第二位 茅田 砂胡 「レディ・ガンナーの冒険」
【あらすじ】
この世界には、人間と、異種人類が共存している。異種人類は、多くは人から獣へ変化する能力があり、人間とは違う文化・生態を持っていた。
主人公のキャサリンは、人間のお嬢様。幼なじみの少年の窮地を知り、それを助けるため、メイドのニーナとともに旅に出る。しかし道中は苦難の連続。
そこでキャサリンは、護衛を生業とする異種人類たちに出会う。不思議な彼、彼女らと目的地を目指すキャサリンの冒険。
「二位はこれです!」
「表紙からして、勇ましそうなお嬢様ですね。タイト
ルも」
「まさにその通り。主人公のキャサリンは、まだ十四才で、すごく正義感が強いんだよね。差別や理不尽は許さない! 自分はお嬢様で、そういう世界とは無縁で来たからこそ感じるのかもしれない」
「口調は丁寧ですね」
「そこもいいよね。強い者にも果敢に立ち向かっていくんだけど、その相手に対しても、『〜ですわ』みたいな口調なんだよね」
「で、いいながら拳銃使っちゃうんですか? ギャップありますね」
「そんなにドンパチやるアクション小説じゃないから。メインは、不思議な異種人類達との関わりだからね」
「狼男みたいな感じですか。異種人類って」
「変身するって意味ではそうだけど、ちょっと違う。狼男は月夜に変身するけど、異種人類は自分でコントロールできる。人型のときと変身後のギャップも面白いんだ。ちなみに爬虫類系は、美形が多い」
「爬虫類も出てくるんですね…」
「嫌そうな反応だね。でもわかる。この作品のキャラでも、爬虫類すごい苦手な人出てくるから」
「他にはどんな感じの異種人類がいるんですか?」
「鳥とか、虎や熊とか、猫もいる。作者はもふもふ系が好きらしく、その描写がうまいね。特に人間と異種人類のハーフであるインシードの変身後の描写が鮮やか!」
「ハーフもいるんですね」
「キャサリンと旅する護衛の人達は、ほとんどインシードなんだよ。そのキャラが良くてね! インシードの中でも特別で、姿も能力も個性的なんだ。鳥と爬虫類と人のハーフとか、虎と狼と馬と色々ごちゃまぜとか」
「そうなると、変身後はどういう姿になるんですか?」
「えーとー、…それは読んでのお楽しみ♪」
「逃げましたね」
「逃げてないもん! 読んでから楽しんでもらおうと思ってあえて言わなかったの」
「わかりました。続きをどうぞ」
「…そうあっさり言われるのもなんかな。まあいい
や。ともかく、異種人類の描写が魅力的で、私はこの作品、ジブリでアニメ化してくれないかなーと密かに思っている」
「ジブリ!? 大きく出ましたね」
「わかってるよー。ただの妄想だよ! でも不思議な異種人類たちをジブリの色彩で見てみたいんだよね」
「ライトノベルをジブリでですか…」
「ラノベだけど、けっこう評価は高いみたいよ。前に何かの雑誌で作家の新井素子さんがこの作品を取り上げてて、私はうれしかった」