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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
第二章 薬師に出会ってみよう
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第14話 魔物買取

 訓練場につくと何人かの冒険者がそこで訓練をしていて、暫くすると3人の冒険者が入ってきた。


「全員、場所を開けろ。今から模擬戦を行う。」


 副支部長サブマスターが、そう言うとそこにいた冒険者たちが、ぶつぶつ文句を言いながら、壁際に寄った。


「また、サブマスの嫌がらせか?」

「あいつらもサブマスの子飼いなんかやめて探索にでも行けばいいのに。」


 壁に寄った連中が何やら小声で呟いている。

 俺は訓練場の中央から、サブマスに声をかける。


「そいつらが相手か? やるなら、さっさとやろうぜ。時間の無駄だ。」


 それを聞いて3人組の1人がいきり立つ。


「なにぃ!」


「まあ、そうあわてるな。簡単にルールの説明だ。こいつらはBクラスだ。こいつらを相手に1対1でどちらかが、戦闘不能か降参したら終わりだ。誰とやるか選べ!」


「3人でかかってこい。ここにいる全員とやってもも負ける気はしない。」


「「「「なんだと!」」」」


 今度は全員が反応した。


「いい度胸だ、いいだろう3人で行かせてもらうぞ。いいな、サブマス?」


「いいだろう。大口を叩けるのも今のうちだ。」


「リン、お前は俺の後ろにいろ!」「はい!」と小声で言い合う。


 俺が、冒険者たちと対峙すると、副支部長とマリーンがベンチのところまで下がり、リンが俺の後方へ移動した。


「じゃあ、はじめろ!」


「うぉぉぉ!」


 斧持ちが、いきなり斧を振り上げて、襲い来るが…。

 斧持ちが右の、剣持ちが左の壁に激突、ローブの女の目の前に鞘に入ったままの刀を突き付けた。


 決着は一瞬だった。ローブの女は、限界まで目を見開いて突き出された鞘を身動もできずに凝視し、二人の男はそれぞれ右と左の壁に埋まって気絶していた。リンも含めその場にいた全員が唖然としており、特に副支部長は顔が青ざめていた。


「まさか……」


 静寂が、訓練場を支配していた。しばらくして、「まさか」とか「速い」「強い」といった呟きがかすかに聞こえてくる。俺の相手の第一印象は「弱い」だった。こいつら、本当にB級か? シェンラン、いや、大灰熊と比較してもかなり弱い。斧持ちが、突進で俺の気を引き、隙を見せたところで剣持ちが、襲い掛かる。それで仕留め損ねたら、後ろに控えていた女が、魔法で遠距離攻撃をする。と言ったところだろうが、遅すぎる。


「おい、副支部長!」


「な、なんだ。」


「ほんとうにこいつらはB級なのか?」


「ああ、そうだ!」


「弱すぎるぞ、なんか不正でもしているんじゃないか?」


「なにを馬鹿なことを…。くそ、こうなったらA級をぶつけて…」


「やめたまえ、サブマス!」


支部長ギルドマスター!」


 声のした方を見る。そこには紳士然とした男が立っていた。副支部長や冒険者とは違うがかなりの威圧感があり、只者ではない。


「それ以上、無様をさらしてどうなる。その者の強さを判らんか?」


「えっ!?」


「A級はおろか、S級でもでも勝てるかどうかだ!」


「まさか…」


 副支部長が何か言いかけたが、支部長は構わずこちらを向くと俺に話し掛けてきた。


「さて、ラムル君といったかな。私はこの協会を預かる支部長のゼルフェンだ。宜しく頼む。」


「あんたがここの一番偉いさんか?」


「そう言う事になるな。早速だが、君の大灰熊の討伐を認めよう。」


「はあ、証拠も見ずにえらくあっさり認めるんだな。」


「B級。油断していたとはいえ、彼らはB級なのだよ。それを一瞬で戦闘不能にするその実力。大灰熊の討伐を証明するには十分すぎる。」


「なるほどな、こいつらとあんたは違うわけだ。」


「むう、まずは謝罪させてくれ。すまなかった。」


 紳士然とした支部長は、優雅でありながら、油断のない気配で頭を下げた。


「それと、もしよければ、その大灰熊を買い取らせてもらえないか? それに他にも狩った魔物があればそれも買い取ろう。君ほどの腕だ、大灰熊だけということはあるまい。謝罪の意味も込めて買い取り金額は上乗せさせていただこう。」


「えらい気前がいいな。」


「当たり前だ。この町で君と対等に戦える者は、片手もいないだろう。それだけの者なら唾を付けたくなるのは人情ではないかね?」


「職権濫用ではないか。」


「いやいや、正当な職務だよ。腕の立つ在野の者をスカウトするのだからな。」


「俺は冒険者になるつもりはないぞ。あんたにこき使われそうだ。」


「まあそう言うな。しかし、私も慌てる気もないからな。まずは買取と行こうじゃないか。解体場へついて来てくれ。」


 こうして俺たちは、最初に入った広い部屋の解体場へ戻ることになった。支部長を先頭に副支部長、マリーン、俺とリンと続いた。


 解体場へ着くとさっきまで違い、作業員らしき者達が集まっている。


 俺は、どうしようかと思いながら、まず大灰熊をその場に出して様子をみる事にした。


「ほお、これは、」


 支部長が感心した声を上げ、その場にいた作業員たちも驚いている様だ。


「こんなに綺麗な状態の大灰熊を見るのは初めてだぞ。喉元を一撃かぁ、凄い腕だな。他には魔石を取り出した傷だけか、これほど傷がないとは。こりゃ極上だな!」


 作業員のリーダーらしきオッサンが大灰熊を検めながら、感嘆の声を上げ、横にいる作業員が何かメモを取っている。


「ラムル君、他には、無いのかね? あれば出してもらえると有り難いのだが。」


 支部長はそう言ったが、俺は迷った。森の奥から来た事をあまり知られたくないからだ。倉庫に入っているのは、協会で言うところのC等級を超える魔獣ばかりのはずだ。


(さて、どうしたものか)


 俺が、思案しているとまるで見透かしたように支部長が声をかけてきた。


「どうしたのかね。君なら森の深奥にいる魔獣を倒し倒したとしても不思議ではないと思っているのだが。」


「成る程、隠しても意味がないと言うわけか。本当にあんたは只者じゃないな。」


「いや、そんな気がしただけだ。深い意味はないよ!」


「わかったよ。」

(チッ! 腹芸の上手いやつだな!)


 と思ったが、口には出さず、魔虎タイガーファング魔狼フェンリルウルフを2頭ずつ、その場に出して並べた。


「なっ!? 魔虎と魔狼か。こりゃあ大したものだ。大灰熊も驚いたが、こっちは、それどころじゃねえな。ギルマス、こいつは何者なにもんだ?」


「私も今日初めて会ったのでな、詳しくは知らんな。」


「ついでだ、こいつも頼む。」


 支部長と作業員が何やら話をしていたが、追加で他の魔獣を出す。猪型、鹿型、兎型などの名前を知らない魔獣を11頭をそこに並べた。


「えっ!?」


 首を落とされたもの、一突きにされたものなどすべて一撃で倒したものだ。


「どれもこれも、一撃かよ。あんたの強さは本物だな。」


「まったく、ある程度は予測していたが、君には驚かされるよ。」


 呆れた声で支部長が言う。


「支部長、これだけの数だと査定に少々時間がかかるんだか。」


「むう、どれくらいだ。」


「そうですねぇ、30分もあれば大丈夫ですが。」


「そう言うことだが、ラムル君、少し君と話がしたい、良ければリン君と一緒に支部長室に来てもらえるかな?」


「どうだ、リン、お前は大丈夫なのか?」


「私はいいですよ。30分ぐらいならお父さんたちも大丈夫だと思います。」


「そうか。支部長、じゃあ、査定の間だけならいいだろう。」


「ん、じゃあ、こちらに来てくれたまえ。」


 こうして、なんやかんやで細かな査定をしている間、支部長室へ行くこととなった。


 俺たちは、今、協会ギルドの本部長室に来ていた。受付嬢のマリーンが、お茶を運んできて俺とリン、そして支部長の前にそれを置いた。


 俺は、用心してそれに手を出さずに話をしようとしていた。リンもそれに倣い静かに座っている。慣れないのか、かなり居心地が悪そうだ。


「そんなに用心して、緊張する必要はない。これは雑談だよ。それに毒など入っていないよ。」


「そうか。だが、わるいな俺はまだこっちに来たばかりだ。誰も信用していない。特にあんたは、得体が知れないので用心させてもらうよ。それに、リンはあんたみたいな偉いさんに会うのが珍しくて緊張している様だ。」


 俺がそう言って笑顔でリンの方を見るとリンは激しく首を縦に振って頷いている。


(紅茶の様だな、たしかに毒は……、ないな。)


 取り敢えず俺は、紅茶のカップを手に取り、香りを嗅ぐ振りをしながら、僅かに口の中に啜ると下の上で転がした。一応、異常状態耐性があるから大丈夫なはずだが念のためだ


「用心深いことだ。だが、それでいい。」


 支部長は、そう言うとニヤと笑った。背中に汗が流れるようなゾッとする笑いだ。


「マリーン君、あれをくれ。」


「はい、こちらですね。」


 支部長に言われて、マリーンが何かを支部長に渡した。支部長はそれを受け取ると俺の方に向いて、それをテーブルに置いた。それは金色のカードだった。


「これを君に渡しておこう。」


「これは?」


「見ての通り、金の冒険者カードだ。」


「冒険者にはならん、と言ったはずだが。」


「このカードは空のカードだよ。冒険者として必要な情報は入っていない。」


「どういう意味だ?」


「本当は君に冒険者として登録してもらいたいのだが、それを君がどうしても拒否をするのなら、この町に限り、君を冒険者として優遇しようと思っているのだよ。」


「え? そのカード、金ってことは、ラムルさんをA級待遇になるってことですか?」


「そうだ、マリーン君、冒険者について説明してあげてくれ。」


「はい、冒険者にはその実力、貢献度に応じてSSからEまでの7つの級分けをしています。SS、S、A、B、C、D、E、それぞれカードは、SSが黒と白金プラチナ、あと()()()()()()と色分けされています。Eから始まり、C・Dは、その功績に応じて、AとBは功績と人柄、実力など考慮して、面接、模擬戦で行ったうえで昇級を決定、S・SSは、それに加え、支部長の推薦を本部に送り、本部の昇級選考会を経て昇格が決定されます。」


「それは、おかしいぞ。俺をA待遇にするということは、少なくとも功績、人柄の考慮が必要なはずだ。実力はともかく、俺は、協会になにも貢献していないし、今日会ったばかりで、人柄など判る筈があるまい。」


「少しもおかしくはないよ。さっきの魔獣、あれは、かなりいい素材だ。魔狼と魔虎の毛皮や牙、他の魔物も傷がないのでいい素材になる。これで貢献は十分だ。人柄についても、私は見る目があると自負しているのだかな。」


「はあ……」


 俺は、深いため息をついた。こいつの言うことにおかしな所はない、本気で俺をA扱いにしたいようだ。


「君が冒険者にならないのならそれでいい。この町にいる限り君にデメリットはないからな。本来、冒険者に課せられる義務も君は関係ないことになる。ただし、依頼の受注は、B等級ランク以上魔獣の討伐のみにしてもらいたい、一般の冒険者が優先したいのでな。」


「まあ、あんたに施しをうけるようで気に入らないが、条件は妥当なところだな。」


「もし、気が変わったら、このマリーン君に言えば、すぐに登録しよう。」


「まあ、そんなつもりはないが取り敢えずこのカードは預かっておこう。」


「ああ、それとそのカードな、他の町では絶対使うなよ。」


「!?」


「もし、そのカードがほかで見つかれば、盗難か強奪だと思われるぞ。なんとはなるとは思うが、無用なトラブルを起こしたくはあるまい。」


「ああ、」


 その時、「コンコン」とノックの音が聞こえてきた。


「いいぞ、入れ。」


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