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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第二章 薬師に出会ってみよう
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第36話 戦闘人形・水

「ラムルっ!」


 リンが思わず大声をあげていた。


 秘密基地に避難していたリンは、フローティングモニターでラムル達の戦闘を見ていた。


 アリスはラムルが出発した後、浮遊探査機シーカーを急遽改良し、バリアシステムを搭載した。森の遮蔽結界の中に侵入後、稼働不能になってしまったため、外部からの干渉を防ぐためである。その為、稼働時間は半分になってしまったが、やむを得ない処置だった。


 探査機はラムルを追跡し、結界の中で活動出来ることが確認された。その後は、離れた位置からラムルの戦闘の様子を親機である戦闘人形に送っていた。


『リン様、マスターが結界内に侵入しました。探査機も無事です。探査機との通信も問題ありません。』


「ますたーってラムルのことだよね。」


『はい、そうです。』


「後はよくわからないんだけど…。」


「大丈夫だよ、リン。私もわかってないから。」


 レイクがよくわからないフォローをする。


『簡単に言うとマスターの様子を見ることができます。』


「えっ、それって遠くを見るの魔法なの。」


『この世界の魔法とは全く異なる原理ですが。現象としてはその理解で問題ないです。』


 アリスがリンに理解できるように会話のレベルを落として説明する。


「よく、判らないけど、ラムルの様子がわかるのね!」


『はい、ご覧になりますか?』


「あたしも見たい、見たい。」


「お願いします。」


 真剣なリンに対して、空気読まずにレイクが茶々を入れてくるが、リンもアリスも相手にしていなかった。


『判りました。フローティングモニタを展開、映像でます。』


 アリスがそう言うと空中に画像が映し出される。

 森の木が広範囲に亘って枯れている。その中にラムル達が映し出されていた。


「おお、すごい。魔法みたいだねぇ。ゲッ、あんな大蛇が森にいるの? 魔狼も魔虎もやられちゃってるじゃないの。あっ、でも結界みたいなのに守られているのね。あのへ…」


 リンはレイクの解説のような言葉を遮ってアリスに問いかけた。


「あの変な格好をしているのがラムルなの?」


「ぶぅ~、あたしが言おうとしていたのにぃ~。」


「ごめん、レイクさん。」


 レイクが不機嫌になり、思わずリンが謝っていた。


『その通りです、レイク、リンさん。マスターは高濃度の毒素を含む空気の中で活動するために宇宙服を召喚しました。』


「うちゅうふくって?」


『はい、息の出来ない環境でも活動できる服です。なくても多少の毒ならば異常状態耐性で毒を無効化できますが、あの高濃度の毒素では、8割が限界で2割は無効化に失敗します。』


「じゃあ、そのうちゅうふくがないと危ないんだ。」


『即座に命の危険があるわけではないですが、かなり活動は制限されるはずです。』


「ラムル…」


 リンとアリスがそんな会話をしていると画面の中では、ラムルが大蛇を圧倒して攻撃していた。それをリンは心配そうに見つめている。


「あっ!」


 大蛇が進化し、凶悪な棘だらけの姿になるとラムルの攻撃が効かなくなっり、逆に大蛇の周りに球体が現れそこから無数の魔法が放たれていた。


「ラムル、死なないで…」


 リンは祈るように胸の前で手を組み、画面に見入っていた。


 ラムルは、大盾を召喚し魔法を防いでいるが、盾に魔法が激突し徐々に削られ、状況はとても不利なように見えた。


『あれは、腐食効果のある毒ですね。状況はかなり不利です。』


「アリスさん、レイクさん。」


 投影された画像に見入っていたリンは、意を決したように問いかけた。


『はい。』「な~に。」


「ラムルを助けるために、何かできないかな?」


「あるよ!」


 リンの問いかけに、レイクが即答した。


「えっ!?」


「さっき、言ったよね。リンには、水の魔力があるって。」


 リンは、秘密基地に来てすぐ、レイクに水の魔力があると言われたのを思い出した。


「うん、なんかそんなこと言ってたね。」


「そう、それで、リンならこれを動かせるはずだよ。」


 そう言いながら、洞窟の奥に鎮座するルミナスとは水色の戦闘人形ドールをリンに見せた。


「これは!?」


「あたしとアリスで作り上げた。水属性の戦闘人形です。」


「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」


 リンは驚いて思わず出した大声が洞窟中に響き渡った。


「そんなの絶対無理だよ。」


「大丈夫、大丈夫。まあ、触ってみてよ。」


『リン様、そちらの戦闘人形に触れてもなんの問題もありません。だた、このルミナスと違うのは、その機体はレイクの魔力によって構築され、水の魔力を行使することができます。どのような、発現の仕方になるかはわかりませんが、リン様が適合すれば、リン様の使い勝手が良いように最適化されるはずです。また、私のようなAIは積んでいませんが、レイクが同乗することでの補助は可能となっております。』


「そうだよ、リン。リンの力次第だけど、ラムルと助けることは出来ると思うよ。」


「そうなの…。」


 その時、水の戦闘人形が、直立から膝立ちになり、主に仕える騎士のごとく右腕をリンの前に掲げた。


「えっ!?」「はあ!?」


 それを見たリンとレイクが、驚いて声を上げた。


「なんで、あんた勝手に動いているのよ。」


 レイクが水の戦闘人形に文句を言っている。


「アリス~、どうなってるの!?」


『あの子には、AIほど高度な知能はありませんが、簡易自立動作機能が内蔵されています。それがリン様の力に反応したと思われます。』


「ぶっちゃけるとリンを気にいたってこと?」


『そう言う事になります。』


「そうなんですか?」


 リンはそう答えると差し出された大きな指に、おずおずと手を伸ばした。


「力を貸してくれる?」


 そう言いながら、水色の指にリンが手を触れた。


(なにこれ、私の中に何かが流れ込んでくる。)


 戦闘人形を制御するための情報が、リンにインストールされ始めた。


「えっ!」


 リンの視覚野にスクリーンが現れ、文字が流れ始めた。


『戦闘人形、制御情報、入力開始。』

『電脳感応情報、入力完了。』

『武装情報、入力完了。』

『魔力展開術式、入力完了。』

『魔力連結、完了。』

『情報接続、完了。』

『全情報、入力完了』

『マスター登録をお願いします。』

『お名前を音声にて入力してください。』


 リンの目の前に見慣れない文字が羅列されていた、だが、リンはどうすれば良いのか何となく判るように気がした。


「リン!」


『マスター「リン」承認しました。』


 水色の戦闘人形が声を発した。


「よろしくね、ウォーテス!」


 リンは迷うことなく頭に浮かんだその名を呼んだ。驚くレイク。


「はいっ!?」


『畏まりました。何時でも必要な時はお呼び下さい。「機神ドール召喚・ウォーテス」の詠唱でたとえ次元の彼方にでも召喚に応じます。』


「どういうこと? リン! 名前なんか付けてなかったんですけど。」


「さあ、私に言われても…。判らないですけど。」


『恐らく、リンとの接触と命名により何らかの情報共有が行われ、自立制御機能が自立AIに近い機能が確立されたようです。』


「あんたも訳の判らないことばっかり言ってるんじゃないわよ!」


 レイクはアリスの言葉が理解できず、八つ当たりをしていた。


「兎に角、あんたは私が作ったんだからね。」


『判っております、「グランドマスター」。』


「へっ!」


 レイクが「グランドマスター」と呼ばれて何とも言えない顔をした。


『「グランドマスター」レイク様によって私が生み出された事は、十分に理解しております。レイク様がいなければわたくしはこの場におりませんので。』


「そ、そう、判っているならいいのよ、判っているなら。」


 レイクは「グランドマスター」と呼ばれ、ツンデレみたいな返しをしていた。


『(「マザー」アリス様のお力により、最良の主を得られたこと、感謝の念に堪えません。)』


『(ウォーテス、我マスター、ラムル様の為、活躍を期待してますよ。)』


 アリスとウォーテスがこの様な通信を行っていることなど、レイクは知る由もなかった。

 AIであるアリスにとってもウォーテスに自我が目覚めたことは意外であった。科学的に考えればAI機能のない自立機能に自我が芽生えるはずがなかった。この世界には、科学とは別の何かが、作用しているのは間違いなく、並列処理のサブルーチンで全世界情報ワールドライブラリと突き合わせてその因果関係を解析するようになっていった。


「さってと、リン、これでウォーテスを召喚できるけど、ウォーテスだけじゃあ、リンの魔力が足らないの。」


「そうなんですか?」


「うん、それであたしも着いていくことにするからね!」


「えっ、いいんですか?」


「と、いっても本体はここから離れられないから、あたしの分精霊だけどね。」


「はあ…。」


「これを持っていって。」


 レイクがそう言うとレイクは手を前に出し、そこに水が渦を巻き、光と共に形になり、精霊を象った意匠の腕輪が現れた。


「受け取って。」


「これは?」


「オンディーネの腕輪よ。これを着けていれば、あたしを呼び出せるわ。機神召喚と同時に本体のあたしにつながって魔力も共有できるのよ。」


「ありがとうございます、レイクさん!」


「ああ、それと堅苦しい喋り方はいいからね。レイクってよんでね。」

『私もAIですのでアリスとお呼び下さい。』


「うん、ありがとう、レイク、アリス!」


 リンがそう言うとオンディーネの腕輪をはめる。


『さて、そろそろ、瞬間物質移送装置の準備も出来ました。マスターの所へジャンプできます。』


「えっ!」


 移送方法には2基の移送装置を使った双方向移送と座標指示器をを使った一方通行移送がある。ラムルのもとへ飛ばした探査機には座標指示器も搭載しており、移送が可能になっている。


「そうなんだ。魔法でもないのに便利だね。」


『ですが、お気を付けください。移送座標は、探査機から3m以内ですし、地上付近は毒素濃度が高いので上空でないと即死する恐れがあります。上空でないと召喚すらできませんので、転送後、即座に召喚しないと命にかかわります。よろしいですか?』


「ラムルが危ないんだもの、私が助けられるなら、怖いけど頑張るよ。」


『了解しました。それでは、移送装置にお乗りください。操作はこちらからリモートで行います。』


「これで良い?」


 リンは移送装置の上に乗るとアリスに聞いた。


『大丈夫です。それでは、カウント5で移送します。』


「じゃあ、また、後でね。」


「うん。」


『カウント、5、4、3、2、1、移送!』


 アリスのカウントダウンが終わるとリンの足元から光があふれ、リンの全身を包み込むと光となってその場からリンの姿が消えた。

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