6 接触1
大変お待たせしました。
団体様はほぼ全員、中世の騎士みたいな鎧を着て、馬に乗っていた。
その中で一番目立ってたのが、いかにも『白馬の王子様』な金髪碧眼のイケメン。
あまりにもテンプレ王子様な感じに、思わず口をぽかんと空けたまま立ち止まってしまったよ。
その『白馬の王子様』が、
「お前が『異世界からの巫女』か」
としゃべった。
辺りを見回しても、私とその団体以外はいない。
とすると、やっぱり私に話かけているのかな?
「お前だ、そこの者」
あ、やっぱり。
「お前が『異世界からの巫女』か」
「…あの、それは質問ですか?断定ですか?」
「お前、口のききかたをわきまえろ!」
先頭にいた、旗をもった二人が、その旗の先端、槍になった部分を私の方に向けた。
面倒くさっ!
そう思ったけど、ニートだからって敬語が使えないわけじゃない。
なんとなく雰囲気で中世の騎士風なお辞儀をして、頭を下げたまま、
「これは失礼致しました、高貴なる方。私はこの国の者ではごさいませんので、ご無礼がありましたことをお詫び申し上げます。」
団体様がかすかにどよめくのが聞こえた。
「面をあげろ。なぜお前は私を『高貴なる方』と呼んだ?」
なんか話がどんどんそれていくんだけど…
「『わきまえろ』とおっしゃいましたから、身分のお高い方だと推測致しましたゆえ、高貴なる方とお呼び申し上げましたが、何か失礼がございましたでしょうか?」
「『高貴なる方』と呼ばれるのは、王族の方々だけだ」
『白馬の王子様』の代わりに、その前、旗持ちの後ろにいたごつい4人の中の一人が答え、もう一人が
「それ以外の方にそう呼びかけるのは、謀叛の教唆として死罪である」
と言うと同時に
近づいていた残りの二人が、槍を突きつけながら言う
「膝をつけ、両手を上に上げろ!」
いいかげんにしてよもう!
話が全然すすまない(汗