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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第三章 剣士と共に戦ってみよう
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第48話 富乃士迷宮

 俺たちは、フノージ迷宮の前にやってきた。迷宮の入り口には情報通り番人が二人立っていた。


「お待ちしておりました。ホノカ殿!」


 番人がホノカの顔を見てそう言いながら、俺たち全員の顔を確認する。


「ああ、ご苦労様。」


「連絡は聞いていますが、念のため、通行手形をお願いします。」


「むう、これだ。」


 ホノカが懐から紐のついた小さな木片を番人に見せると、番人が何かを帳面に書き始めた。


「ご同行の方のお名前をお願いします。」


「コンゴウ。」

「スズカだよ。」

「ラムルだ。」

「リンです。」


「はい、これで終了です。それでは、ご武運を!」


 番人が全員の名前を帳面に書き、軽く頭を下げると、俺たちはその前を通って迷宮に足を踏み入れた。



◇◇◇◇◇



「これが迷宮か? 普通の洞窟にも見えるが・・・」


 上下左右の幅が2m程の岩がむき出しになった洞窟である。見た目では、普通の洞窟との違いが判らない。


「ラムル、この壁はかなりの量の魔力を纏っているよ。」


「そうだよね。霊力、リンちゃん達の言う魔力で、それを感じなければ、ただの洞窟にしか見えないけど、霊力を纏っていてかなり頑丈で、もし壊れても勝手に修復してしまうの。」


「なるほど、迷宮には自己修復機能があるんだな。」


 リンの言葉にスズカが補足を加えてくれた。ホノカとコンゴウは特に反応はなかったが、ここでは当たり前なのかもしれない。

 霊力だか、魔力だかはよくわからないが、まるで、極小機虫ナノマシンのようだ。


「キャァシャー!!」


 その時、前方から何か叫び声のようなものが聞こえてきた。子供のようにも見えるが、よく見ると全身緑色の肌をした腰蓑だけと着けた3体の小人が棍棒を振り上げて、こちらを威嚇していた。


「小鬼か!」


 コンゴウがそう呟いた。よく見ると、頭に小さな角が一本と耳がとがっていた。


「誰が行く?」


「小鬼3匹程度、誰が行っても一緒だろう。」


「じゃあ、私が行ってもいい?」


 ホノカが聞き、コンゴウが答え、リンが手を挙げた。


「「「!?」」」


「大丈夫か、リン。」


「うん、まかせて。これくらい出来ないと、これからやっていけないから。」


 人型だから、倒すのをためらうかと思ったが、意外にたくましいな、薬師。


 リンは、腰の双剣を引き抜くと右手の剣を順手に左手を逆手にもって小鬼に向けて走り出した。

 3匹の小鬼は、向かってくるリンに棍棒を振り上げると素早く散会し、3方向からリンめがけて棍棒を振り下ろす。

 リンはその棍棒の隙間を飛び上り、中央の小鬼の頭上で1回転して小鬼の背後をとる。

 そのまま、右の剣を突き出し、背後から頸動脈を一撃で切り裂き、その剣を右になぎ払うように振りぬき、右の小鬼の首筋を撫で、勢いのまま半回転し、左の小鬼の振り下ろす棍棒を剣ではじいて、左の剣を喉元に滑り込ませる。


 3匹の小鬼が、すべて首筋から、血を噴き出してその場に崩れ落ちた。程なくして、その姿が血の跡とともに霞のように消え去り、何事もなかったようになっていた。その後にはキラキラとした小さな宝石のようなものが落ちていた。


「・・・・・・」


「おお、嬢ちゃんすげえな。小鬼とはいえ瞬殺するとは。」


 それを見てコンゴウは感心していた。実力的には心配していなかったが、人型の魔物との戦闘は初めてのはずだ。多少のためらいがあると思っていたが、躊躇せずに切り伏せるとはな。恐るべし、薬師。まあ、あの両親の子ならあり得るか。


「むう、無駄のない素晴らしい動きだ。だが、重さのない攻撃は、防御の固い相手には通用しないから、気を付けた方がいいぞ。」


「はい、戦うときは相手を見てから挑みます。」


「さすがは、リンちゃんだね。治療だけじゃなく戦いもできるなんてすこいね。」


「へへぇ。」


 ホノカは褒めながらも注意を促し、スズカもリンをほめた。リンは褒められて照れてニコニコだ。


「師匠たちのおかげだな!」

魔狼フェンリル魔虎タイガーファングとは言えないのでここでは師匠と言っておく。)


「うん!」


◇◇◇◇◇


 俺たちは、あっという間に4階層にまで来ていた。道中に出てきたのは小鬼ゴブリン犬鬼コボルト等の最弱のグループに属する魔物たちだ。俺とリンは、上位モンスターが跋扈するパルミエルのモンスターを倒してきているし、ホノカたちもゴノジョウでは、金将級の仕事人で、危なげない戦いぶりだった。支援役のスズカですら小鬼程度は、問題なく倒していた。

 ちなみに、仕事人の等級は、上から、飛車、角行、金将、銀将、桂馬、香車、歩兵らしい。冒険者ギルドのSSからEに対応していて他の町でもそのまま通用するそうだ。


「ラムル殿達に頼んで正解だな。最弱の魔物ばかりとはいえ、ここまで早く来れるとはな。」


「俺たちだけじゃないぞ。あんたらも、ほぼ一撃で魔物を倒しているだろう。」


「俺たち方は慣れているからな。」


「リンちゃんもすごかったもんね。」


「スズカちゃんだって、簡単に倒していたよ。」


 そんな話をしていると、俺たちは大きな扉の前にたどり着いた。


「ここは?」


「階層主の部屋だ。この中に小鬼王と犬鬼将と呼ばれる魔物がいる。」


「階層主?」


「ああ、以前説明した通り、この迷宮は全10階層だ。そのうち、4階層と7階層に階層主がいる、それ故、4階層までを上層、7階層までを中層、それ以降を下層としている。10階層には迷宮主がいるとされているが、未だ発見されていない。」


 俺はこの大きな扉が何なのか気になったのでホノカに尋ねてみると、この中には階層主と呼ばれる魔物がいるらしい。他の階層にもいるようだが、それより『迷宮主』というのが気になった。


「発見されていないというのは?」


「10階層に未踏破領域があるということだと思うが、50年程前の文献にその記述があって、いろんな仕事人がそれを探したんだが、見つけられていないのだ。」


「ということは、その文献の人物が噓を書いているか、そこに至るまでに特殊な条件が存在するということだな。」


 恐らく、何か資格のようなものがいるのかもしれない。後でアリスに確認してみようか。


「頭目も若いころは何度も潜ったらしいけど、見つけられなかったって言ってたね。」


「じゃあ、どうせ調査するんだし、迷宮主の部屋を探したらいいんじゃないの。」


「まあ、そこは調査に支障のない範囲内でやればよくないか?」


 スズカは頭目が見つけられなかった話を聞いていて、リンはついでに探すつもりらしい、コンゴウは調査に支障がなければいいじゃないかと言うことだ。


「そういうことだな。で、話を戻すが、ここの階層主の強さはどの程度なんだ。」


 話が逸れたのは俺のせいなのだが、話を戻すことにした。


「それほど大した相手ではない。一応、出てくるのは、小鬼王と犬鬼将が1匹づつと小鬼と犬鬼が5匹づつ、全部で12匹だ。小鬼王と犬鬼将は多少強くなっていて、低級の仕事人にとっては脅威だが、我々にとっては誤差の範囲内だ。」


「階層主と言うくらいだから、かなり強いと思っていたが、その程度なのか?」


 ホノカは、たいした強さではないと言うが、戦ったわけでもないからなんとも判断できないな。


「ああ、スズカとリン殿の2人でも余裕で倒せるはずだ。」


「いっそ、2人で戦ってみるか?」


 ホノカが、2人でも余裕だと言うと、コンゴウが2人で戦うことを提案してきた。


「心配しているようだな。意外と過保護だな。」


 おっと、顔に出ていたようだ。


「まっ、ホノカとコンゴウが大丈夫と言うのなら、やってみるか、リン!」


 俺はごまかすようにリンに話を振った。


「スズカちゃん、どうする?」


「いいよ。私達も支援だけじゃないってとこ、見せよっか!」


「うん、頑張ろうね!」


 なにやら、2人で盛り上がっているが、危なくなったら応援に入ればいいだろう。


「よし、扉を開くぞ!」


 コンゴウがそう言って扉に手を掛けたのだった。


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