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掲示板+【悲報】王都騒乱に巻き込まれてしまう件・2

王国政治総合スレPart907



411:名無しの王国民


評議会は根強い反発があった「一般人の武器所有制限法案」を可決した。

レイモンズ・キッカー相国の「公共の安全性と道徳的観点からの健全化」という主張に対し、スマイリー・トリーマー社代表取締役マイク・アシュベリー氏は「商人勢力に対する不当な弾圧」と批判。物議を醸している。



412:名無しの王国民


……つまりこれって、どういうことだい?



414:名無しの王国民


>>412


アシュベリーCEOが言ってるまんまだぞ

要するに、「てめーら商人、力持ちすぎてうぜーから、ギルドとかって私兵、取り上げちゃうね」ってことやろ



415:名無しの王国民


›>414


そんな強引なやり方して大丈夫なんか?

都市連盟に対する挑発行為とかってとられん?




417:名無しの王国民


キッカー相国……間違えた。キッカー売国とかいうクソ野郎

こいつ、帝国に外遊行きまくりやんけ

>>411のやつだってどうせ、“簒奪王”の取り巻きから金握らされて通したスパイ法案だぞ



420:名無しの王国民


キッカーを国民みんなでキッカー(キックアウト)……なんちゃって



421:名無しの王国民


>>420



424:名無しの王国民


>>420


消えろ

……言い過ぎたわ、ごめん



425:名無しの王国民


関係ないけど

三日くらい前からフローゼ姫が行方知れずらしいぞ



430:名無しの王国民


王都にあったギルドもさぁ、だいぶ潰されたよな。『護国の盾』とか『導きの階』とか



433:名無しの王国民


>>430


わかる。

元々、アングラな連中が集まる場所はあったけど

『導きの階』いなくなってからは

チンピラみたいなやつらが大手を振って表通りを歩いてやがるもんよ

胸糞悪い



435:名無しの王国民


キッカーもクソだが

エド・マールブル元帥も大概だぞ。あいつ王国軍事を引き受ける立場のくせに、評議会に軍縮提案してやがるからな。

日に日に帝国との緊張感高まってるってのに



438:名無しの王国民


やだ!

王国って……スパイ多すぎ!?



442:名無しの王国民


>>425


姫がいなくなるわけねぇだろ

犬猫じゃねぇんだぞ



443:名無しの王国民


あくまで噂だが

ゼルヴィナ教会に人が集まってるってよ

ギルドの残党とか、市民団体とかな



447:名無しの王国民


>>443


カルト宗教に負け犬が集まって何すんだよwww

みんなで仲良く傷の舐め合いか?

犬だけにwww



452:名無しの王国民


>>447


お前……

教祖のリアンナ様は立派な人だぞ

やさしいし、きれいだし、おっぱい大きい

すごく立派だぁ……



454:名無しの王国民


>>447


王都で何かが起ころうとしてるってのはマジだぞ

“狂い咲き”がキッカーに雇われたって噂だし

配信を見るに、“暴君”も来てる



457:名無しの王国民


“暴君”?

誰だよ



460:名無しの王国民


>>457


最近“二つ名持ち”になった探索者だよ

迷宮都市から来てる



461:名無しの王国民


迷宮都市っていったら都市連盟の領だろ。

……とすると

アシュベリー辺りが“暴君”を助っ人に呼んでんのか?



 ───



 わたし、華亥ムラクモ♡ あなたは運命を信じますか? 信じませんか? ……ふっ。ムラクモちゃんが信じるのはいつだって自分自身が最強だってこと! エゴイスティック女の子♡



 「“暴君”様! どうかわたくしを……! 王都をお救いください!」


 だなんてねえ。

 そんな急に言われたって困っちゃう。ムラクモちゃんは善良なる観光客ですのよ。……まあ、ちょろーっと黒服さんをしばき倒しちゃったりはしたけども……。ちょ、直接殴ってはないから! 殴ってないからセーフ! セフセフ! 魔法少女的コンプライアンスには違反してません! 自己正当化乙。



 うるうる瞳であざとく見てくるメガ子には気の毒だけどねぇ。ここはムラクモちゃんのスタイルを明確にさせていただくよ。


「……ヒトを殴る気、ないの。喧嘩がやりたいなら、他を当たって」

「ま、待ってください! 待って! ──どうして?! さっきは助けてくれたのに!」


 そ、そんなこと言われたってさあ。

 あれは仕方ないことだったのん。そう何度もある奇跡だとは思わない方がいい。……ムラクモ。ヤツが勝っても、黒服が勝ってもこの星はおしまいだ。……ダメじゃん!

 ……だってねぇ。チミ、くたばりそうだったじゃない。義を見てせざるはヘタレなりってやつだよ。ヘタレに魔法少女は務まらないのだ! えっへん!


「……そりゃ、目の前で死にそうな人いたら助けるよ。でもね、それ以上のお節介はしない。……それだけ」

「そ、それなら! 聞いてください! 評議会のキッカー相国は王都を“簒奪王”に売ろうとしてるんです! このままだと戦争が起きて、たくさん人が死んじゃうんです! だから、助けて!」


 ……うーん。難しい話は、ちんぷんかんぷん、わからんちん。

 ムラクモちゃんの知能はムシケラレベルなので、善とか悪とか、正義とか邪悪とかわかんないのだ! 俺は常に好き嫌いで動くぜ! なんて危険な思想! 放っておケーキ! なんつって。


 別にね、意地悪で断ってんじゃないよ。

 ……元の世界で“協命機関”の鉄砲玉やってた時ね。『終末思想』とかって宗教団体が酷いんだよって聞いたからさ、正義のつもりで半殺しにしてやっつけたの。そいつらみんな逮捕されたよ。

 でも後で知ったんだけど、その人達ってムラクモちゃんと一緒で路地裏育ちの貧乏さんだったのん。生活環境の改善を訴える運動してたんだって。

 ここでムラクモちゃん思ったね。

 考えなしに力を振るうのって、危ないんだなってさ。


 後味悪いなあってモヤモヤしてたらね、ヒゲモジャスキンヘッドに約束させられちゃったのも後押ししてるケド。「お前、頭悪いんだからもう人間同士のやり合いに首突っ込むな」ってさあ。おっしゃる通りですわね。

 ……ま、その約束も今さっき破っちゃったけどねえ。誓いの破壊者わたし。


 ……。

 戦争かあ……。怖いわねえ、戸締りしとこ。


「……一人で帰れる? 送るくらいはするけど」

「……っ!」

「揚げ物食べる? イワビツメレンソウのやつあるよ」

「……ずるいわ」


 ん?

 こんなおいしい揚げ物独り占めにするなってこと?

 それともプリティすぎるムラクモちゃんがさりげない気づかいまで習得してるってこと? いやぁ、それほどでもあるかな。照れちゃう。


「卑怯だわ! あなた、“暴君”なんでしょ! でっかい虫倒したんでしょ! そんなすごい力があるのに、人のために使わないなんて卑怯よ!」


 こやつ……ムラクモちゃんともあろう者に対し卑怯だなんて罵倒するとは! 怖いもの知らずめ、ゆるせぬ!

 ちょっ、落ち着け落ち着け。餅ついて。

 お餅をついてどうするのん? そりゃもちろん、一飲みにしたるでよ! ぱっくんごくーっ。うっ! しまった喉に詰まったんだ! チーン。ムラクモは死んだ。これが……永遠の静寂か……。


 いやねえ、おっしゃりたいことはわかりますよぉ(揉み手)。……わかるけどね。

 そりゃあ、わたしだって戦争起こるかもしんないよって言われて、「ほへー、ふーん、おっぺけぺー!」なんてアホ面しちゃうほど能天気じゃないつもりだよ。

 だけど……。


「フーだって! フーにだってあなたみたいな強さがあったら、キッカーも“簒奪王”もやっつけるのに! あいつらの好きになんてさせないのに! 卑怯よ! 卑怯! 卑怯者!」


 メガ子ね、頭フリフリあざとい駄々っ子やってたんだけど、なんかもう感情が高ぶりすぎちゃったのか、こともあろうにムラクモちゃんのプリティボディへ縋りついて、ペちこぺちこ叩いてきよったのん。

 ちょちょっ、おやめ! おやめなさい! ムラクモちゃんの身体のデコボコがボコだけになったらいかがしてくれるの! って。

 え? 元から貧相だろって? 貴様に死をくれてやる。


 …………うむむぅ。

 泣く子とムラクモちゃんのプリティさにはかなわない……か。

 

「……わかった」

「ふぇ?」

「わたし、観光中なの。……観光案内くらいなら、付き合ってあげてもいいよ」

「……! それって!」


 みなまで言うな、みなまで言うな! ふっ。俺は……てめえの我を通した……だけだぜ。だがそれでも気が済まねえってんなら……ムラクモちゃんプリティ教団に入信して、朝昼晩の三回、ムラクモちゃんの可愛さを賛美するんだな。

 ……とりあえず、お近づきの印。


「ん」

「これ……揚げ物? そういえば、イワビツメレンソウって」

「うん。おいしいよ」


 ようやく受け取ったか。……まるで毒物でも受け取るような手付きじゃないのよ。失敬なメガ子だな。


「あの……これ、物凄く邪悪な臭いするんですけど……。本当に食べもの?」

「おいしいよ」


 はいぱくーっ。モギリモギリ。

 あんまり疑うもんだから、目の前で食べてあげたらねぇ。半信半疑な表情で、小さく一口。いい子だ。これで同じ釜の飯を食べた我らは同志。おんなじ日に生まれることを得ずとも、同年同月同日に死せることを誓っちゃったね♡


 でもメガ子、


「あっ(昇天)」


 って感じで気を失っちゃった。

 ……本当においしいんだけどなあ、これ。

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