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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第二章 薬師に出会ってみよう
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第26話 商会長屋敷

 俺とリンは、上流連中の屋敷が立ち並ぶエリアにやってきた。下級貴族や商会会長、冒険者協会支部長ギルドマスター等の屋敷があるところだ。その一角にバシュエルの屋敷もあり、そこ向かっていた。


「リン、近付いてきたぞ。大丈夫か?」


「うん、大丈夫だよ。でもどうやって入るの?」


「正面から行く。」


「正面からって、無茶だよ。門番もいるし、入れてくれるわけないよ。」


「入れてくれないなら、推して通るだけだ。」


「やっぱり、そうなるんだよね。」


 リンが少し呆れ気味に言うと目的の門が見えてきた。


 パシュエル邸の門には、二人の門番が門の左右に槍を掲げて立っていた。俺達が近づいていくと、


「止まれ、ここはパシュエル様のお屋敷だ。勝手に通ることは許さん、何の用だ!」


 門番がそう言いながら、俺達に槍を向けた。


「エレーサさんを連れ戻しに来た。通らせてもらうぞ!」


 俺はそれに構わず、門番の言葉を無視してそう言って通り抜けようとした。


「止まれと言っている!!」


 門番の一人が槍を俺の喉元に槍を突き付け、俺達の侵入を防止しようとしてるが…。


「それで俺を止めたつもりか?」


「なに!?」


「今の俺は機嫌が悪い。怪我をしたくなければ引っ込んでいろ!」


 門番が、後、半歩前に踏み出せば、俺の喉に鋭い槍の穂先が食い込むだろう。だが、俺は素知らぬ顔をして、門番を威圧する。


「貴様ぁ!」


 リンが後ろでヒヤヒヤしているのが、感じ取れたが、そんなことを億尾にも出さず、言葉をつづける。


「俺達をなめたことを後悔するがいい!!」


 そう言って門番が槍を振り上げようとしたが、槍は動くことはなかった。


「くそっ、てめえ、放しやがれ!」


 俺の左手が槍の柄を掴み取っているため、衛兵が、必死になって力を籠めるても、ピクリとも槍は動く事はなかった。


「さあ、突いてみろ。半歩前に出るだけで俺は串刺しだぞ。」


「くそぅ!」


 顔を真っ赤にして槍を取り戻そうとするが、一向に槍は動かず。業を煮やした門番は、槍から手を離すと、拳を振り上げて殴りかかってきた。


「このやろうぉ!」


 その拳が俺に当たることはなかった。拳は力なく俺の横を通り過ぎ、門番が突然その場に崩れ落ちた。


「お前はどうする?」


「今、なにをした?」


「聞いているのは俺なんだが。まあいい、あのな、ちょっと顎を軽く撫でるとこいつみたいになるんだよ。こんな風にな。」


 パシーン、乾いた音を立ててもう一人の門番もその場に崩れた。


「ラムル、今なにしたの? 大した攻撃じゃないのになんで2人とも倒れているの?」


「簡単なことだよ。顎の先端に高速で拳を当てると頭が揺さぶられて脳震盪をおこすんだよ。」


「でも、そんなに簡単にできるの?」


「ああ、リンの力でも十分可能だよ。」


 そんな会話をしながら、門をくぐると騒ぎを聞きつけた護衛達が集まりだした。


「何をしている貴様ら、勝手に入り込んで只で済むと…、ぐわぁぁ!」


「何か言ったか?」


 集まってきた護衛達の内、数名が俺達の正面に立って喚いていたが、彼らが剣を抜く前に手刀を打ち込んで無力化し、他の護衛達を無視して入口の扉へまっすぐ歩いて行った。

 そして、入口の大きな扉を押し開く。そこは大きなホールになっており、中央には何かの装飾品が置いてあり、左右には2階に繋がる階段があった。俺達を見たメイド服を着た侍女達が数名、慌てて逃げていく。


(アリス、空間ソナーをオンにした。立体化を頼む。)


(ラジャー、5秒、お待ちください。)


 空間ソナーは、超音波で特定範囲内の構造・地形等を把握する事が出来る。戦闘人形ドールにも搭載されているが、俺が使ったのは、携帯用の小型の物で探査範囲は広くないが、この屋敷程度なら、問題なく構造を把握する事が出来る。

 そして、5秒が経過すると頭の中に屋敷の立体画像が映ってきた。


「魔力感知!」


 そこで魔力感知を使用すると、立体画像の中に屋敷内の魔力持ちの様子が浮かび上がる。小さな光点がいくつもある中に一際大きな光点が、一つあった。


「見つけた。行くぞリン!」


「うん!」


 後ろでは、護衛達が剣を抜き、居間にも襲い掛からんとしていた。


「お待ちください。」


 黒のスーツに白手袋、黒髪に半分白髪が混じった髪の毛をオールバックに整えた、品の良さ様な男がそこに立っていた。


「こちらはパシュエル商会の会長パシュエルの屋敷ですが、何か御用でございましょうか?」


(この男、なんだ、気配もなく現れたぞ。)


 俺には男が突然そこに現れたように感じた。気配を殺すすべを持っている。つまり、中々のやり手であるだけでなく、かなりの修羅場をくぐってきているように思える。


「誰だ!?」


「これは申し遅れました。わたくし、当パシュエル家にて侍従長を務めさせていただいております。セイルと申します。お見知りおきを。」


「侍従長ねぇ…。俺はラムルだ。このリンの家に今世話になっている者だが、リンの母親のエレーサが攫われてここにいるはずだ。返してもらえるか?」


 この侍従長がある程度の権限を任せられていると見たが俺は、まず交渉してみることにした。


「エレーサ様、 薬師フェイル様の奥方様ですか?」


「そうだ。」


「申し訳ございませんが、こちらにはその様なお方はおられません。」


「なら、勝手に探させてもらうぞ。」


「それは、困りまりましたね。見知らぬものが勝手にに屋敷に踏み込まれるのを見過ごす訳にはまいりません。」


 そう言うとセイルの姿がその場から掻き消え、あっと言う間に間合いを詰めたかと思うと隠し持ったダガーで俺を突き刺しに来る。俺は紙一重でそれを躱し、突き出した腕を捕まえると背負い投げの要領で床にたたきつけようとしたが、セイルは、自分で床を蹴り、投げる勢いを殺して、俺の背で1回転し、着地と同時に膝蹴りを放つ。俺はそれも躱し、腕を離してバックステップ距離を取って偑月刀を構える。セイルの手にはいつの間にか剣が握られておいた。


「あんた、只者じゃないな。」


「その言葉、そのままお返しさせていただきます。瞬撃を躱されたのは初めてですよ。」


「今度は、こちらから行かせてもらう。」


 そう言うと同時に俺は床を蹴った。セイルは俺の刀を弾きながら横に移動した。俺は横薙ぎに刀を振るったが、セイルを捉えられなかった。後ろに現れたと思ったら、そこから剣を振り下ろし、刀で受け止める。そこにいる護衛達も侍女たちも二人の素早い動きについて行けず、只、見ているだけだった。


「おい、あいつすごいぞ。セイルの動きについていっている。」


「セイルって確か元Sクラスじゃなかったか。」


「ああ、俺達が束になってかかっても勝てなかったよな。」


 そんな声が、あちらこちらから聞こえてくる。無論、今の俺には、そんな声は聞こえていなかった。ただ目の前のセイルの剣技に感心するばかりだった。

 そして、突然に二人の動きが止まった。


「はあ、はあ、」


 セイルは大きな傷は負っていないが、肩で息をしていた。


「年は取りたくないものですな。」


 一方で俺は無傷でまだまだ体力が残っていた。


「セイル、引け。お前の太刀筋はもう見切った。お前が引くなら、命を取らなくて済む。」


「御冗談を、私はこの家の侍従長です。侵入者を見逃したとあっては主に申し訳けが立ちません。」


「そうか、ならば、仕方がない。その忠心と共に散るがいい。」


 俺はそう言うと、再び、セイルの姿が消えた。俺はその場を動かずにセイルの剣を受ける。セイルはその瞬間、左手で袖に隠したダガーを取り出し、俺のわき腹を目掛けて突き出してくるが、俺がすぐに受けた剣を弾き上げダガーを防いで、そのままセイルの胸に偑月刀を突き立てると偑月刀はセイルの背中まで突き抜けた。


「ぐはっ!」


 血を吐き、セイルがその場で仰向けに倒れ込んだ。ゆっくりと偑月刀を引き抜くと床に血が広がっていく。


「ごほっ、くっ、む、無念。」


偑月刀を一振りして血を飛ばすと鞘に納めた。


「リン、回復薬はあるか?」


「うん、もっているけど…。」


「命に別状がない程度に回復してやれ。」


「えっ、いいの?」


「ああ、人殺しに来たわけではない。邪魔さえしなければ殺すまでもあるまい。」


「うん、わかったよ!」


 一瞬怪訝そうな顔をしたリンだったが、納得したのかすぐに小瓶を取り出してセイルに回復薬を振りかけた。


「しばらく安静にしていたら治るけど、無理に動くと又傷が開いて出血しますからね。」


 リンは回復薬をかけ終わるとセイルにそういった。


「何故、私の命をたすけるのですか?」


「さっきリンに言ったとおりだ。俺は殺人狂ではない。」


「そうですか…。」


 そう言ったところでリンが別の小瓶から何かを振りかけた。


「リン、それは?」


「睡眠薬です。これで暫くは起きてこないでしょう。」


「そうか。」


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