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前世の記憶を持つ天才薬師  作者: 覡
第2章 学園編
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校内案内2

再び図書館をあとにした俺らは図書館を出てSクラス寮側に歩く。

図書館のすぐ隣に、生徒会庭園があるのだ。


こちらは普段、生徒会のメンバーとその弟子しか入れない。が、入学したばかりの生徒はこの構内案内で特別に足を踏みえれることが出来るのだ。

ちなみに、生徒会は生徒会長(キング)生徒会副会長(クイーン)会計(ジャック)書記(エース)の4人で編成されており、その4人は弟子を1人従える。そして、卒業後はその弟子にあとを継がせるのだという。

つまりひとつ下の学年の弟子をとれば次のその地位の人は最上学年で就任、一年後には卒業となる。逆に、年の離れた学年から弟子を取れば、卒業したあとずっと直属の弟子にその地位を任せられるのだ。

そして、生徒会は基本的にはSクラスの生徒がやる。弟子にAクラスの者がいたとしても、就任する時までにSクラスになればいい。


と、そこまで先生から説明を受けて、園庭の入口をくぐる。

草木で作られたアーチを潜り、先に続く道を進むと白い修道院のような建物が現われた。

その周りには綺麗な花畑があり、建物から少し離れたところに丸テーブルと4つの椅子、その上に白い綺麗な屋根がある。


建物の扉が開き、白いローブを着た男性がでてくる。金色の髪にウェーブのかかった短髪の男性だ。


「はじめまして、生徒会庭園へようこそ。私は生徒会長を務めております、5年Sクラスのカナメ・アッシュリーと申します。」


丁寧なお辞儀で出迎えてくれたのは生徒会長だった。俺らもそれに習って挨拶をする。


「おいキング待てよ!」

「そうですわ!私たちを置いていかないで来んなまし!」


会長の後ろから階段を降りてきたのは猫耳の白い毛並みの喧嘩早そうな男性と、ピンクのふわっとした髪の長い色白な耳長族の女の子だった。

2人とも白いローブを着ている。


「2人とも騒々しいですよ。失礼、高くからご挨拶致します。生徒会書記を務めております、4年Sクラスのジャン・オックリーです。」

「なっ、エース!俺が先に挨拶しようとしてたのに!」


その2人のさらに後ろから、書記の先輩が降りてきた。黒髪を後ろで縛り、黒縁メガネをかけたインテリっぽい男性だ。


「ほらほら、2人も挨拶して。」


会長が促すと騒がしかった2人は背筋を伸ばしこちらを向く。


「3年Sクラス、ナタリー・ワトソンよ。クイーンですわ。」

「キース・T・ジーメンスだ。同じく3年、ジャックを務めている。」


よろしく、と2人が揃ってお辞儀をしてくれる。

先程と同じように俺らも挨拶をした。


「さて、生徒会メンバーはこれで全員よ。今は授業で居ないけれど、私たちの弟子はまた後程紹介するわね。」


クイーンのワトソン先輩の言葉にジャックのジーメンス先輩はニッと笑い胸をはる。ワトソン先輩もふわっと笑った。

後程、というのは各クラスごとの学年顔合わせのときだろうか。


「後程ってのはな、お前達には生徒会に入ってもらうからなんだ。」

「そう、入学したばかりで申し訳ないのだけれど、私たちには弟子がいなくてね。」


俺の考えを読んだかのようにジーメンス先輩が答えてくれて、そこに付け足すようにエースのオックリー先輩が言う。


「ええと、オックリー先輩の弟子がいない、ということですかね。」

「あぁ、私は就任したばかりだからね。去年先代が卒業してしまったから。」


弟子だったオックリー先輩が卒業した先代の枠に入ったから生徒会書記の弟子枠が空いた、そこにに誰かが入らないと跡継ぎが居なくなってしまうのか。成程。

Sクラスから基本選ばれるということで、俺とウーズリーのどちらかがそこに入るという事になる。


「ちょっとウーズリー。」


ウーズリーを呼んでこしょこしょばなし。


「俺生徒会とかやりたくないんだけど。」

「あら、じゃあ私が書記の弟子入りすればいいの?」

「ウーズリーはそれでいい?」

「生徒会長は明らかに大変だし全校の模範にならないといけないから少し気が引けるけれど、書記ならば全然いいわよ。寧ろ卒業後の名声になるわ。」


ウーズリーは潔くOKしてくれた。ラッキー。


「では先輩。ウーズリーが書記の弟子に着きます。」

「おぉ、2人で話し合ってくれたのか。私としてはどちらでも期待しているし、ではウーズリー、よろしく頼む。」

「えぇ、オックリー先輩。よろしくお願い致します。」


ウーズリーとオックリー先輩が握手し、無事にウーズリーは書記弟子となった。


「では、会長の弟子はバークリーがやるんだな。」


ジーメンス先輩が俺の肩をばしばしと叩く。

え?会長?


「よろしく頼むよ、バークリー。」

「え、いや、あれ?」


訳が分からない俺にウーズリーが近付いてきて耳元で言う。


「さっきオックリー先輩は私達って言ったでしょ。でもワトソン先輩とジーメンス先輩は弟子がいる。なら、あといないのは会長しかいないじゃない。」


ふふふ、と笑いながら、会長は嫌とさっき言ったわよね?と言ってくるウーズリー。目が笑ってない。


「う、あ、はい。よろしくお願いします。」


もう、拒否権はないようだった。諦めて次期会長として頑張ります。

それにしてもウーズリーめ、ハメやがったな。

会長は全生徒の模範生徒。やることも多そうだった。


「あぁ、そうだ。」


と、アッシュリー先輩が思い出したかのようにゴソゴソと何かを取り出す。


「学年章。渡し忘れてたね。」


そして、取り出したソレを俺とウーズリーに渡してくれた。星型のバッチだ。

説明によると、この星の数で学年が分かる。進級試験に合格するとひとつ貰えるようだ。

そして入学直後はここで生徒会長が渡す。


「ローブに付けてね、こんなかんじで。」


アッシュリー先輩が胸元に5つ着いた星のバッチを見せてくれた。

それに習って俺達も胸元にひとつ星をつける。


「改めて入学おめでとう。これからよろしくね。」


バッチは1種の儀式の様なもので、これを付けたことにより、この学校の在学生徒だと証明される。

俺達は先輩方にお礼を言い、そして星の形をしたバッチをぎゅっと握った。

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