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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第二章 薬師に出会ってみよう
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第22話 薬草採取

 俺がここに来て4日目、俺とリンは森に来ていた。何しに来たかと言うと薬草を採取しに来ていたのだ。


 いつまでも世話になるわけにはいかないので、宿屋に行くといったのだが、リンは寂しそうにしながら、エレーサさんは少し色香を出して、フェイルさんは丁寧にお願いされて結局、町を出るまで泊めてもらうことになった。


 その礼というわけでもないが、リンに護身術を教えることにした。この世界では、自分の身は自分で守る必要がありそうなので覚えておいて損はないという俺の意見にリンたちが同意したので、暇を見つけては簡単なものから教えていた。


 3日前、リンに町を案内してもらいながら買い物をした時に、支部長ギルドマスターからの情報提供もあり、又、怪しい気配もあったのでしばらく注意をしていたが、危害を加えられそうな雰囲気はなかった。


 リンたち家族は気が付いていないようだったが、何か様子を探っているようなそんな雰囲気だった。


 昨日も一昨日も店を手伝ったり、買出しに出かけたり、又、暇なときにはひとりで街をぶらつくこともあったが、何かを仕掛けてくる様な様子はなかった。


 そして、今朝のことだった。


「ラムルさん、リン、今日は森へ薬草を採りに行ってもらえないかしら?」


「うん、いいよ。ラムルと一緒に行けばいいのね?」


「ああ、そうだね。お願いできるかな、ラムル君」


「それは構わないが、不審者がここを見張っているはずだ。出来ればあまりここから離れたくないのだが。」


「それは、心配しなくてもいいよ。私やエレーサさんは自衛手段を持っているからね。」


「しかし…」


「お願い、ラムルさん。もう薬草の残りが少ないの。回復薬なんかはあっちの店にもあるけど病気の薬はうちでしか調合できないの。ないと困る人がたくさん出てくるのよ。」


「さすがにこの間の件があるから、リンを1人で森にやるわけにはいかないし、この店を締めて私達が行く訳にもいかないのですよ。」


 こうして、あまり気は進まなかったが、森の中でリンと2人で薬草の採取することになり、俺たちは、大きな籠をそれぞれ背負い、小さな子袋を2つずつ持って目当ての薬草を探していた。


「リン、これでいいのか?」


「うん、そうだよ。それはこっちのかごに入れて。ああ、その隣のは子袋に入れてくれる。」


 リンは薬草の事をよく知っていた。フェイルさんからしっかり教えを受けていたようだ。俺にはわからない微妙な違いまでちゃんと把握していた。


「ねえ、ラムル。」


「なんだ。」


「誰か、近づいて来る。」


「リンも気がついたか。」


 俺たちは手を止めずに小声で囁きあった。

 リンはこの数日の特訓で目覚ましい成長を見せていた。今のリンなら、大灰熊ジャイアントグリズリーと出会っても逃げるくらいはできるだろう。ましてやこのくらいの魔物なら…


「リン、場所を移動する。籠をよこせ。」


「うん。」


 俺はリンから籠と小袋を受け取り、麻の大袋に入れ倉庫に収納し、同じように自分の分も収納した。


「相手は複数だ。ここは見通しが悪いから不意打ちされるかもしれない。」


「うん、だから、見通しの良い場所へ移動するんだね。」


「そうだ。ついてこい。」


 そう言って俺は走り出し、リンもその直ぐ後ろを追いかけて来ている。

 俺はリンのペースに合わせていつもの半分くらいの速度で走ったが、魔物たちはリンのさらに後ろを追って来ていたが、追いつかれることもなく開けた場所に出ることが出来た。そして俺たちは足を止めて振り向いた。


◇◇◇◇


 私たちは開けた場所まで来て振り向いた。森の茂み中を魔獣が近付いてくる音がする。


「リン、深呼吸で息を整えろ!」


「うん。」


 ラムルの指示が飛んできて、すかさず返事をする。


「来るぞ。3匹だ。お前一人で倒してみろ。」


「えっ、3匹も一人で!?」


 驚いた。今までD等級ランク1匹ならなんとか倒してきたが、3匹となるとかなり厳しい。と言うより無理だ。


「油断さえしなければ、大丈夫だ!」


 ラムルは、大丈夫だという。2日間、特訓してもらったが強くなった実感はない。たった2日で強くなれる訳はないと思うが、ラムルが大丈夫というのなら大丈夫なのだろう。


「わかったよ。やってみる。」


 木々の間から、魔獣が3匹飛び出してきた。3匹とも角兎ホーンラビットだった。

 角兎は体長が80cmくらいのうさぎで20cmほどの螺旋状の角が1本生えている。

 単体でD等級ランク、複数ならC相当、私がD級なので普通なら逃げるべきなのだけど…。


「「「キィィィィ」」」


 短剣を構えると、角兎が角を突き出し、私を目掛けて一斉に突進してきた。


 まず、1匹目が飛び出してきた。あわてて短剣を振り左に払うと角兎にヒットし、地面に転がった。それを横目に見ながら、

 2匹目も突っ込んできたので短剣を返しながら、振り上げるように振りぬく。短剣と角が打ち合って鋭い金属音が響き渡り軌道が逸れる。

 目前に3匹目が迫っていた。短剣が間に合いそうにないので腕当て(アームガード)で角を防ぐが、そのまま体当たりを受け飛ばされてしまう。


「きゃあぁぁっ!」


「相手の動きをよく見ろ、落ち着けば十分に躱せる速さだ!」


「はい!」


 ダメージは殆どなかったので、素早く立ち上がると再び短剣を構えた。


 入れ替わり立ち替わり、3匹の角兎たちが攻撃してくるが、それらすべてを短剣ではらい、躱しながら、攻撃を入れていく。

 ラムルの言う通り、集中して角兎たちの動きをみると確かにそれほど速くない、ラムルの速い剣戟を見た後では、むしろ遅く感じる。


 角兎たちは、攻撃が通らないので苛立ってきている様だ。攻撃が雑になってきている。


「そうだ、その調子だ!」


 角兎たちは、前足の爪で攻撃したり、後ろ足で蹴りを入れたりしたが、短剣と防具ですべて防ぎ続けた。


「よ~し、そろそろ、隙が出てくるはずだ。」


「はい!」


 ラムルがそう言うと、一匹の角兎が後ろ足で地面を蹴ると私に飛びかかってくる。


 私は短剣で角を弾き、角兎の動きに合わせて短剣を首筋に当てる。角兎は勢いを止められず、短剣が食い込んだのでそのまま全力で振りぬいた。


「わああああっっっっっ!!」

「ギィィィィッッ」


 角兎が、悲鳴のような声を上げ地面の上を2回3回と転り、止まったところで傷口から血を噴き出し絶命した。


「やった!」

「気を緩めるな。次が来るぞ!」


 短剣を警戒してか、残った2匹が左右に分かれて攻撃してきた。


「はあっ!」


 残り2匹、右から来る角兎の角を躱し、爪の攻撃を左の腕当て受けると同時に右手で角兎の頭を押おさえ、頭を踏み台代わりにして飛び上がると空中で1回転して着地、すぐさま振り返りった。その角兎は、バランスを崩して頭から地面にダイブし倒れ込んでいるのが見えた。もう一匹の角兎が、倒れた角兎を躱しながら接近しようとするが、それより速く、短剣で剣戟を見舞う。


「ギャゥゥゥゥッ!!」


 角兎が吹っ飛び、追い打ちをかける。2度3度と短剣を振るいその度に角兎が悲鳴を上げる。大きくバランスを崩したところで強めの一撃を打ち込む。


「はあっ!」


 角兎は仰向けに転がり動きを止めたので短剣を逆手に持ち替え、心臓を目掛けて振り下ろした。狙い違わず心臓を一突きにする。


「1匹だけに気を取られるな!」

「はい!」


 ラムルが警告する。後ろから、起き上がった角兎が、背中目掛けて角を突き出してくる。それを短剣を引き抜く勢いで後方宙返りして躱し角兎の背後を取る。角兎は向きを変えようとするが、それよりも速く私の短剣の突きが、角兎のわき腹から反対側のわき腹まで突き抜けた。


 角兎は崩れ落ち、その重みで自然と短剣が抜けた。その地面にゆっくりと血が広がっていく。


◇◇◇◇


「やったあぁぁ!! 倒したよ、ラムル!!」


 リンが何度も飛び上がりながら、喜んでいた。


「見事だったな、リン!」


「うん、ありがとう。でもなんでだろう。前だったら1匹の角兎の動きに付いていくのが精いっぱいだったけど3匹同時でも動きが見えたよ。たった2日の特訓でそんなにすぐに強くなれるのかな?」


「もともとお前の動きは出来上がってたからな。速い動きに慣れると同じ相手でも遅く感じるもんだ。」


「そんなもんかな~」


「そんなもんだ。お前に剣を教えた先生がよかったのだろう。だが、それでもC等級以上は危ないぞ。」


「うん、わかってる。」


「それより結構傷を負っているぞ。ヒールをかけるぞ。」


「うん、ありがとう。でも、大丈夫だよ。」


 そう言ってリンが、腰のホルダーから小瓶を取り出す。


「回復薬か?」


「うん、体力回復薬。自分で作ったの。見ていて、薬師の薬の使い方。」


「ああ。」


 リンが小瓶の蓋を引き抜き、魔力をこめていく。光とともに小瓶が空中に浮かび上がり、中から液体がひも状になって飛び出してきた。そして、リンの体を囲むように延びていき、傷のあるところで分岐して傷口を癒していく。最後にひも状の液体が弾け、霧状になると体に吸収された。全身にあった傷が綺麗になくなっていた。


「すごいな、回復薬というのは飲むものだとばかり思っていたんだが。」


「普通はそうだよ。でも、薬師は液体を直接扱えるの。そうする事で効果を倍にすることができるの。」


「なるほどな。」


「お父さんは、もっとすごいよ。一つの回復薬で何人も直すことができるんだ。」


 リンがそう言ったとき、頭の中にアラートが響いた。


(マスター、大変です!)


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