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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第一章 異世界で水遊びをしてみよう
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第5話 情報交換

「ねえ、あたしは、どうしたらいいのかな?」


 レイクが改めて聞いてくる。


「あっ、放置してすまん。」

『申し訳ございません。レイク様』


「アリス、さっきラムルにも言ったけど、堅苦しいから、あたしの事はレイクでいいよ。」


『わかりました。今後はレイクとお呼びします。』


「まあ、腹減ったから細かいことは、飯の後にしないか。」


 俺は、コクピットから再び降りると、先ほど設置したコンロの所へ行った。鍋の湯はすでに沸騰しており、耐熱手袋で取り出すと、中身を深皿に入れた。肉の煮物の香ばしい匂いが辺りに漂った。


「レイク、お前も食べるか。」


「えっ⁉ もらえるの。食べる、食べる!」


(こいつ、警戒感ゼロだな。普通、よくわからん奴から、食べ物をもらうか?)

と思いながら、別の皿に缶詰の煮物を入れ、レイクの前にあるマットの上に置いた。


「ほい。」

「ありがとう。」


「これ、スプーンな。使えるか?」


 合成樹脂製のスプーンをレイクに渡す。


「ありがと、大丈夫だよ。あんまり使ったことないけど、使い方は判ってるから。」


 レイクは、スプーンを受け取ると両手を器用に使い、煮物を掬って食べた。


「おいしい!」


「そうか、簡易食だぞ。まずくもないが、それほどおいしいものでもないが…。」


「あ、アリスは食べないの。」


「ああ、アリスには食事は不要だ。」


「そうなんだ。なんだか可哀想。」


『気にしていただいて、ありがとうございます。ですが、私には栄養の摂取は、必要ありませんので。』


 そんなこんなで、なんとか、飯にありつけた俺は、「おいしい、おいしい」と言いながら、一心不乱に煮物を食べている、珍妙な生き物を見つめながら、俺はすでに食べ終わり、食器の片づけに入っていた。


「おい、レイク。食べ終わったら、皿とスプーンをこっちへ持ってきてくれ。」


「はーい!」


レイクの声が辺りに響く。


(ほんとうに、こいつは、一体何なんだ⁉)

(突然、怒りながら現れて、ちょっとおだてるとその気になって、『魔力』って言ったか、変な力を使える変な奴。その上、非生物だときた。一切のセンサー類に反応がなく、生体反応を認識できていない。今もそうだ、ARモニターで確認するが、反応は出てない。目視と画像上で見る事が出来るだけ、まったく意味不明な存在だ)


 自分の使った食器と、レイクの運んできた食器を水際で洗いった。すると、何処からか半透明の軟体動物が現れ、流した汚れを取り込んだ。


「おい、あれはなんだ!」


「スライムだよ。」


「スライム?」


俺は、伝説的な古い電子遊具に出てくる水滴状の生物が頭に浮かんだが、目の前にいるそれは、不定形のゼリー状の生き物だった。


「あれはね、何でも食べるんだ。」


「何でも⁉」


「そ、何でも! 生き物の死骸も、植物も、石や金属も何でも溶かして食べちゃう。でも、動きはゆっくりだから動いているものは、捕まえられないけど。」


「これは、どうだ。」

不銹鋼ふしゅうこうで作られた空き缶を指し示した。


「食べると思うよ。変わったものがあると寄ってくるから、そのあたりに置いとけば、朝には、なくなってる筈だよ!」


「俺たちは、大丈夫なのか? 寝てる間に喰われたら、洒落にならんぞ。」


「たぶん、大丈夫だと思うよ。あの人形(ドール)だっけ、あれ、魔力とは違うけど特殊な力を感じるから、近付いてこないはずだよ!」


「なら、いいが…」


(そういえば、こいつら、赤外線センサーが反応している。)


「アリス!」


『はい、なにかマスター!』


「このスライムに生体反応はあるのか?」


『そうですね、一応、微弱ではありますが、植物に近い、生体反応が出ています。』


「そうか、こいつらは生物として認識できるんだな。」


『そうですね。』


「レイク、色々聞きたいことがあるんだが…」


「ん、なあに。」


「その前に改めて自己紹介しておこう。」


俺はそう前置きして言葉をつづけた。


「俺は第三銀河帝国軍の軍人で、この戦闘人形(ドール)ルミナスのパイロットだ階級は『准尉』」


「軍人ってことは、兵隊さんだね、『ぱいろっと』とか、『じゅんい』ってなに?」


「パイロットは、簡単に言うと、戦闘人形とかに乗り込んで操縦する人間のことだな。准尉は、下位の士官、指揮者だな。」


「ふーん、」


「で、この戦闘人形が俺の操縦するルミナス。空の上でも、陸でも、戦える戦闘兵器だ。」


「それから、人工知能(AI)のアリス。武器や機体の細かな制御、測定、観測のサポートをしてくれている。」


「よくわからないけど、『ラムルがルミナスに乗って戦って、アリスがそれを助けている』ってことでいいのかな?」


「手っ取り早く言うとそういう事だ」

「で、俺たちは、宇宙そらで戦闘中、次元断層に飲み込まれたこの星の空に飛ばされ、ルミナスが、故障して動けず、ここに落下したんだ。」


「『じげんだんそう』ってなに?」


「空間の裂け目、そこに入るとまったく違う場所に飛ばされるんだ。」


「へえ、まるで転移魔法みたいね。」


「転移魔法?」


「そ、あたしには、出来ないけど、ある空間と別の空間をつないで移動する魔法だよ。」


「それだ、それで飛ばされたんだ。」


「違うと思うよ。だって、転移魔法は、この世界でしか移動できないから、転移魔法じゃ、違う世界とは行き来できないよ、ラムルたちは違う世界から来たんだよね。」


「そうだな。そういえば、次元断層に黄色い円形の模様が現れたな。」


「円形の模様! 魔法陣かな…。召喚魔法かもしれないね。でも、他の世界からの召喚なんてできるのかな? んん…」


レイクは考え込んでしまったが、すぐに、

「わかんないや。あたしも自己紹介しておくね」

といって、唐突に自己紹介を始めた。


「あたしは、さっきも言ったけど、水の精霊オンディーヌ族。この湖に宿っているの。」


「宿っている?」


「そ、あたしは、水の精霊だから、水がいっぱいある場所、湖や川、大きな池や沼、海、なんかじゃないと生きていけないの!」


「そうなのか」


「うん、そうだよ!」


「まあ、それは置いといて、今更なんだが…、」


「なに?」


「何故、おまえと喋れているんだ。」


「ん?」


「だって、俺たちの世界ででも、言葉の通じない地域がある。なのに世界が違うのに言葉が通じるのはおかしいだろう!」


「確かにそうだけど、あたしには、それは判らないよ。」


『マスター、その件ですが…、』


「なんだ、アリス。」


『はい、モニターメニューを見てください。ARモニターでも確認できます。』


 俺はがARモニターの襟のところにあるスイッチを入れると、空中に浮かぶようにメニューが表示された。

 このスーツには、戦闘人形とリンクしたモバイル端末が組み込まれている。そこから脊髄部分にある端子を通じて、直接脳内とのデータの送受信ができ、視覚情報に上書きすることも可能である。その技術の派生として実際の視覚画像に様々な情報を表示することができる。


『その中の特殊能力スキルを見てください。』


「異言語理解翻訳変換?」


--------------------

装備

特殊能力

 機神ドール召喚 階梯レベル

 異言語理解翻訳変換(追加)

  様々な言語を自動変換・翻訳する。

  該当する単語がない場合は、認識できる

  発音音声に変換される。

--------------------


「何でこう度々、都合が良いんだ。これも全世界情報ワールドライブラリの所為、と言うか、おかげと言うか…」


「ねえ、その『わーるどらいぶらり』ってなに?」


「それは俺も知りたい。この世界の情報らしい。こっちにきた時に、ルミナスに記録されていた…。何か意図的ものを感じるが…」


「ああ、もういい。今日は、寝るぞ!」


 得体の知れない何者かの陰謀か、神の気まぐれかは、知らないが、現状では、解決しないから、一旦、棚上げにすることにする。


「レイク、お前はどうする?」


「あたしは、もう帰るよ。じゃあ、明日の朝、また来るね!」


レイクは、そう言うと湖へ帰っていった。それを見送って、アリスに指示を出した。


「アリス、これから睡眠に入る。ライトはナイトモード、付近の警戒を頼む。朝は7時起床だ。」


『ラジャ、これよりナイトモードに移行します。全天照明オフ! 全域警戒開始!』


 アリスが、俺の指示に従い全天照明を切ると、洞窟内が暗くなった。テントの中でランタンの灯りだけが、灯っていた。俺は、テントの中に入ると、寝袋にもぐりこんだ。


洞窟内の会話だけで1話分使ってしまった(;^_^A

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