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第14話



日間ランキングを見てみたら、なんとベスト50位に入ってました!

わたくし豚割としては、嬉しい快挙です。


これも日頃見て下さってる皆さんのおかげです!





「ふぅ~、疲れた…」


 ディアスさん達との話し合いを終えた俺は、自分に宛がわれた部屋にやってきた。

話し合いは無駄話も多様に含まれてはいたが、後半はしっかりと作戦内容の確認とかもしていた。

まぁぶっ通しでやっていたわけではなく、ちゃんと昼飯休憩とかも挟んでたけど。

おかげでいつの間にか日が沈みかけていた。


本当はこの後、明日のための準備やら何やらが色々あるんだけど「ルイは明日の作戦の要なのだから、後は俺達に任せて休んでくれ」とディアスさんに言われたため、お言葉に甘える事にした。


なんか珍しく頭を使いまくったせいか、やたら疲れたし…

俺ってば肉体労働派だから、頭脳労働とか向かないからねー。


あ、ちなみにこの部屋、俺がアルネオに剣闘士として雇われる事を想定して(第6話参照)、アルネオが用意していた部屋だそうだ。

用意周到なこった。



「ふわぁ~…。とりあえず、風呂にでも入るか~」


 俺は欠伸を噛み殺し、重い体を引きずりながら部屋に設置してある浴室の扉に手をかけた。



「キャッ!」





…ん?

キャッ! ってなに?


ボーっとした思考回路のまま、声のした方に顔を上げてみる。


っていうか、俺は相当疲れてたんだな。

疲れた、風呂→脱衣場→女性の悲鳴と言ったら、もうアレしかないよね?


「……」

「……」


でも俺の脳はそんな単純な思考さえ出来ないほど疲れていたワケでして。

何も考えずに声のした方を見たワケでして。


「えーと…」

「ぁ…うぁ…」


別に目の前にいる、金髪紅眼の幼女、現代っ娘ミーハー変態神様の裸を見ようとしたワケではないんですよ?


「…これは事故だ」

「言いたいたことは…それだけ?」


タオルで身体を隠し、プルプルと震えながら顔を俯かせてそう言ったイオ。


「久しぶり、イオ! じゃっ!」


俺はシュタッと手を上げ、爽やかな笑顔で何事もなかったようにその場を去ろうとする。


「天誅ーーーー!!」

「あぎゃーーー!!」










「スイマセンデシタ」


The DOGEZA!


「許さない!」


地面に顔を擦り付ける俺の前で、不機嫌そうに頬を膨らませて椅子に座っているイオ。


「いやホンットすいません」

「フンッ!」


今度はそのままプイッと横を向いてしまった。

いや、その容姿でそれをやられても可愛いだけなんだけど。


「――っ!? か、可愛いって! そんな事言っても許したりしないんだからね!」

「言ってない。思っただけ」

「なに?」

「なんでもございません、はい。ごめんなさい」



……いや、っていうかさ。


「なんでイオがいるの?」


うん、これは最初にぶつけるべき質問だよね。


「なに? 私がいたら悪いの?」

「いやいや、そうじゃなくてさ。なんでイオが俺の部屋に、しかも部屋主の俺を差し置いて風呂に入ろうとしてたのさ?」


そう聞くと、イオをはちょっとバツの悪そうな顔で答えた。


「…キミの様子を見に来たんだけど…」

「で、なぜに風呂?」

「その…、キミがなんか大事な話してるみたいだったから、キミの部屋で待ってよっかなー、って思って…」

「思って?」

「でもキミ帰って来るの遅いし、私昨日忙しくてお風呂入ってなかったから…」

「なかったから?」

「ちょっとお風呂入って、サッパリしてからにしよっかなーって…」


ああ、なるほど。


「おかしくね?」

「うっ…、そこは否定出来ない…」


 これってむしろ、俺が被害者なんじゃね? という思いをイオに抗議してみる。

だってさぁ、普通考えないって。

疲れて自分の部屋に帰って来て、風呂に入ろうとしたら神様が全裸で待ってるなんて。


「そ、その言い方はなんか語弊があるかも!」

「言ってない、思っただけ。っていうかそもそも、俺は見たくて見たワケじゃないのにさー。ロリ属性でもなけりゃ、貧乳属性でもないんだから」

「ひん…! また胸のことバカにした!」

「バカにしてませんー。俺はただ、イオの胸が小さいと言っただけですー」

「ムキー! それがバカにしてるんでょー! だいたい、あんな年とったら垂れるだけの脂肪の塊のどこがいいのさキミは!」

「脂肪の塊だとぅ!? 夢と浪漫の詰まった、奇跡の塊だぞあれは!」

「だいたいキミは!(以下略)」

「へへ~ん、そんな事言って(以下略)」


――やいのやいの!!



累VSイオ

乳討論戦争(大人気ない喧嘩)勃発









…30分後(´・ω・`)



「ハァハァ…」

「ハァハァ…」


ふ、不毛だ…

ってゆうか、なんでいつの間に乳の討論してんだろ俺達。


「そ、それもそうかも…」

「あっ、また俺の心を…って、もういいや」



なんかもうツッコむのも疲れた…。

あ~、喉渇いた。


「あ、そうそうキミさぁ、ちょっと前にこの世界の神様と会わなかった?」

「ん?」


 テーブルにある水差しからコップに水を注いでいると、不意にイオがそう聞いてきた。


「会ったよ。ヒカードとかいう、なんか渋いスーツのオッサンに」

「オッサンって…。で、何か言われた?」


 そう言って、イオは部屋の隅に置いてあるベッドにジャンプしてボフッと座った。


「ん~、特に大した事は…。ただ神様がどうやって生まれるかとか、この世界の神様の性格?とか」

「ふ~ん、ホントに特に大した事は言ってないね」


 そう言いながら、今度はベッドにうつ伏せに寝て、枕を抱いて足をパタパタさせてる。

お行儀が悪いよー。


「あ、あと、この世界と契約するための仲介を行ったのは自分だって言ってた」

「――はぁっ!?」


 抱いていた枕を投げ捨て、ガバッと起き上がるイオ。

あー、俺の枕がー。


「なにそれ!?」

「な、なにそれって…何が?」

「世界と契約するための仲介を行ったって…、それってつまり世界に干渉出来る力を持った神様って事だよ? そんな凄い神様と会ったの!?」

「う、うん、そうだけど…。あのオッサンってそんな凄い神様なん?」


たしかにダンディズムオーラはばしばし出てたけど。


「そりゃ凄いよ! 世界に干渉出来るレベルの神様なんてそうそういないよ! もはや最高神クラスだよ!?」


おぅ、そうやって聞くと確かに凄いかも。


「でもさぁ、そんな凄い神様なら、なんで自分でこの世界の事何とかしないんだ? 奴隷とか反対派だって言ってたけど」

「ん~、流石に最高神クラスの神様でもそれは出来ないんだよね。私達神様は人の運命をちょっといじる事は出来るけど、世界の運命をいじる事は出来ないんだよね。世界の運命を変えられるのは、その世界に住む生物だけだもの」

「運命ねぇ…」


なんか壮大な話だなぁ。


 俺はイオがさっき投げ捨てた枕を拾って、イオにぽいっと投げた。


「じゃあ俺がこの世界に来たのも、その運命ってやつなの? どこの神様だよ俺にこんな運命背負わせたの」

「え? キミは違うよ?」

「へ?」


違うって、何が?


「言わなかったけ? キミがこの世界に飛んで来ちゃったのはイレギュラーだったって」

「……聞いてませんが」

「あれ?」


あれ?ってなんだ、あれ?って。

でも何か、そんな雰囲気の事は言ってた様な。

つか俺、一番大事な事を今まで聞いてなかった気がするんだけど…


「ねぇ、俺ってなんでこっちの世界に飛ばされちゃったの?」

「え? それは、え~っと…」

「なぜ目を逸らす?」

「そ、逸らしてないよー」

「なぁなぁ、そういえば何でイオが俺のとこに派遣されてるの? たしかこの指輪貰った時にイオ言ってたけど、能力を付加するように言われたけど、やり方知らないから変わりに持って来たって言ってたよな? なんでその時に別の神様に頼まなかったんだ?」

「そ、それはそのー…」


 いつの間にかベッドの上で正座状態になっているイオ。

どー見ても後ろめたい事がある感じだ。



ま さ か。



「…イオ、俺に何か隠してるだろ?」

「隠してないよぉ~」


おい、声が裏返ったぞ。


「イーオー?」

「あはっ、あはははは~」


イオの目をジッと睨んで圧力をかけると、イオは乾いた笑いを発して、急にガバッと土下座をした。


「ゴメンナサイ」

「うむ、理由を聞こう」


 ついに観念したイオは、事のあらましを説明し始めた。

曰く、俺が異世界に飛ばされたのは、運悪く次元の歪みに飛び込んでしまったからだとか。

更に、その次元の歪みが発生した原因は、当時その地区の管理を任されていたイオが、次元演算何チャラ機とか言う機械の操作をミスってしまったせいだとか。

 今まで、異世界から召喚され次元を渡って行った人は居るが、こんなケースは初めて、前代未聞らしい。



「…というワケでして」

「お、おまっ、おまぇ…」


ふははっ、チクショウ。

あまりの事実に口の端の筋肉がピクピクいってるぜ。

きっと俺は今、そうとう引き攣った笑顔をしているだろう。


「だから上司に、『お前が責任を持って死ぬまで管理しろ』って言われて、私が来た次第なのです…」

「はぁー…。まぁ、やっちゃったもんは仕方ないか。もう取り返しがつかない事だしな」


 大きな溜め息を吐いて、頭をポリポリ掻きながら言う。

諦めが早い性格ってよく言われます。良い意味でね!


「…許してくれる?」


 恐る恐るという風に此方を窺い、涙目でそう聞いてくるイオ。

うっ…、何か俺がイジメてるみたいじゃんか。


「分ぁーかった 、分かったから! そんな目で俺を見ないでくれ。許す! 許すから」

「ふぇええ~」


あぁもう、完全に泣いちゃったよ。

男の部屋のベッドの上で幼女が泣いてるとか、こんな所誰かに見られたら完全に誤解されるって。






あれ?

こうゆう事考えると、フラグ立つんじゃね?










あ、なんか嫌な予感…




――ガチャ



「ルイさん、夕食の準備……が………」




「………」





「ふぇええ~ん」












オレ、オワタ。







ルイ君ってば最近女の子と絡んでばかりのような…


バランス考えないとな~




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