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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第三章 剣士と共に戦ってみよう
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第56話 火口

「GYAaaaaaaaaaaaa!!」


 俺たちの目の前では、氷龍が大きく口を開けて、吹雪息を吐こうとしていた。


 さっきまで、フノージ迷宮の最深部で俺たちとヴォルが話をしていたのだが、ヴォルから氷龍の討伐依頼を受けた後、報酬の前渡しをされ、そのままフノージ火山の火口へ転送された。


 そこには、飛竜の倍はあろうかという巨大な龍が居座っていた。全身が乳白色の半透明の鱗に覆われ、頭部には大きな角が2本と小さな角がその脇に2本づつ計6本あり、後頭部から背中、尻尾の先にかけて氷に見える板状の棘が並んでいた。鋭い爪をもつ前肢、太く力強い後肢、背中からは白く大きな翼が1対を持つ巨体がこちらを威嚇していた。


「GyoGYAaaaaaaaaaa!!!」


 氷龍は俺たちを見るなり、威圧を乗せた咆哮をあげた。


 心の準備もなく突然転送された直後だったため、全員が軽くパニックになりかかったが、そこは熟練の仕事人のホノカ達とパルミエルの森で鍛えられた、俺たちなのですぐに戦闘体制に移行した。


「くっ、あのくそ精霊。いきなり放り込みやがって。重装盾ファランクス!」


 俺は思わず悪態をつきながら、重装盾を展開する。


「そんなことより、今は|あれ(吹雪息)を何とかしないと。水流防御アクアディフェンス!」


 リンが俺の言葉に釘をさしながら、俺と同じように水流防御で防ぐ体制をとる。


 それと同時にホノカ達も態勢を整える。コンゴウを先頭にホノカ、リンと縦一列に並び、俺とリンはそれぞれその横に立ってひし形の陣形を取っていた。


 重装盾が横に広がり、全員を吹雪息から守るように展開し、その前に水流防御が渦を巻いていた。


「ラムル殿、リン殿は、そのまま防御を維持してくれ。コンゴウ、前衛を頼む。スズカと私は、そのまま吹雪息を凌いだら反撃だ!」


 ホノカが、それを見てすかさず指示を出す。


 その後ろでコンゴウが錫杖を構えて、ホノカとスズカはそれぞれに吹雪息に備えた。


 氷龍の口に魔力が収束する。やがて、収束した魔力が冷気を纏い、空気中の水分を凝結して放射された。


 放射された吹雪息が俺たちを襲う。水流防御の渦が凍り付き動きを止めるが、渦が新たに生み出され、一定の重さになった凍った渦が大きな音を上げて地面に落ちて砕ける。


 水流防御で防ぎきれない吹雪息を重装盾が受ける。冷気が重装盾の表面を凍てつかせる。


 俺たちのところまで吹雪息の余波が届き、辺りの気温が一気に下がるが、なんとか、耐え凌ぐことができた。


 吹雪息が止むと俺は重装盾を戻し、リンは水流防御を解除して、俺たちは反転攻勢に出る。


 まず、スズカが呪符を放り上げ火の法術を放つ。


「炎槍、群!」


 スズカの上空に50を越える火の槍が瞬時に浮かび、


「撃て!」


 スズカの号令でその全てが氷龍を目掛けて飛んでいく。


「ドッゴォォォォォォォン!!!!!」


 着弾すると轟音と同時に水蒸気が立ち上る。


 水蒸気で視界を塞いだ隙に、俺とホノカが左右に分かれて飛び出すと、そこから斬撃をとばした。


「「はあぁぁぁぁ!!!」」


 次々と斬撃が水蒸気をすり抜けて氷龍に着弾する。


「GYAaaaaaaaa!!!!」


 氷龍が雄叫びを上げ、気の圧で水蒸気を吹き飛ばした。


「「「「「はぁ!!?」」」」」

 

 そこには無傷で立っている氷龍がいた。


「いくらなんでも、無傷とかありえないだろう。」


 防御力が高いのか、障壁なのか、理由はわからないが何らかの方法で俺たちの攻撃を防いだのだろうが、スズカの炎槍は弱点攻撃で水蒸気が上がったということは奴の体には届いていたはずだし、俺たちの斬撃も決して弱い攻撃というわけではない。


 元より致命傷を与えられるとは思っていなかったが、かすり傷さえないとは考えられない。


 とか、考えていたら、氷龍の周りに無数に魔法陣が浮かび上がり、その一つ一つに数十の氷弾が生成されていた。氷弾一つづつはそれほど大きなものではないが、その数は半端なかった。


「「「「!?」」」」


 次の瞬間、氷龍の作り出した氷弾が、雨あられのごとく降り注いだ。


「ふぁ、重装盾!」「水流防御!」「ふん!」「はあっ!」「ええっ!」


 全員がそれぞれ防御姿勢をとる。


 数万に及ぶと思わる氷弾が、絶え間なく発射され、俺たちに襲い掛かる。


「んっ!」


 俺は重装盾を展開し、リンたちは水流防御で防いでいたが、問題は、ホノカだ。


 俺の反対側にいるため、重装盾も水流防御もその防御範囲から外れている。


 ホノカは、楓焔を振り回して氷弾を弾き飛ばしていた。機銃のような着弾間隔で飛来する氷弾だが、ホノカはその場を一歩も動かず、すべての氷弾に対処していた。


「流石だな。あの数を刀だけで撃ち落とすとは。」


 重装盾の隙間から見えるホノカの剣技に感心していたが、


「GYAaaaaaaaa!!!」


 氷龍が人吠えすると弾幕がさらに激しくなってきた。


「くっ!!」


ドゴッン!!


「なにっ!」


 異音を上げて重装盾が飛ばされた。


 氷弾に紛れて巨大な氷塊を撃ってきて、想定外の質量の為、重装盾が弾かれてしまった。


「ぐわぁぁぁぁ!!」


 続けて小さめの氷塊と氷弾が多数直撃し、俺は両腕でガードしたが、あまりにも多く耐え切れずに飛ばされてしまった。


 氷弾と氷塊が止むと、立っているのは誰もいなかった。


 どうやら、俺と同じくホノカもリンたちもその変則的な攻撃に対処できずにもろに攻撃を受けてしまったようだ。


「くそ、魔物のくせに氷弾ばかりだと思わせて、氷塊を混ぜてくるとは・・・。」


 俺がよろよろと立ち上がると、他のみんなも体を起こして、立ち上がろうとしていた。


「くっ、並みの攻撃じゃあ、ダメだ。もっと火力がいる。」


 俺はちらっと、リンを見て叫んだ。


「リン、このままじゃ、全滅する。『機神ドール』だ!」


 リンが頷くと二人で声が合わさった。


「「機神召喚!!」」

アームフット!」「・ウォーテス!」


戦闘服飾装ファイティング・ドレスアップ!」

機神装甲装着ドール・アーマー・マウンティング!」


 俺の体が浮き上がり、肩に機神の腕、太腿に機神の脚が光とともに召喚される。


局所防御光壁ピンポイントバリア複数展開マルチロード


 そして、複数の局所防御光壁を前面に展開した。


 一方のリンは、浮き上がったその背後に水が渦巻き水機神が顕現し、同時にレイクの分霊が腕輪から現れて、リンを包み込むように水球を作り出す。その中でリンの服が光となってはじけ飛び、水色のフリフリドレスを纏う。


 リンが両手を広げると水機神が、再び液状になり、それぞれのパーツに変形していく。肩、腕、胸、背、腰、脚、最後に頭のティアラになってドレスの上に装着される。


星屑回復大雨スターダスト・ヒーリング・レイン!」


 広げたリンの手のひらから星形の魔力が、俺やホノカ、スズカたちの真上に広がりそこから回復薬のシャワーが降り注ぐ。


 俺の体に力がみなぎってきた。『星屑回復大雨』が氷龍から受けたダメージを回復してくれた。


「螺旋破壊ーードリルクラッシャーパーーーンチ!!」

「GYAaaaaaaaa!!!」


 回復した俺は光壁を展開したまま、飛び上って氷龍に向けて螺旋破壊拳を繰り出した。


 氷龍はそれに合わせるよう爪をひとまとめにして突き出してきた。


 機神の拳と氷龍の爪が空中で轟音を上げて激突する。しばしの拮抗の後、氷龍の反対の手の爪がアッパーの如く、下から俺に襲い掛かった。


「GYAaaa!!」


 俺はそれを見て、拳を引き、体をひねって躱し、そのままの勢いで氷龍の懐に飛び込む。


 眼前に氷龍の恐ろしい顔が迫った。


「螺旋破壊拳!!」


 機神の拳が氷龍の顔面を捉え、氷龍がたたらを踏む。だが、大したダメージを与えていないようで氷龍の赤い目に浮かぶ縦長の黒目が俺をギロリと睨んだ。


「GYAaaaaaaaaa!!」


 氷龍の周りに再び無数の魔法陣があらわれ、そこから氷塊を吐き出した。


 至近距離から氷塊が俺に迫った。俺はその氷塊に対し、局所防御光壁を移動して対処した。複数の光壁が縦横無尽に動き、氷塊を防いでいった。

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