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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第三章 剣士と共に戦ってみよう
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第55話 火精霊

 ホノカが正体不明の何かを召喚して、青白い炎に蝕まれながら炎の竜を消し去り、その後、すぐに自分も倒れてしまった。


 俺たちを隔てていた障壁が、炎の竜が消えた直後に消滅したので、俺たちはホノカのそばへと駆け寄った。


「ホノカ、ホノカッ!」


「ホノカ、しっかりしろ!」


 スズカとコンゴウが傍に駆け寄り膝をついた。


 俺とリンはその後ろに立って控え、俺はリンに指示を出す。


「リン、回復薬だ!」


「うん、わかってる。」


 コンゴウたちがホノカを仰向けに寝かせると、リンはスズカたちと反対側に膝をつき、ホノカの全身を魔力で走査する。


「・・・、う〜ん、火傷・怪我治療、体力回復、魔力回復、異常状態はなし。傷は問題ないけど、手のひらの火傷はやっかいね。このまま回復薬を使っても難しいかな。」


 リンはホノカの状態を診断していく。さっきの異常な青い炎に焼かれた手のひらが問題のようだ。


「そうだね、この火傷は神炎で焼かれているね。もう、本当にホノカって無茶をするなあ。」


「神炎って何?」


「ああ、火を司る神様の出す炎よ。白に近い青い炎は神界の炎なの。で、問題は神炎に焼かれたら回復薬も回復術でも治せないの。」


「そうなんだ。ん~ん、神薬があればいいけど・・・、でも何とかなるかな。」


「レイク、手伝って!」


『え~~、暑いのは苦手だから嫌だよ。』


 リンがレイクの分霊である腕輪に声をかけるが、拒否されてしまった。


「「えっ、」」


 それを見たスズカとコンゴウは呆れたような引いたような微妙な表情をしていた。


「そんなこと言わないの、苦しんでいる人がいるのに放っておけないでしょう!」


『っん、もう、しかたないな~』


 リンがレイクを窘め、レイクが渋々といった感じでリンの腕輪から現れる。


「「はぁ!?」」


それを見ていたコンゴウたちは驚いたように声を上げた。


「レイク、行くよ!」


「うん、任せて!」


 レイクの分霊がリンの肩の上に立ち、リンの放出する魔力に合わせて水を生成していく。


「生成! 治癒回復薬! 体力回復薬! 魔力回復薬!」


 リンの目の前に三つの光る小さな水球が生成される。黄金色に淡く光るそれらはそれぞれ、光のトーンが微妙にピンク、ブルー、グリーンになって輝いている。


 そこへ、鞄から小瓶を一つ出して蓋を開ける。これはあの時、地下室にあった未完成の神薬エリクサーだ。


偽神薬ぎしんやく、調合!」


 三つの水球の形が崩れ混ざり合い、同時に小瓶の中からも液体が浮き上がってきた。それらが一つの水球になり、黄金の光を放ちひときわ明るく輝いた。


「散!」


 リンがそう言い、レイクとリンクしたように同時に両手を広げると、水球が飛散し細かい霧状になってホノカの体の周りを漂い始める。


 リンとレイクの纏う魔素が黄金の輝きを増して、同じような黄金の光りがホノカの全身を包みこむ。傷のある所は光がより強く、そうでないところは弱く輝いている。手のひらは特別に強い輝きを放っていた。


 見る間にホノカの全身の傷が癒えていった。手のひらの火傷も光が収まる頃にはきれいに治っていた。


「流石だな、薬師!」「すごい!」「なんと!」


 薬師リンの本気の治療に対して俺が称賛し、スズカとコンゴウが驚いていた。


「ふう~、これでとりあえず大丈夫かな。」


「あ~あ、つかれたな~。」


 治療が終わり、リンとレイクが一息ついた。リンはそのままその場に座り込み、レイクはそのリンの肩の上で伸びている。


「リンちゃんは、すごい! 神炎の火傷を簡単に治すなんて、私にも出来ないよ!」


「まだ、治ってないよ。治ったのは肉体だけというか、表面だけというか・・・。魂の一部まで傷ついていたんだけど、それはまだそのままだから。」


「えっ! そんなのまでわかるの、私は全然わからなかった・・・。」


 褒めちぎったスズカだったが、魂の話をしたリンに引いていた。


 てか、わかるのかよっ!


 魂って、それはもう神職の領分だろうが!


 巫女スズカがわからないのに、薬師リンにわかるものなのか!?


 などと考えていたら、ホノカが目を覚ましたようだ。


「んんん~ん、」


 目を開けたホノカがゆっくりと体を起こした。


「ここは・・・、」


 意識が混濁しているようだ。その時、部屋全体に木霊するような声が聞こえてきた。


『よくぞ、我が試練を乗り越えた。勇ましき者よ!』


「「「「「「!?」」」」」」


 俺たちは、思わず立ち上がり、辺りを見回して声の主を探すが、俺たち以外には誰も見当たらない。


「ちょっと、いい加減に出てきなさいよ!」


 レイクが台座の方に向いて声を荒げる。


「ちっ、なんだよ! せっかく、カッコ良く出てこようと思ったのに邪魔するなよ! 大体、なんでお前がいるんだ!」


 台座の後ろから、火を纏う四本足歩行の何かが現れた。


 火を纏った全長50cmの『トカゲ』?


 赤い鱗に覆われ、頭には2本の角が生えている。頭部から背中、尻尾の先までのたてがみ、前足と後足の甲とそれぞれの足の付け根に炎を纏い、そして全身の鱗の隙間から、火が漏れ出していた。


「あたしがどこにいようと勝手じゃない。あんたと違って好き好んでこんな蒸し暑い所に来ないわよ!」


「蒸し暑い所で悪かったな! 俺は好きでここが好きなんだよ! 折角、カッコよく演出しようと思っていたのにぶっ壊してくれてからに!」


 カッコつけようとしてつぶされた『トカゲ』とレイクが何故か喧嘩を始めた。


(なんだ、会っていきなり喧嘩とか、この二人(?)って知り合いだったのか?)


 このままでは収拾がつかないと思い止めに入るが、


「おい、お前らいい加減にしろよ。そっちの『トカゲ』、まずは状況を説明しろ!」


「おれを『トカゲ』って呼ぶな!」


「ラムル、喧嘩腰になったら、ダメだよ。この子は火の精霊だよ!」


 何故か、リンに窘められた。


「おう、そうよ。サラマンデル族のヴォルケーノとは俺の事だ!」


 続いて、『トカゲ』が名乗りを上げる。『ヴォルケーノ』というらしい。


「「「ヴォルケーノ様!!」」」


「「?」」


 リンがヴォルケーノのことを火の精霊というとホノカ達は驚いていた。

(なぜ、リンにあの『トカゲ』が火の精霊だと分かる? もしかして、レイクから聞いたのか?)


「そう、血の気の多いことで有名な、サラマンデル族のその中でも特別短気なヴォルケーノだよ。」


「レイクも煽らない。話が進まないでしょ!」


「は~~い・・・。」


 リンの一言にレイクがシュンとしてしまった。


「コホン、それじゃ改めて、俺はサラマンデル族のヴォルケーノだ。お前の名は?」


 『ヴォルケーノ』がホノカの前に立ち、改めて名乗ってホノカに名前を聞いた。


「私は、ヤギュー・ホノカです。」


「ホノカか。いい名前じゃないか。あと、そっちの面々は?」


「コンゴウだ。」

「スズカだよ。」

「ラムルだ。」

「リンです。」


ヴォルケーノに俺たちはそれぞれに名前を伝え、俺たちを見回し、名前を確認した。


「コンゴウ、スズカ、ラムルにリンだな。」


「さてと、ホノカ。」


「はい。」


ヴォルケーノは視線をホノカに戻した。


加具土命かぐつちを降ろすとは無茶をしたな。さっき、薬師リンも言っていたが、あの炎は、精神体にダメージを与える。相手はもちろん、術を行使した本人にも影響が出る。面倒なことは省くが、加具土命の炎の影響で魂の1割ほどが損傷を受けている様だぞ。」


「えっ・・・・、」


 ホノカはもちろん、俺も含めてみんな驚いていた。


『ヴォルケーノさんの言葉に嘘はありません、火之加具土命の神炎は全てを焼き尽くします。この全てというのは、肉体を含むすべての物質、魔素・霊素・神気や生命活動を維持するための精気、精神を司る魂魄等です。高次元の神や悪魔は神気と魂魄で構成されており、火之加具土命の炎に触れれば、存在を維持できません。ホノカさんの術は神炎を刀に宿したため魂魄への影響は最小限になりましたが、それでもダメージを負いました。』


 俺にしか聞こえないが、すかさず、アリスがヴォルケーノの言葉を補足してくれた。


「だから、今後、あの術をつかうなよ。本当に取り返しがつかなくなるぞ。」


「はい、わかりました。」


 ヴォルケーノの忠告をホノカは受け入れた。


「それから、俺のことは「ヴォル」でいい。「様」付けも敬語も不要だ。いいな。」


 ヴォルケーノはそう言いながら全員を見回した。


「わかりました、ヴォル。」


 ホノカが代表して了解の意を伝えると、みんなが頷いているのが見えた。


「よし、これでホノカの話は終わりだ。後はこの場にいる全員に頼みがある。」


「ん!? なんですか?」


「この山の異常に気が付いているか?」


「はい、その為にここへ調査に来ました。」


「なら、話は早い。その異常の原因だが、火口に居座った氷竜の影響だ。」


 俺たちは、ヴォルケーノの話に耳を傾けた。

 ここフノージ地方は本来なら炎龍の領域であったが、一月ほど前に炎龍が眠りについた後、氷龍が現われ、領域の中心のフノージ火山の火口に住み着いたらしい。氷龍はその後、火口の内側全体に氷を張ってしまい、マグマの熱気が止まってしまう事になる。その為、周囲の気温が下がり、山に住んでいた魔獣や獣の数が激減してしまう。


 飛竜にとって魔獣は餌であり、その数が減ることは死活問題になる。餌を求めて山を飛び出す個体もおり、その一群がゴノジョウを襲っていたと言うわけだ。


 火口は巨大なカルデラになっており、炎龍が眠りにつくと同時に氷竜が現れたため、人に気づかれずにいたようだ。


 飛竜や魔獣の事もあるが、もう一つの問題として火口が塞がれたことで山にマグマが溜まってきており、このままでは大噴火を起こす恐れがあった。大噴火を起こせばゴノジョウの街をふくめた辺り一帯に壊滅的な被害がでるのだった。


 噴火した際に火山そのものが崩壊する可能性もあり、ヴォルケーノにとっても看過できないほど脅威になっていた。


「ということで、お前たちに氷龍の討伐をしてほしい。それが無理なら追い出すだけでも構わない。」


 俺はまるで氷龍の討伐が決定事項のように言うヴォルケーノに待ったをかけた。


「ちょっと、まて。それは、それは正式な依頼なのか?」


「まあ、そうだな。」


「なら、まずは報酬だ。対価はなんだ? 対価の正当性を確認するための相手の情報は?」


 例え精霊であっても相手がだれであれ、仕事として受けるのなら、対価が必要だ。


「報酬だな。ホノカにはこれをやる。」


 ヴォルケーノがそういうとホノカの前に朱色の鞘に入った大太刀が現われる。


「炎刀、楓焔かえでほむらだ。お前の刀は先程の神炎でもう使えないだろう。代わりに使え。」


 ホノカがおずおずと楓焔をてにとる。


「はい。」


「これには、俺の分霊が憑いている。その力でお前の傷ついた魂を保護しよう。それで徐々に回復するはずだ。」


「ありがとうございます。」


 ホノカが勢いよく頭を下げながらそういった。


「気にする必要はない、無理をさせた詫びも入っているからな。」


 ヴォルケーノはそういって、次にコンゴウに目を向ける。


「コンゴウとスズカには炎の守護の授ける。」


 コンゴウの錫杖とスズカの鉄扇が一瞬だけ光った。


 それぞれ、炎の守護が付与されたようだ。効果は火炎攻撃無効と氷冷攻撃耐性だ。


 俺とリンの武器には守護がつけられないので炎宝玉で、対氷冷攻撃力上昇効果の付いた宝玉だった。


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