落下した。


 落下した氷の円盤が砕け、その中から氷龍の巨体が姿を見せる。強固な鱗に守られたその巨体は傷を負うことなくまたも咆哮をあげる。


「GYAaaaaaaaaaa!!」


 もはや、ホノカもリンも咆哮程度でどうにかなるものでもない。


「豪炎破砕斬!!」


 ホノカはそれを見て、楓焔を再び振り上げる。先程より遥かに大きな炎が楓焔から吹き上がり、それを氷龍目掛けて振り下ろす。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


 巨大な炎の大太刀が氷龍の顔面に直撃すると瞬間的に氷龍を覆う氷鱗がすべてはじけ飛んで蒸発し、氷鱗の代わりのようにその全身から炎が吹き上がった。


「GYAaaaaaaaaa!?」


 火だるまとなった氷龍が断末魔の声を上げ、ほどなくして、轟音を上げて地面に倒れこむ。氷龍の体に纏わりついていた炎は消え去り、後には、ぶすぶすと煙を上げて地面に横たわる真っ黒な氷龍の死骸だけが残された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ