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クリスマスを控えた一人のサンタクロースの話です。良かったら、読んでみて下さい!
世界が白銀に染まって一ヶ月と少し。小さなログハウスに声が響き渡る。男女の騒がしい声が冬の澄んだ空気に消えていく。
「クリスマスによその子幸せにするってどうなのよ!私一人も幸せに出来ないくせに!」
「いや、そんな事言われても……。給料減るし……。これでも一応、公務員だし……」
「まったく!そんなんだから貧乏くじ引くのよ!」
…と、なんだかご立腹な女の子は俺の恋人、ゆきだ。どうやら、クリスマス当日に俺が彼女の傍にいてやれない事に怒っているらしい。ホント、どうしたものか。
「もう!なんとか言ったらどうなの!本当、そんなんだからあんたは貧乏くじを…」
まずい。なんか泣き出しそうになっちゃってる。
俺はゆきを宥めるように言う。
「…うん。わかってる。クリスマス当日に一緒にいられないことだよね?それは本当にごめん。仕事が増えちゃって…」
「…そ、それだけじゃないわよ!」
と、彼女は勢いよく椅子から立ち上がり、部屋のドアをこれまた勢いよく開けて出て行ってしまった。
「…怒らせちゃったかな……」
俺は少し伸びをして、明日からの仕事に備える事にした。後ろめたいけれど、今はこうするしかない。
クリスマス当日まで、あと三日。
クリスマスまでにどうにか完結させようとしていますが、どうやら、間に合わないような気がします。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます!次回もお願いします!