という、オチ
新キャラは、登場しません。
「先輩!」
「……ん? なに?」
「この作品、タイトル詐欺じゃないですかっ!」
「えーっと……タイトルってなんだっけ?」
「部室争奪戦です」
「いや、そっちじゃなくて」
「……?」
「タイトルの定義」
「えっ!? まさかのそっちですか!?」
「逆にそれ以外ないと思うんだけど……」
「この作品のタイトルのこと以外ないと、私は思っていましたけどね!」
「さ、こんな茶番はさておき」
「茶番!? 先輩今茶番って……」
「僕、しゃべりたくないからあの二人に任せようか」
「え、ちょ、まって……」
「よーしお前たちよく聞けよ? 今からナイスな女教師が授業をするぞ?」
「あのう……先生……」
「ん? なんだ宮下?」
「結婚できてないのにナイスとかアホじゃねぇの」
「てめーいい度胸してんな宮し……」
「と、しゅんくんが言ってました」
「いや、どう考えても今のはお前の言葉だからな!?
とってつけたようなフォローとか無意味だからな!?」
「だいたい、私しかいないのにお前たちって、アホじゃねぇの」
「ホントいい度胸してんな、オイ」
「と、しゅんくんが……」
「もう通じないからな!? いや、さっきまでも通じてなかったけどな!」
「……チッ」
「おい宮下、お前私のことなめてんのか?」
「いえ……。ただ、急に授業とか言い出したんで……」
「バカじゃねぇのってか?」
「いえ、私の使命に似た何かが果たせなくなっていくなぁーと。それから先生」
「ん? なんだ?」
「バカじゃなくてアホです。
そんなこともわからないなんてやっぱりアホですね」
「どっちでもいいからね!?」
「とまぁ、これは私の意見なのですが」
「宮下ぁぁー!!」
「はい、というわけで、こんなのがこの作品だ」
「ちょ、説明にすらなってませんよ先輩!」
「いいんだよ。だってこれ……」
「……なんなんですか?」
「夢オチだし」
……なんだ、夢か。
ま、夢じゃなかったらちょっとおかしいしな。
なにせキャラ崩壊とかしてたし。
「残念だけど、夢じゃないよ?」
「……え?」
そこには、見たこともない(部員ではない)女が立っていた。
「ちょっと私が殴って気絶させただけ」
この女、暴力的だと思う。
そういえば後頭部が地味に痛いな。
「暴力的じゃなくて、権力のなせる技」
……理事長関連か?
「どうも、作者です」
「……はい?」
「だから、作者。ほら名刺」
「あ、ご丁寧にどうも」
差し出された名刺を受け取る。
そこには確かに作者と書かれていた。むしろ作者の二文字しかなかった。
「……ふざけてんの?」
「いや、いたっておおまじめ」
顔だけは妙にまじめっぽかった。
「で、悪いんだけどさ、着地点見失ったから」
「……から?」
「この話、ボツにするわ」
「……え、ちょ」
「リセットボタン、ポチッとな」
「……ぱい、先輩!」
「……ん、美咲さん?」
「どうしたんですかこんな部屋のど真ん中で倒れて。
ちょっと変ですよ? あ、元からですね」
「少しは年上を、部長を敬ったらどうなの?」
ともあれ、本物の美咲さんのようなので少しホッとする。
「それにしても……おかしいな」
「先輩の頭が……ですか?」
……ホント、いい性格してるよね……。
「いや、なんか妙にリアルな夢を見てた気がするんだよねぇ……」
「それはきっと幻覚ですね。一度病院に行くことをおすすめします。
あ、なんだったら私が今ここで手術してもいいんですよ?」
「せんせー、美咲さんがレベリングやりたいそうでーす」
「ちょ、そういうやり方は人としてどうかと思いますよっ!」
「……その言葉も私に対してひどいと思うのだが。なぁ、山田?」
「……ハイ、ソウデスネ」
「よっしお前も付き合え」
「エッ」
「三人で仲良くゲームだ。ついでに男も紹介しろよ」
「「あ、それは無理っす」」
「おまえらぁぁー!!」
「先輩!囮よろしくですっ」
「ちょ、美咲さん!?」
追い掛け回されるのは僕じゃなかったはずなんだけど……ま、いいか。
今日も文芸部は元気に活動しています。
……未婚のもとで。
アホとバカって東日本と西日本では意味というか程度?が逆らしいですね。
関西ではアホが軽くてバカは重いらしいです。
テレビの情報なのであまり鵜呑みにはできませんが。