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前世の記憶を持つ天才薬師  作者: 覡
第1章 幼少期
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魔法

ハイハイができるようになった頃、言語もだいぶ覚えカタコトではあるが喋れるようになった。


あぁ、そう。

恥ずかしながら前世で育児をしたことがなく、子供の成長過程を知らないが故早いのか遅いのかは分からないが、ハイハイ出来るし寝返りも打てるし、ようは動き回れるようになりました。


初めて母親をアンと読んだ時には、喜びながらお母さんだよ、と母親の単語を教えて貰えた。

それから母親のことはお母さんと呼んでいる。

それから、自分の名前も教えてくれた。想像通りシアンと言うらしい。

また、その由来は両親の名前から来ているようで、母親のアンと父親のチェスターの名前も覚えた。


「お父さん、仕事、おくすりです?」


アンの裾を掴んでチェスターを指さす。

アレが薬作りなら大きくなってから是非手伝わせてほしいものだ。


「あら、よくわかったわね。シアンは物知りなのね。」


そういってアンは俺の頭を撫でてくれる。

なるほど、やはり薬師であったか。素晴らしい。


「お母さん、は?」

「んー、お母さんは魔術師だからお薬は作れないの。シアンも将来は、どちらかの跡を継いでくれるのかしら。」

「まじゅ、?」

「そうよ、昔は魔法を使って世界中を旅していたの。シアンもお母さんの子だから魔法が使えると思うわ。」


魔術。魔法。それは俺の知識では、例えばアニメや漫画の世界で何も無いところから水やら火やらを出すアレなのだけれど、それはどう言ったものなのだろう。お母さん、詳しく。


「お母さん、魔法、見たいです。」

「あらあら、そういえばシアンはまだ見たことがないのね。ほら、こうやってね。」


そう言ってアンは指先から水を噴水のようにピューとだした。


「お水はね、空気中にあるお水の元と、私たちが吸っている空気の元をくっつけてあげると出来上がるのよ。」


ふむ。つまり水素原子と酸素原子だろうか。

たしかに水はそのふたつが共有結合で結びついたものだ。しかし原子をパパっと操れるものなのだろうか。


「あはは、シアンにはまだ難しいわね。そのうち出来るわよ。」


アンはそう言って俺を抱き上げた。

化学性質だけ言われたって知っているし、そうじゃなくてその結び方を知りたかったが…いや、しかしこの第2の人生には魔法がある。

とても興味深いものだ。むむむむ…。


「え、シアン?!」


水を作りたいと力んだら、出来た。

流石に母親も生後半年の息子が魔法を使ったことに驚いているようだ。というか、俺が1番驚いてる。


「キャー!シアンさすがね!流石私の子だわ!!ねぇあなた!ヴァンパイアの血はダテじゃないのよー!!」

「待ってくれアン、今はそれどころじゃ…」

「それどころなのよ!シアンが魔法を使ったの!」

「何!?本当か!?シアン、もういっかいやってくれ!」


バタバタとうるさい両親のおかげで俺は落ち着きを取り戻した。

とりあえずもう一度。酸素原子を水素原子で挟むイメージを頭に作り、お水出てきてって念じる。


「おおぉ!!!」


水、出た。まだチョロチョロとしか出てないけれど、出た。すごい。


いや、ちょっと待って、魔法もすごいけど…


「お母さん、ヴァンパイアって、なに、ですか?」

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