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喜楽堂書店通信  作者: 香南
カッコイイ女性が出てくる本
2/8

第五位 北村 薫 「スキップ」

【あらすじ】

 高校生の真理子が目覚めると、見知らぬ部屋にいた。そこに現れたのは、同じく高校生の見知らぬ少女。ここはどこかと尋ねる真理子に、彼女は怪訝な顔をする。「ふざけてるの? お母さん」

 二十五年後に突然飛んできてしまった真理子が、今を前向きに生きようとする姿を描く物語。


                               


「というわけで、五位はこの本です」

「発売は二十年くらい前…けっこう古いもの出してきましたね」

「そんなに前のやつなんだ? 私この本好きでさー。普段図書館で借りるんだけど、これは買った。久しぶりに読み返しても、いいわー」

「でも五位なんですね」

「うーん、雰囲気がかっこいいっていうイメージとちょっと違うから。生き方っていうのかな。それがすごい」

「タイムスリップものなんですよね?」

「それが微妙でねー。少なくとも、バックトゥザフューチャーみたいなものではない。もとの時代に戻るのではなくて、理不尽な現実を受け入れて、今をどう生きるかっていうことを書いてるんだ…と思う」

「シリアスな感じですね」

「でも暗くはないよ。この作者は、言葉の選び方がしゃれてるの。落語的って言うのかな。だから読みやすい。主人公の心情になると、かなり厳しい現実なんだけど、ユーモアもあるところがいい」

「あらすじ見ただけですけど、確かに厳しい設定ですよね。高校生だったのに、朝起きたらおばさんになっちゃったってことでしょう?」

「そう、そうなんだよ! 特にこれ女性はきついと思う。作中にお風呂入る場面があるんだけどさ、おなかの肉をつまんで…こう…」

「それは男性でもわかりそうですね。メタボのおじさんとか見ると、自分もああなるのかと」

「さすがにその心配は早過ぎでしょー」

「努力はしたいです」

「努力と言えば、主人公の真理子の努力家なこと!この人は高校の先生をやってるんだよね。で、こんな事態になっちゃったけど、日々は続いていく訳で。だから、これまでの十八年の知識や経験をたよりに、先生をやろうとするんだ」

「…無理あるんじゃないですか」

「そう思うんだけど、その過程がリアルに描かれていて、説得力あるんだよね。作者は昔国語の先生してたらしいしね」

「ああ、それなら良さそうですね」

「あと、真理子の旦那さんも教師だから」

「…旦那ですか…。ちなみに、高校生の頃の真理子さんには彼氏とかは?」

「いない。女子校だし」

「それで目覚めたらいきなり娘と旦那さんが?」

「そう!」

「それは…きついですね」

「あ、ちょっと今読むのしんどそうとか思った? さっきも言ったけど、笑える場面あるし、旦那も娘もすごくいいキャラだよ。ハートウォーミングストーリーだよ!」

「なんか横文字使うとますますうさんくさいんですけど」

「いやでもほんと前向きになれるいい本だから! 青春学園ものの要素もあるし」

「そうですか。じゃあちょっと読んでみます」

「見てみてー。この小説は、かなり女性心理がよく出てるから、男性が読んでどう思うかも是非知りたいね!」

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