表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世の記憶を持つ天才薬師  作者: 覡
第2章 学園編
32/32

顔合わせ

「保健委員長?どうしましたか?」


席を立った俺の裾を摘んだのは保健委員長だった。背筋を曲げることなく、背もたれに背をかけるでもなく、とても綺麗に座っている先輩。


「あ、ごめんなさい……。」


不思議に眺めていると保健委員長は顔を赤らめ手を離した。

どうやら人見知りが激しいらしく、唯一話せるであろう俺が隣からいなくなるのは心細いようだ。

まずは横の繋がりを作ることが目的となっているこの会議。

ウーズリーは後で教室でも会えるため1度放置しておくことにした。

違和感を覚えたと言っても、笑っているし大丈夫だろう。


他の生徒は横の生徒と軽く談笑をしつつ、生徒会長(キング)の様子を伺っている。

この授業時間をまるまる雑談に使うなんてことは無いだろうし、それまでの場繋ぎのような感覚だ。

フランは少し居ずらそうで、やはりというか、隣の生徒とは話していない。時折、生徒会長(キング)に話し掛けられ、それに一言返すのみだ。


「フラン」


普段のフランはもっと明るくて元気だからか、見ていられなくなりこちらに呼ぶ。

フランは顔を上げて へへへ と少し恥ずかしそうにはにかんでからこちらへ移動してきた。

保健委員長も最初こそ戸惑ったけれど、来るまでに少し会話をしたからかすぐに馴染んだ。


「保健委員長も図書委員長も、適任なふたりが着いてくれて安心しました。」


会話の中で少しだけふたりを持ち上げて、親交を深めつつ2人の性格を探る。

保健委員長は 私なんて、と謙虚であるが、褒められたことには感謝を伝え喜びを表現してくれた。

図書委員長、フランは俺が生徒会じゃなかったら俺だっただろうって言ってた。フランはそれでも頑張るぜ、と歯を見せる。


「さて、中も深まったところで今日の話し合いをしようか。」


しばらくして生徒会長(キング)が発言する。

どうやら自分だけあまり人と話せていなかったようで、つまらなかったのかもしれない。


「今日は他委員長との交流がメインとなるが、他にもう2つほど決めたいことがある。」


そう言って生徒会長(キング)は手をピースにし体の前に突き出した。

決めたいこと2つ。

1つは全校生徒の前での公式発表。これは委員会への有志を募る為と、委員会という組織を浸透させるためだ。

そして2つ目は集まる頻度。各委員会はそれぞれ決めてもらうとして、委員長と生徒会の集まり、つまり今日のような会議をいつ行うかだ。

今日は昨日のお茶会で唐突に決まったものたが、いつもこうでは困る。


「と、言うことでもう一度席に着いてもらって話し合いをしよう。」


胸の前で手を組み直し、生徒会長(キング)はキングらしく席に着いた。

その言葉に俺達も各自席に座り直し円卓の中央を見る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ