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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第二章 薬師に出会ってみよう
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第16話 元魔導士

「エレーサさん、有難うございました。おやすみなさい!」


 俺は部屋に入りそうエレーサさんに言って部屋のドアを閉めようとしたが、彼女が立っているため閉める事が出来ない。


「あのう、エレーサさん⁉」


「はい。」


 無邪気な笑顔でニコニコしながら、エレーサさんが見つめてくる。


「そこに立っていられるとドアが閉められないんですが。」


「あらあら、そうですね。」


 と言って、一歩、部屋へ踏み込み、ドアを閉めるとそこに立った。脚を揃え手を前で合わせ背筋を伸ばす姿は、フリル付きのエプロンもあり、まるでメイドのようにも見えた。


「エレーサさん?」


 俺は戸惑いながら、エレーサさんの名を呼んだ。


「はい。」


「え~っと、どうして部屋に入ってくるのでしょうか?」


「えっ、ここは私達の家ですよね?」


「ええ、そうですよ。」


「なら、私がこの家のどこにいてもおかしくないと思いますが?」


「いやいや、おかしいでしょう!」


「あら、どうしてですか?」


 エレーサさんが、こてと首をかしげる。


「人妻の貴方が、夜、男が一人でいる部屋に入ったら……」


 顔が火照ってきた、多分、酒のせいじゃなく赤くなっているのだろう。


「入ったら…。どうなるのですか?」


「それはですね…」


 その瞬間、エレーサさんの雰囲気が一変した。背筋に冷や汗が流れる。


「ラムルさん、もし、貴方が、主人やリンに何かするつもりなら…」


 そういった瞬間、エレーサさんが右手を掲げる。「ボゥ!」という音と共に掌に炎が吹き上がる。俺は生唾を飲み込んだ。


「ごくっ…、エレーサさん、魔法使いだったんですか?」


「魔導士です。これでも、昔はA級の冒険者っだったんですよ。一目見れば、ある程度の強さはわかります。貴方は、半端なく強いです。どういう意図があって、リンに近づいてんですか?」


「意図なんて何もありませんて。」


「しびれ薬!」


「えっ⁉」


「効いていないようですね?」


 俺は、ステータスメッセージを見てみる。


『スタン性薬物、摂取確認!』

『異常状態耐性。自動発動!』

『異常状態耐性発動成功!』

『スタン性薬物無効化確認!』


 知らない間に耐性が発動していた。


「貴方のグラスには、遅効性のしびれ薬の毒をぬっていたんです。そろそろ効いてくるはずだったんですが、貴方には効かなかったんですね。貴方はどこの回し者ですか?」


 エレーサさんが、炎を押し付けるように一歩詰め寄る。


「はあ?」


「とぼけても無駄ですよ!」


「別にとぼけてなんかいないぞ。」


「まだしらばっくれるつもりですか!」


「それならそれで、こちらにも考えがあります。」


 掌の炎が消えるとエレーサさんの体が光り始めた。


「世界の輪廻よ、廻り巡れ、黄昏し明星より来れ天界の門。聖転位セントトランスファー!!」


 天井に魔法陣が広がり、視界が白く靄に染まる。


「ここは⁉️」


 靄が晴れるとそこは草原だった。草原と青い空が何処までも無限に広がっていた。


「聖天界。ここなら、遠慮無く魔法がつかえるわ!」


 エレーサさんがそう言うとさっきとは違う呪文を唱え始めた。周囲の魔力がエレーサさんに収束していく。


「炎帝よ、我が身を焦がす炎よ、重き地に集い解き放ち、小さき激突のち灼熱と破壊の究極なる光よ、今ここに顕現せよ。炎獄!!」


 別の魔法陣がエレーサさんの足元に広がり、そこから炎が吹き上がり、エレーサさんの上空で球形に収束していく。


「エレーサさん!」


「炎獄の魔導士エレーサ・ベルトリッヒの最強魔法をこの至近距離で受けて立っていられますか? 炎獄・爆縮崩壊フレアバースト!」


「ちょ、ちょっとまってくれ!」


 球形の炎が、まるで太陽のように輝きを増し、その表面で小さな炎の爆発が起こっていたが、一度、ソフトボール大まで収縮をし、その後、四方八方に幾筋も細く長い炎が爆発的に伸びくのび始め、天を焦がすような勢いでどんどん広がっていく。

 やがて、お互いに絡み合い、細かった炎が編んだ縄のように太くなった。それは、まるで重力にひかれる様に、あるいは、無数の蛇が獲物に一斉に飛び掛かるように、縄の炎が一点に向けて飛んだ。その中心に俺はいた。


「くそ、こんなの食らったら一瞬で丸焦げだぞ!」


「くそ、アリス!」


(ラジャー、武器召喚自動実行!)

(召喚、防御障壁杭バリアパイル!)

杭固定(アンカーロック)!)

(対物対熱障壁バリアシールド展開!)

(冷却機最大出力!)


 空中に約1mの棒状の物が3本現れ、ラムルを中心とする地面の3点に勢いよく突き刺さった。

 その棒から3本ずつの足が出てきて地面に食い込み固定をし、スパークを放ったかと思うと六角形模様を持つ球形の透明な障壁が生成された。

 更に棒の下にある突起部分が廻り始め、透明な障壁が、白く濁り始めた。


 直後、縄の炎が次々と着弾する。しばらくの間、それが続き、辺りは粉塵と水蒸気でなにも見えなくなった。そして、酒の酔いが一気に冷め、アドレナリンが体中に回るのを感じた。


「なんて火力だ。地面が溶け始めているぞ。持つのか、これ?」


 今のところ、バリア内に影響は無かったが、薄っすらと見える外の景色は悲惨な状況だった。

 火炎が着弾する度にバリアが震えて、そこに白い波紋が広がっていく、それが既に数十回も繰り返された。やがて、あまりの高温に地面が赤熱化を始めていた。だが、その高温も障壁の内部までは影響を及ぼしていない。今のところは……。

 既に防御障壁杭の出力は限界まで上げていた。このままでは、エネルギーが切れて障壁が消滅してしまう。エレーサさんの攻撃が止まるのが先か、こちらのエネルギーが尽きるのが先か。


(全く、これが人一人で出来る攻撃なのか? 対艦攻撃砲並みの火力じゃないか。これが魔法なのか。)


 そう思っていると攻撃が止み、爆煙が晴れてきた。


◇◇


「はあはあ、大魔法の連続発動は堪えるわねえ。」


 私は、肩で息をしながら呟く。煙がゆっくり晴れていき、廻りの状態が見えてきた。

 そこには赤熱化した地面が広がり、所々にガラス化した溶岩が見えていた。

 

「えっ、うそ!」


 相手の状況を見て、目を剥いて驚いた。大火力の炎獄をまともに受けて傷一つ着いていない。


「そんな事があるの?」


 炎獄はすべての物を跡形も無く消し飛ばす極大魔法だ。対魔法結界でなら魔法の火炎は防げるかも知れないが、火炎が作る超高熱とそれによる酸欠状態は、回避不可能だ。対物理結界なら、そもそも魔法を防ぐ事はできない。


「いや〜、危なかったよ。もう少しで丸焦げになる所だったぞ。」


 ラムルさんが平気そうにその場に立っていた。まるで涼やかな風に身を任せるような、そんな感じだった。なんて化け物、こんなこと有り得るはずがない。


「あわあわ、なんで、あなたは平気な顔をして立っているのです?」


「そんな事はない、後、0.5(コンマ5)障壁バリアの展開が遅かったら、死んでたぞ。」


「う、もう、またそんな訳の分からないことを言って。なんか、腹が立ってきた。余裕を見せていると後悔するよ。、これでも喰らいなさ~い。四属性フォーアトリビュートランス連射ガトリング


 赤・白・黄・茶の魔法陣が背後に浮かび上がり、歯車のように回転して止まった。次の瞬間魔法陣上部に同じ色の光が収束をはじめ、光が拳ほどの大きさになると、魔法陣が高速で回転し、同時にそこから炎・氷・雷・石の槍がそれぞれが連続で射出された。


「おいおい、まだそんなのがあるのか?」


 ラムルは焦った様に言うが、簡単に初撃を躱た。ラムルを追って射線を微妙に調整しながら、攻撃を続けてるけど、


「う~、なんで、当たらないの?」


 私は焦っていた、この連射魔法は、燃費が良くない、大魔法2連発に続いて、この魔法を使い続けるには魔力が心もとなかった。


「これは、範囲攻撃なのよ。」


 ランス系の魔法は、本来、単体攻撃だけど、「四属性槍連射」は複数同時連続発動することで特定範囲を攻撃する魔法よ。


 どんどん、ラムルさんが近付いてくる。


◇◇


「おわ、危ないな。」


 俺は、魔法攻撃をなんとか、躱していた。炎の槍は熱気で、氷は冷気、雷は電撃、石は衝撃波をそれぞれの副作用で俺の動きを封じるように打ち込まれてくる。あとどれくらい続くのか判らないが、いずれ動けなくなる。


「なら!」


 俺は加速し、エレーサさんに近付いた。右に左に躱しながら、近付いていく。近付くにつれて、躱すのが段々と厳しくなってきた。


「くそ、やむを得ん。機神召喚! アーム!」


 光と共に白銀の腕が召喚すると、頭と胴をガードして一気に距離を詰める。


「えっ、えええ!!!」


 気が付くと、目の前にエレーサさんの顔があった。


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