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6-1

中途半端なところで終わってしまうので、読みたくない方は6がすべて終わるまでお待ちください。申し訳ありません。

明日からしばらく旅行へ行ってくることになってまして、更新ができないので、まだ、6の半分だけですが更新しました。

 お嬢様方の嵐が去ったあと、さっきのことはなかったかの様にSHRが始まった。


「まぁ、朝から災難だったが、気にせず今日から始まる授業に集中していって欲しい」

「他の科とはなかなか合わない部分もあるかと思うが、3年間一緒に過ごしていくから、少しずつ距離は縮めていけるようにな」



「妃菜、大丈夫だった!?」

「あんな言いがかりつけてくるなんてサイテーだよね!お金持ちだからって調子に乗ってるんだよ」

 先ほど友達になった子達が妃菜の周りに集まってそう言ってくれる。

「ありがとう。ごめんね。私のせいでうるさくしちゃって」

「気にしなくていいよ!お金持ちの高飛車達になんか負けたくないし」

「そうだよ。妃菜は何も悪いことしてないんだし。これから大変だけど、みんなで頑張っていこ!」

「ありがとう。うん!みんなで楽しい毎日にするために頑張ろうね」


――――――――――――――――――――――



 妃菜のところへ教養科の生徒が来て騒いでいった日以来、1年の教養科と普通科のいさかいの日々は幕を開けたようだった。

 今までは1カ月に1度くらいの頻度でいさかいが起こっていたが、今年は1週間に1度は起こっていた。妃菜を中心に教養科なんかに負けるものかと普通科の1年生は団結し、それに対して教養科も普通科のような庶民が威張るな、ということで対抗したせいで、例年よりも言い争いや喧嘩やいたずらが絶えなかったからだ。

 その中でも特に妃菜は攻撃の的になっていた。最初にやってきた教養科1年の女生徒3人組は顔を合わせるたびに睨んできたり、言い争いを仕掛けてきたりした。

「待ちなさいよ!佐藤妃菜!!」

「あなたたち、また来たの?」

「あなたたちってわたくしたちの名前をまだ覚えていないというの!?」

「あー、ごめんなさい」

「祐天寺さつきよ!」

「これだから庶民はダメなのよ」

「そうよ」

「本当よね、さつきさん」

「……」

 仕掛けてきていた。仕掛けてきていたのだが、いつもこのような低レベルの言い争いというほどのものでもないことばかりで、妃菜はもちろんクラスメイトもあきれ半分で、付き合っていた。

 最初の言い争いで、妃菜に言い負かされて帰っていったが、その次にはちゃんと名前を名乗り、覚えなさいよねとばかりに去っていった。いつも言い争いを仕掛けてくるのは3人のリーダーである祐天寺さつきで、後の取り巻き2人は相槌を打ったり、同意しているだけだ。他の教養科の生徒は妃菜の在りもしない悪い噂をいったり、妃菜を呼び出して、手を上げようとしたり、普通科の教室に落書きを書いたりと悪質なことをしていたが、この3人(実質1人だが)はいつも普通科の教室に来て、文句をつけて、妃菜に言い負かされて、また帰るといったことの繰り返しで、妃菜や妃菜のクラスメイト達もおバカだなと思いながら、心の片隅で来ることを楽しんでいた。

 本当は悪い噂を流している首謀者ではないかとも思い、1度聞いてみたこともあった。

「今、私が夜遊びして毎日朝帰りだとかいう噂が流れているのだけど、あなたたちが、流したの?」

「な、なんなの!?あなたそんなことをなさっているの!?」

 というように、全然知らない様子からも流していないことがわかった。

 

「ほんとにあの3人は面白いよね」

「ほんとほんと。愛すべきおバカちゃんって感じがする」

 クラスメイトの中にはこんなことを言う生徒もいて、みんなで笑っていた。

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