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前世の記憶を持つ天才薬師  作者: 覡
第1章 幼少期
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異世界

ヴァンパイア。吸血鬼。他種族の血を吸い栄養源とする魔族。

不死と呼ばれ陽の光を嫌いネズミや虫、霧に変身して棺から抜け出す。

高い魔力を持ち、高度な魔法技術を持つ。


と、いう情報をヴァンパイアである母親、アンに教えて貰った。


母親がヴァンパイアだった。ちなみに、父親は人間だ。

つまり俺はヴァンパイアと人間のハーフだった。

母親曰くこの街では珍しくない様だ。


しかし驚きというのは連続するもので、魔法だけでなく魔族までいるとは。

しかも口調からしてヴァンパイアだけではなくそのほかの魔族や魔物もいるようだ。


異世界。


そう、俺は異世界で第2の人生を始めた様だ。

生後半年、ようやくその事実を知った。

なるほどなるほど、じゃあここはヨーロッパでは無い。

そしてこの言語も勿論異世界語だ。そりゃ分からんわ。


うん。


驚いたけど、驚いたところで何も変わらないし、別に困ってもない。

じゃあいいか。魔法使って薬作ってこの人生を楽しめばいいんだ。それだけだ。


「お母さん、僕魔法覚えたい、です。お父さん、僕お薬、作りたい、です。」


幸いやりたいことのスペシャリストが目の前にいる。ではできる限りやってやろうではないか。


こうして、俺は1歳の誕生日を迎える前から母親による魔法の訓練と、父親による薬の授業が始まったのだった。



母親はこの世界でも指折りの大魔術師、父親はこの国の王様御用達の天才薬師だったことを知るのは、随分あとになったが。



2人の教育が始まって、月日が流れ、俺は5歳になった。


薬師としての成果はまずまずだ。

家の前の森にもチェスターと一緒に入るようになり、薬草を実際に手で摘むこともしている。

目の前の森は北西の森と呼ばれていて、エルフや妖精、小人族などが住んでいるらしい。

言語が違うようで意思の疎通はできない。また、人族とは仲が悪いようなので出会ったらスグに逃げろと教わった。

そんな危険な森だからあまり人は入らない。でも薬草は沢山生えているため俺は意気揚々と入っている。


魔法も簡単なものは使えるようになった。

魔法は原理を理解してしまえば誰でも使えるもので、初めて使った水を始めとし、簡単なものは全てが化学式で起こせるものだった。

魔力もヴァンパイアの血が流れているからか通常の人間より多いらしい。

そして、使えば使うほど魔力は上がる。精度も上がる。

そんなわけで俺は毎日魔法の練習もした。


午前はチェスターと共に薬草の採取、昼が過ぎたらアンに魔法を教わり、夕飯のあとは薬草作り。

毎日が充実していた。

そんな生活をしていたせいで友達は居ないけれど、前世でもそうだったし苦ではない。

むしろ好きなことだけやれるなんて幸せ過ぎた。

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