伝説のあの人 前編
怒涛の連載が、始まらない
六月にもなると雨の日が多くなり、気分も沈んだりする。
それが、普通の状態なのだろう。だが……
「で、伝説が、伝説のあの人が……」
「……も、もしかして……?」
「伝説のあの御方が今日部活に来るみたいです!」
という薫さんの一言により、我々文芸部のテンションはMAXになっていた。
「美咲さん!」
「は、はいっ」
「信と一緒に部室、きれいにして! ひとつの塵も埃も許さないから!」
「り、了解です」
よし。あとは買い物……は多分アイツが済ませてるだろうから、全部員の召集かな?
「薫さんは一応全部員に召集をかけてください」
「了解です」
そう言うと薫さんは伝書鳩を取り出して窓から飛ばした。
機械音痴の薫さんだけれど、それ以外は完璧なので携帯を使うメールではなく鳩を使う手紙を採用している。
程なくして、伝説の人を除く全部員が集まった。
「泉、買い出しは?」
「問題ない。全て済んでいる」
「先輩、精霊さんたちの様子は?」
「大丈夫。むしろいつもより楽しそう」
「では、これより状況を開始せよ」
「「「ラジャー」」」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
そういって水を差してきたのは美咲さんだった。
「どういしたの? 美咲ちゃん」
薫さんがニコニコしながら尋ねる。
「どうしたもこうしたもないですよ! 泉さんって誰ですか! あと妖精ってなんですか!」
「精霊ね」
「うるさいです先輩」
わざわざ丁寧に教えてあげたのにこの返しだよ……。
「あとは薫さん、お願いします……。他の人は作業に移って」
美咲さんには先輩を敬う気持ちってものを養って欲しいと思う。切実に。
今日中に書き上げるのは無理ですね……