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六機神合体~異世界で6体のロボットを合体させてみよう~  作者: 八咫のマコト
序 章 戦闘中に異世界へ飛ばされてみよう
1/68

次元断層

初めての投稿です。

読んで頂けたら幸いです。

異世界に合体ロボットが出たらどうなるか、と思って書き始めました。(中々出てこないですけど。汗!)

宜しくお願いします。

 G.S.0221年(銀河星暦)、俺は戦闘人形(ドール)に乗って戦っていた。

 ここは、アルタイル星域 マルドゥーク宙域である。


 第三銀河帝国 防衛軍とアルデバラン連邦 連邦軍の戦闘が行われていた。



『左30、上40の方向から敵機3、接近中‼』


「確認した。フォトンライフル、対戦闘人形、シングルモード2」


 アリスの音声が響くと、俺はすぐさまモニターを確認、迎撃体制を整えた。

 敵の機体目掛けて戦闘人形を飛ばすと敵からの攻撃が襲ってきた。


 機体を旋回しながら敵の射撃を回避し、敵機に急接近すると、次は多数のミサイルのが発射され襲い来る。


「そんな、闇雲な攻撃にあたるかよっ‼」


 さらに加速をかけ、敵機の内、1機の懐に飛び込むと土手っ腹に向けてフォトンライフルのトリガーを引いた。風穴があいたと思ったら数瞬後に爆散した。当然ながら、その瞬間にはそこを離れ、俺はもう次の獲物に狙いを定め、残り2機をあっという間に片づけた。



 第三銀河帝国 防衛軍 第32遊撃艦隊 第54機動大隊 第7小隊に所属するパイロットだ。俺は今、帝国と領有権を巡る、アルデバラン連邦軍との戦闘の最中であった。


 自分でいうのもなんだが、撃墜王の名を持つエースパイロットであり、今日の出撃でも20機を超える撃墜をマークしていた。


 戦闘人形とは、全高10m程の汎用人型機動兵器である。さまざまな戦闘状況に合わせて多数の武器、兵器を装備し、空間戦闘、地上戦闘から果ては高重力下にても活動可能な兵器である。人が搭乗しAIによるサポートを受けて行動をする。


『マスター、作戦終了です。敵、戦闘人形部隊は撤退しました。』


 モニター横の音声ゲージを振りながら音声が聞こえた。AI:アリスである。


 アリスはこの戦闘人形ルミナスの機体制御用のAIであり、型番がAL3であることから「アリス」と名付けた。地球西暦時代の児童文学の主人公から取った訳ではない。


「ふう、終わったか。帰ったら機体を洗って一休みだな。」


『マスター、その前にレポートの報告が残ってますよ。』


「えぇ~、休ませてくれよ。一休みしたら必ずやるからさぁ~」


『甘えてもだめです。マスターは一度休むとなんだかんだと理由を付けてやらないじゃないですか。』


「そんなことはないぞ。前の出撃の時もチャンと3日後には仕上げたじゃないか。」


『それは、隊長に言われて、さらに監視員までをつけられて…』


 アリスが、言葉を続けようとしたとき、隊長からの通信が入った。



『こちら、スェーミリーダー。敵部隊撤退確認。全機、速やかに帰投せよ』


「了解、これより帰投する」


 通信用スピーカーから、隊長の声が聞こえたので、すぐさま返答した。


「聞いての通りお仕事だ、アリス。話は、帰ってからだ。」


『ラジャー、仕方ないですね。帰ってからゆっくりお話ししましょうね。』


『自動帰投システム起動。マザーとリンクします。』


 アリスの小言が、中断したのにほっとしながら、俺は思った。


(アリス(おまえ)は[おかん]かっ。AIのくせに妙に人間臭いんだよな。本当は誰が入っているんじゃないのか?)


『マスター、何か変なこと考えていませんか?』


「っ⁉、い、いえ、変なことなんて何も考えていませんよ」


『そうですか~ぁ、あ、リンク完了。帰投軌道に入ります。』


 馬鹿なやり取りをしながら、アリスが帰還までの作業をすべてやってくれる。


(そこっ、「AIが馬鹿なやり取りをするかぁ」とか突っ込まない。この時代のAIは優秀なのだよ。汗っっ!!)


 ここまで来たら、俺のやることは何もない。機体のサブコンピュータ帰投までの作業を自動ですべてしてくれる。


 その筈だった…

『ガコンッ!』機体が鳴った。

(なんだ、何かぶつかったのか)

 機体モニターには異常は見られない。


『軌道がずれました。何かに引っ張られているようです。状況解析に移ります。』

 すぐさま、アリスが解析に移ったようだ。


『原因不明の引力波を感知、重力波・磁力波は発生しいていませんが、後方の空間が揺らいでいます。そこへ引っ張られています。』


「引力が発生しているのに重力波も磁力波も感知できないということか?」


『そうです。』


「もしかして、敵軍の新兵器か?」


『不明です。現状を仮定できる条件を満たす理論はインストールされていません。』


「脱出はできるか?」


『現時点で機体に問題ありませんし、スラスター出力は、ほぼ全開ですが、軌道復旧できません。』


(何が起こっているのだ。引力があるのに重力も磁力もないというのか?)


(こいつのスラスター出力はかなり強力だったはずだが。)


(このままでは、燃料切れで身動きができなくなる。)


 俺は意を決し、非常時以外に使わないオープンチャンネルで隊長に通信を入れることにした。


「アリス、オープンチャンネル通信だ!!」


『ラージャ、通信チャンネル、フルオープン。』


「マザーへ計測データの転送はできているか?」


『問題ありません。』


「7・02(セブンオーツー)よりスェーミリーダーへ」


『おうっ、スェーミリーダーだ。どうした?』


「原因不明の引力の発生により、帰投軌道に入れません。スラスターは正常ですが、役に立ちません。」


『なんだとっ!!』


「救難信号を発信。燃料保持のため本機は、非常待機モードに入ります」


『わかった。補給が終わったら、必ず助けに行くからな。死ぬなよ!』


「申し訳ないですが、お願いします。」


 そう返答した瞬間、『ビィー、ビィー』と耳障りなアラートがなった。



『異常警報、先ほどの空間の揺らぎがドンドン大きくなっています。後、30秒程で次元断層が開きます。』


「予定変更だ。可能な限り全スラスターを後方へ回して、出力全開だ。次元断層に飲み込まれたら助からないぞ‼︎」


『ラージャ、これより、緊急脱出シークエンスに入ります。

 腕部、及び、脚部スラスター後方展開。

 全非常用ジェネレーターバイパス接続。

 機関出力臨界点まで上昇。

 全スラスター限界出力、オーバードライブ‼︎‼︎』


 アリスの制御により、戦闘人形(ドール)は腕と脚を後方に真っ直ぐ伸ばした姿勢で最大限を越えた限界までスラスターを噴射し、次元断層になろうとしている揺らぎの引力から、逃れようとしたが、紐を括り付けて引張られる様に徐々に引き寄せられていた。


『ダメです。離れることが出来ません。寧ろ引き寄せられています。次元断層、開きます‼』


「くっそうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


 戦闘人形(ドール)の後方の空間に直立に見える薄黄色の円状の模様が現れ、それに重なるように宇宙空間の闇よりも更に暗い空間が覗いていた

 戦闘人形(ドール)の機体が足からゆっくりと次元断層に吸い込まれ始めた。


『スラスター機能、停止しました。』

 アリスがそう宣言すると先ほどまでの噴射が停止した。


『通信障害です。マザーとのリンクが切断されました。通信機能停止。』


『サブコントロールダウン。外部から何らかの干渉を受けています。干渉の原因は不明。』


『火器管制、姿勢制御、情報通信管制の各システム稼働を停止しました。』


『マスター、申し訳ございません。わたしもぅ…………』


 アリスの声が次第に小さくなり、やがて聞こえなくなった。


「くそう!!」


 俺は、歯噛みしたが、機体は停止し、アリスまでが止まり、すべてのモニターやランプ類も消え、戦闘人形は一気に断層に吸い込まれた。俺の目には、暗い闇が広がっていった。


 そしてその後すぐに視界が真っ白に染まりそのまま意識を手放した。


序章 了


お読み頂きありがとうございます。

週一で投稿出来たらと思ってます。

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