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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第二章 薬師に出会ってみよう
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第27話 脱出

「何事だ、騒がしい。」


 侍従長が眠った後、階上から声がかかった。何とも言えぬ、粘りつくような嫌な声だった。そいつは、成金趣味を地で行くような派出て趣味の悪い上着にアクセサリーをジャラジャラと着けていた。


「あんたが、バシュエルか? 悪いがエレーサさんを返してもらうぞ。」


「貴様は誰だ、何を言っている。セイルはどこだ。護衛ども何をしている。その者ども捕えんかぁ!」


 バシュエルは叫ぶが、誰も動こうとはしない。それはそうだろう、さっきの戦いを見た後では誰もが敵うはずがないと思っている。

 俺は、階段の上に飛び上がるとバシュエルを蹴り倒す。床に倒れ伏したバシュエルの目には怯えが浮かんでいた。


「わ、わ、儂をどうするつもりじゃ!」


「どうもしないぞ。」


 そういって偑月刀を奴の顔をかすめるように床に突き立てた。


「ひいぃ、!」


 バシュエルの頬に一筋の傷がつき、僅かに血が流れた。


「俺達の邪魔をしなければ、何もしないぞ。邪魔をすれば…、判っているな!」


 床に刺した偑月刀を僅かに頬に近づける。


「わっ、わっ、わかった。わかったから、その剣をよけてくれ。」


 冷や汗を流しながら、頷こうとするが、刀が頬に触れ、なんとかそれだけを絞りだした。


「何が分かったって?」


「お前の邪魔はしない。邪魔しないから。」


「よし、確かだな。」


「ああ、本当だ。」


 俺は偑月刀を床から抜くと素早く階段を飛び降りた。


「行くぞ、リン。」


「はい!」


 俺とリンは走り出し、地下へと向かった。通路は空間ソナーで把握しているので道順に迷うことはなかった。


「ここだな。」


 地下通路を進んでいくと幾つもの木の扉があり、その一つの前で立ち止まった。途中、見張りの男がいたが、苦も無く無力化して、ここへ辿り着いた。

 見張りの男から奪った鍵を使って扉を開ける。一応、用心しながら部屋の中をのぞくが、何もしかけられてはいなかった。

 部屋の中にはベッドと机が一つずつ置かれている。ベッドの上にはエレーサさんが横たわっており、手と足に枷を取り付けられている。


「お母さん!」


 リンが俺の横を抜けてエレーサさんの横へ駆け寄ってエレーサさんに呼びかける。


「んっ、んん…。」


 エレーサんは目が覚めたようだ。ゆっくりと目を開ける。見たところ異常はないようだが…。


「お母さん、大丈夫!?」


「ああっ、リン、ここは…?」


「気が付いた。よかった!」


「無事で何よりだ。枷を外そう。」


「ラムルさん、世話を掛けたわね。」


「別にいい、気にするな。」


 俺は、武器庫から光剣コスモセイバーを取り出し、最少出力で光の刃を出す。皮膚に触れないように気を付けながら、鍵のある部分を焼き切った。


「これで動けるか?」


「ええ、大丈夫だと思うわ。」


「それで、なんであんたほどの実力者が攫われているんだ?」


「ん~ん、それが、よくわからないんだよね~。急に魔力が収束しなくなって、雷撃も打てなくなったのよ。」


「魔力が収束しない?」


「ええ、あれは、多分魔道具の効果だと思うのだけど…、現物を確認できていないのよね。」


「要は、そんな魔道具があるんだな。」


「たぶんだけどね、さすがに魔法が使えないと、多人数を相手に直接戦闘はできないからね。でね、そのまま、気絶させられたみたい。」


「お母さんも魔法が使えないときついよね。」


「そういうこと。面目ないです。」


 エレーサさんはそう言って項垂れた。


「また、帰ってから詳しい話は聞くとして、そろそろ、帰るとしますか。」


 そう言いながら、エレーサんが立ち上がろうとするが、ふらついて転倒しそうになる。俺は慌てて手を伸ばして体を支える。


「まだ、感覚が戻らない様だな。」


「度々、ごめんなさいね。」


「いや、いい。リン、エレーサさんを頼む。」


「うん、お母さん、私の肩につかまって。」


 俺を先頭に、リンとリンに支えられたエレーサさんは、部屋と出て階段を上がっていき、入口ホールへ出た。ホールにはバシュエルもセイルもすでにいなかったが、外を見ると、何人かの護衛が俺達を待ち構えていた。俺達は構わず、外に出て門へ向かおうとしていた。


「よお、結構好き勝手してくれている様だな。」


2mを越える大男が俺達の顔を見るなり、声を駆けてきた。上半身に板鎧プレートメイルを着け、背中には巨大な戦斧を背負っていた。


「好き勝手しているのはそっちだろう。」


「かかかかかっ、まあそうかもしんないな。」


「久しぶりね、ダルマーク。」


「おっ、炎獄のアネさんかぁ。久しぶりだな、かれこれ…、」


「ダ・ル・マ・ー・ク!! それ以上言うと…。」


「!?」


 ダルマークと呼ばれた男が何か言おうとして、エレーサさんに止められ引き攣った顔をしていた。


「ごほん、さて、そっちの兄さん。」


「俺の事か?」


「ああ、一つ手合わせしてくれねえか?」


「断る選択肢は?」


「ねえな。悪いが、バシュエルの会長にはちょいと世話になっててな。兄さんらをこのまま帰すわけにはいかねえんだ。」


「ダルマーク、あんた、バシュエルの子飼いになったの。Aクラスの冒険者の肩書が泣くわよ。」


 エレーサんが男に問いかけるが…、


「別に会長の手先になったわけでもないが、その兄さんがかなり強いと聞いてな。一度手合わせしてほしいと思ってたら、都合よくここに現れたからな。」


(ラムル、あの人、かなり強いよ。もしかしたら、この町で一番強いかもしれない。)


(確かに強いな。たが、俺達を妨害したいというよりは、単に俺と戦いがっている様だな。)


 エレーサさんと男が話している横で俺とリンは小声で話をしていた。


「まったく、あなたは相変わらずですね。でも、相手は選んだ方がいいと思うわ。」


「選んだ結果が、兄さんなんだがな。」


「いいだろう。相手をしてやろう。ここでやるのか?」


「ここなら、広さもあるし、存分に力を出せるぞ。」


 男がそう言いながら、背中から戦斧を取り外して構えた。


「やむを得んな。」


 俺も剣を構えた。


「じゃあ、改めて、俺の名はダルマークだ。冒険者をやっている。宜しく頼む。」


「俺はラムルだ。()()の旅人だ」


 それと同時に男が、戦斧を振るう。


「おりゃあ!!」


 掛け声と共に戦斧から衝撃波が放たれ、地面を抉りながら迫ってきた。俺とリン、エレーサさんの3人は、難なく躱す。射線上の近くにいた何人かが余波で吹き飛ばされ、屋敷の入り口が轟音を上げて崩壊していた。


「相変わらず、馬鹿げた破壊力ね。無闇矢鱈と壊したら駄目でしょう。」


「姉さんの魔法ほどの破壊力はないぜ。」


「わたしは、所かまわず魔法を使わないわよ!」


「俺もそうだぜ。町の中でこんなの使ったら、支部長ギルドマスターから大目玉だ。」


 そういいながら、ダルマークの巨体が迫りくる。普通の者ならそれだけでビビってしましそうなくらい、ものすごい迫力だ。


(疾い!)

「ガキッーン!!」


 刀と斧がぶつかり、金属音が鳴り響いた。


「ほう、これを平気で受けるか、嬉しいね。」


「ちょっと、ビビったぞ。」


「うそつけ!」


 そんな本気とも冗談ともつかない会話をしながら、二人してニヤリと口角を上げた。


「「うおぉぉぉ!!!!」」


 偑月刀と戦斧が裂帛の気合と共に何度も何度もぶつかり合い、その度に衝撃波の余波が周り地面を削り、それに巻き込まれた冒険者たちが飛ばされていく。


(まったく、なんて疾さと馬鹿力だよ。撃ち合うたびに手がしびれてくるぞ。油断したら、やられるな。)


 そして、数分後、二人同時にバックステップで距離をとった。


「ははははっ!! 噂に違わぬ強さだな。重い俺の戦斧の連撃を受けて立っていられる奴は初めて見たぞ。」


偑月刀こいつじゃなきゃ、剣が折れていただろうな。折角、手入れしてもらったのに台無しじゃないか。」


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