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まとろい  作者: 囘囘靑
4/5

4.

 戻ってみると、男の姿がない。あたかも煙のように、男の姿は忽然と消えてしまっているのである。巡査は狐につままれたような顔をしていたが、私はあまりのことに二の句が継げずにいた。


「ほんとうです、本当にいたんです!」

 あまりにも情けない話だが、私が言えたのはこれだけだった。しかし何にせよ、私の手についた血糊は本物であったため、私はパトカーに連れられて警察署へ行かされる羽目となった。


――……


 聴取やら何やらで、結局私が自宅へ戻ってきたのは日付を跨いだ正午(!)だった。私の手についた血液も採取されたが、その結果二つのことが判明した。一つは、この血液が私のものではない、ということ。


 そしてもう一つは、その血液を保持しているはずの男性は、十五年も昔から行方不明であるということ。


 この二つの事実から、男性の失踪に私が関わっているのではないか、と疑惑の目を向けられた。しかし当時の私は関東に住んでおらず、しかも小学生であったという明白な事実ゆえにそれ以上の追及はなかった。


 男性には家族がいなかったらしく、この事件に関してそれ以上深追いされることはなかった。私も、二、三回ほど警察から連絡が来たっきりで、それ以降このことの詳細は分かっていない。


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