第16話
微調整のお話ですので、だいぶ短いです。
感想、誤字脱字等ありましたら、遠慮なくお願いしますm(_ _)m
「―――と、言うワケなのよ」
何が"―――と、言うワケ"なのか、いくら何でも端折り過ぎなこの会話の内容を説明しよう。
まぁそんな難しい話でもないのだが。
要はリーシャさんに、俺がこの世界に跳ばされた経緯(海で叫んだとか、女の子にフラれたとかの話は省いて)とか、イオが神様っていう事とか、イオが俺の部屋で泣いてた理由とか、元の世界の大まかな概要を説明したのだ。
プレゼンテット byイオで。
あれ? コレって難しい話かな?
まぁいいや、テキトーバンザイ。
というワケなんです。
「……はぁ、俄には信じがたい話ですがその、見た事も聞いた事もない、引き手がいないのに走るジドウシャですとか、空を飛ぶヒコウキ等のお話を聞くと、やはり、異世界なんだなという気はします」
「まぁ、どの世界の人も皆そうよ。普通は異世界から来たなんて話す人間がいたら、戯れ言と無視するか、頭がおかしい人と思って憐れむかだからね。その点リーシャさんは素直だし、理解力も良いから助かるわ」
「はぁ、ありがとうございます。でも私が一番驚いたのは、イオ様が神様だという事です」
「まぁ、どの世界の人も皆そうですよ。普通はこんなチンチクリンが神様なんて名乗ったら、戯れ言と無視するか、頭のおかしい人とおもぶへぁっ…!!」
神罰と言う名のドロップキックが俺の横っ面に直撃した。
「失礼な事を言う類人猿は置いといて、別にイオ様なんて畏まった呼び方しなくていいよ。普通に呼び捨てで構わないから、私あんまり堅いの苦手なのよね」
「いえ、しかし…」
そこは譲れないのか、食い下がるリーシャさん。
「そうですよリーシャさん。だいたい神様なんて言ったって、中身も外見も見た目通りのチンチクリンなんですから、畏まったところでぽぴゃあ!!」
天誅と言う名のフランケンシュタイナーが俺の脳髄を揺さぶる。
「それにほら、私としてもリーシャさんとは友達として接したいというか、まぁそんな感じだから、呼び捨てでお願い。ね、リーちゃん?」
「り、リーちゃんなんてそんな……。えと、それじゃあ。い、イオちゃん?」
恥ずかしそうに頬を若干紅潮させ、上目遣いにイオを見てそう言うリーシャさん。
うむ、もし俺があれをやられたら悶死してるな。
それはそうと、体が動かないぜ。
「キャーー! もう可愛い!」
そんなリーシャさんを見て、リーシャさんに抱き付き頬擦りするイオ。
「はわわ、あの、い、イオさん!?」
「もう、違うでしょ? さんじゃなくて…」
「……ィォちゃん」
「あぁもう可愛い過ぎる! お持ち帰りしていい?」
どこぞの危ないオッサンか。
前言を撤回しよう。
外見はともかく、中身は変態のロクデナシだなぁぁあたたたたっ!
背骨が折れる!!
ロメロスペシャルって普通こんな痛くないだろ!!
数分後、部屋の隅に一つの粗大ゴミができた。
「さてと、じゃあ私はそろそろ戻るかな」
暫く三人で談笑した後、イオはソファから立ち上がってそう言った。
「え、もう帰るの?」
「うん、まだ仕事も残ってるし、見たいテレビもあるし(こっちが重要)」
ちなみに今話し掛けたのはリーシャさん。
この数十分の間にだいぶイオと打ち解けたみたいで、端から見れば普通の友達だ。
「そう、残念ね。またこっちに来た時は、私にも会いに来てね」
「うん。むしろリーちゃんに会いにくるよ♪」
「こらこら、俺と言う名の仕事は放棄するなよ」
「そっちはついでで」
「ついで!?」
いやホントどうしようもない神様だな。
仕事くらいきっちりやりなさいな。
仕事キッチリ!(古いか)
「それじゃ、またね。明日の成功を祈ってるわ。まぁ状況を見た限り、今回はルイ一人いれば簡単そうだけど」
「うん。それじゃあ、また」
笑顔で見送るリーシャさんに、手を振りながら光の扉に走り去るイオ。
そして去り際にラリアットを喰らわされる俺。
うむ、学習した。
イオに口答えすれば、プロレス技がとんでくる。
イオが去ったあとの部屋は、どこか閑散として、リーシャさんは少し物悲しそうな顔をしていた。
「行っちゃいましたね。ホント、神様とは思えないような天真爛漫なコでしたね。それはそうと、ルイさん大丈夫ですか?」
「作戦の前に死ぬかも……」
なんかおふざけな話が続きましたが、次回からは真面目にやります。
やらせていただきます。